【育休男子】#3〜タイミング法とステップアップ〜
初診と検査を終え、いたって健康という太鼓判をいただいた僕たち夫婦。すなわち不妊の原因は見つからなかったため「原因不明不妊」ということで、治療のスケジュールが組まれていくことになりました。
フーナーテストという検査結果も良好で、年齢や妻の体への負担も考慮して「タイミング法」からスタートしていくのがベターと先生からお話があり、僕たちもそれで納得しました。
ちなみにフーナーテストとは、排卵日付近に性交渉をした後に子宮頸管粘液中の精子の状態を調べる検査です。精子の数や運動性、形態を評価することで、精子が卵子に到達する能力があるかどうかを判断します。診察室のモニターに顕微鏡を通して僕の精子が大きく映し出され、それはもう元気に動き回っている姿をひたすら夫婦で眺めるという経験をしました。そしてここでも「いたって健康」のお墨付きをいただきました。
タイミング法
自然妊娠を目指して妊活していた時とベースは変わりませんが、クリニックで排卵誘発剤を用いて卵胞の成長を助けてもらいながら、超音波検査で卵胞の直径を計測して妻の排卵日を正確に予測。ベストなタイミングでの性行為をクリニックに指導してもらうという治療法です。
妻は引き続き基礎体温をつけながら、月に2〜3回の通院。通院日はこちらでコントロールできるものでもないため、仕事を早退したり休んだりして通院してもらうこともしばしばありました。
一方で僕は先生から「旦那さんは特に来なくていいですよ〜」とサッパリ言われてしまいました。それでも妻に付き添って行こうと思っていましたが「きっと夫婦で来れない人も多いから、そういう人への配慮もあるんじゃない?」と妻からも言われ、とりあえず様子を見ることにしてみました。
やっぱり妊娠は奇跡
正直、検査結果に問題がなかったので、これまで妊娠に至らなかったのは本当にタイミングの問題だと思っていました。そこにクリニックのタイミング指導が加われば、一度で子どもを授かることができると思っていました。
しかし、そううまくはいきませんでした。「次があるよ!」「次こそは!」とお互い言い聞かせながら、タイミング法5回目の判定日でも結果は陰性。次の6回目でもダメなら、次の治療にステップアップするという話になりました。
20代でも、不妊の原因がなくても、クリニックにタイミング指導を受けても、なかなか授かることができず。何度口にしたか分からない「妊娠って奇跡なんだよね」という言葉。自分たちの努力ではどうにもならない領域であると分かっていても、この治療を受けずに妊娠・出産できているカップルを思うと、モヤモヤ以外の言葉では表現できない感情に襲われます。
そして、6回目。結果は陰性でした。自己流で6回、クリニックのタイミング法で6回、計12回。初診や検査もあって、チャレンジできなかった月もあるので、期間にして1年3ヶ月。「健康な夫婦」と太鼓判をもらった20代夫婦の僕たちは、この期間で子どもを授かることができませんでした。
20代のカップルが妊活を始めて半年程度で妊娠する確率は約80%、1年以内に妊娠する確率は約100%...
1年経っちゃったね...。医療の力を借りても、約100%に入れなかった我々は、さらなる治療へステップアップを図るのでした。