本の紹介 駒井稔・「光文社古典新訳文庫」編集部(編著)「文学こそ最高の教養である」光文社新書
「光文社古典新訳文庫」といえば、日本や世界の古典文学の斬新な新訳を出しているシリーズとして有名なものです。
2006年9月に創刊され、今でも新作が出されています。
表紙のデザインは望月 通陽(もちづき みちあき)。印象的な線画が、ゆるやかに古典の世界へいざなってくれます。
日本の古典文学では、以下の作品が現段階で出版されています。(訳者)
歎異抄(川村湊・文芸評論家)
梁塵秘抄(川村湊・文芸評論家)
虫めづる姫君 堤中納言物語(蜂飼耳・詩人、作家)
方丈記(蜂飼耳・詩人、作家)
とはずがたり(佐々木和歌子・文筆家)
今昔物語集(大岡玲・作家)
好色一代男(中嶋隆・国文学者)
太平記(亀田俊和・日本中世史学者)
好色五人女(田中貴子・国文学者)
枕草子(佐々木和歌子・文筆家)
この本は、このシリーズの編集長の駒井稔さんと、各文学作品の翻訳者の対談を集めたものです。
日本の古典文学からは、鴨長明(かものちょうめい)の「方丈記(ほうじょうき)」について、翻訳された蜂飼耳(はちかいみみ)さんと、駒井さんが対談されています。
方丈記についての話はもちろん、他の翻訳された日本の古典文学について(蜂飼さんは他にもこのシリーズで翻訳されています)もお話しされています。
他にも、さまざまな古典の新訳についての対談を読むことができます。
取り上げられた作品は次の通りです。
プレヴォ『マノン・レスコー』
ロブ=グリエ『消しゴム』
フローベール『三つの物語』
プルースト『失われた時を求めて』
トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』『だまされた女/すげかえられた首』
ショーペンハウアー『幸福について』
デフォー『ロビンソン・クルーソー』
オルダス・ハクスリー『すばらしい世界』
メルヴィル『書記バートルビー/漂流船』
ナバコフ『カメラ・オブスクーラ』『絶望』
ドストエフスキー『賭博者』
鴨長明『方丈記』
アチェベ『くずれゆく絆』
プラトン『ソクラテスの弁明』
このシリーズのおもしろいところは、訳をされている人にもありますので、対談から入るのもいいと思います。
ぜひお手に取ってみてください。