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大阪弁でnote版方言リサーチまとめ(2)境界線がありそうな方言

方言リサーチに、ぎょーさん協力してもろてホンマにありがとうな!
今回はその結果をまとめさせてもらいます。
ただし、「方言」がテーマなので、当記事は私が使う普段使いの大阪弁で進めるで~。


コメントだけやのうて、記事にしてくれた人もいてはって、お陰さんで参考になるわ、おもろいわで、ものごっつうたいへんええリサーチになりましたわww
ありがたいことや。

【】内は各方言の境界線のあるなしを次の3種類で判定してみたから、確認してな!
・【あり】
・【なし(共通)】
・【なし(バラバラ)】

※ただし私の直感●●による判断やからな。

1ヵ月も前の話やから、忘れかけてるけど、前回の記事で質問した数々の「言葉」を都道府県別に書き出していくから、ざっと見てほしいねん。
ただし、ぎょーさんたくさんあるから覚悟してや!
スクロールするのんもめっちゃしんどい疲れるかもしれんで!
知らんけど、先にうとくわ。

しゃーからだから、珍しく目次付けたから良かったら使つこてな。

ほな、いくで~!!


前回の総評

①「じゃんけん」ー【なし(共通)】

部分的に変化形はあるみたいやけど、ほぼ全国で通じるみたい。
「ちっけったっ」の千葉、「べえ」の東京は例外やろ💦

・「じゃんけん」大阪、兵庫、埼玉、徳島、大分
・「じゃいけん」大阪、兵庫、石川、徳島
・「いんじゃん」大阪
・「いんちゃん」愛知(尾張)
・「ちっけったっ」千葉
・「いいじゃん」東京
・「べえ」東京
・「じゃんけんぽん」青森

②「暖かい」「寒い」ー【あり】

変化形はあるんやけど、基本的に「暖かい」か「ぬくい」で、名古屋あたりできれいに分かれてる?
「寒い」も基本形から変化したのが多いけど、まったく違う言葉なんは福島の「しばれる」やな。

・「暖かい/寒い」埼玉
・「ぬくとい/さみぃ」愛知
・「あっだげえ/しばれる」福島
・「あったかい」石川
・「ぬくい/さぶい
」兵庫
・「あったかい/さぶ~」東京
・「ぬく(と)い/さぶい(ひえる)」徳島
・「ぬぐい/さびぃ」青森
・「あったかい/さみぃ」大分
・「あったかか、ぬっか、ぬくたか/さんか」長崎

③「〜だ」を「〜ら」と言うー【なし(バラバラ)】

見事にバラバラやん!これこそ方言の醍醐味。
会話の流れによって変わるから、そらそうや。

・「やん/やろ」大阪
・「〜だ」埼玉
・「じゃん」東京
・「~だべ、~だべした/~だばい」福島
・「なんでいね/なんでやぁ」福島
・「〜だね」東京
・「だで/だろ」「だら」「だけん」鳥取
・「けん/じゃ/じょ」徳島
・「だっきゃ/だんず」青森
・「〜や」大分
・「じゃんねー/じゃんさー/じゃんよー」神奈川
・「〜ばい/〜たい/〜なぃ/〜ばなぃ/〜げな」長崎

④「つまらない」ー【あり】

だいたい、西日本の「しょうもない」、東日本の「つまらない」とに分かれてるけど、さすが東北はまったく違うもんになってるのが面白い。

・「つまらない」埼玉
・「おもしゃぐね、なす」福島
・「つまらん」石川、大分
・「しょうもない」兵庫、大阪
・「つまんない」「しゃーない」東京
・「たっすい/しょんない」徳島
・「やずね」青森
・「つまらん/しょもなか/あいた(飽きた)」長崎

⑤棘とげー【なし(共通)】

特例的に福岡、広島の「すいばり」があるんやけど、「とげ」は全国的に通じる感じ?

・「とげ」埼玉、青森、大分、大阪
・「すいばり」福岡、広島
・「とげとげしい」東京

⑥「陰気、地味」ー【なし(バラバラ)】

大阪、兵庫の「辛気臭い」がむしろ珍しく、これには「とろい」の意味もあるねん。
全体的に「暗い」の変化形が多い感じ?

・「陰気、地味」埼玉、大分
・「ネクラ」東京
・「辛気臭い」兵庫、大阪
・「暗い/くさい」東京
・「どくれ」徳島
・「くれぇ」青森
・「暗か/気ん重か」長崎

⑦「やってはいけない」ー【なし(バラバラ)】

これは失敗したな。「いけない」だけで集計とれば良かったと後悔してるねん。
そこだけ見ても、やっぱり各地で特徴あるわ~。

・「やったらあかん」大阪
・「やってはいけない」埼玉
・「やったらかんがね」「 やりゃーすな」愛知
・「やってかん」愛知
・「ダメ」東京
・「いげねえ」福島
・「だめやがいね」石川
・「つまらん」福岡、長崎
・「だめじやんか」東京
・「したらいけん」鳥取
・「せられん/あかんよ」徳島
・「まいね」青森
・「やっちゃいけん」大分

⑧「捨てる」ー【なし(バラバラ)】

「ほかす」が共通してるみたいやけど、「投げる」は東北・関東・山陰と遠い各地で使われてるのんは意外やったなぁ。

・「ほる、ほかす」大阪、兵庫、徳島、石川
・「捨てる」埼玉、大分
・「ほかる」愛知
・「投げる」福島、群馬、鳥取、青森
・「ほぉる/ほぉっといて」石川
・「放る」東京、徳島
・「放下す」長崎…読み方がわからない💦「ほうげす?ほうかす?」

⑨「ものさし(定規)」ー【あり】

だいたい全国的に「ものさし(さし)」で通じるんちゃうかな?やけど、関東圏でだけが「線引き」っていうみたい。

・「ものさし(定規)」埼玉、石川、青森、大分、長崎
・「線引き」群馬、東京
・「さし」徳島、大阪

⑩「おっちん」ー座るー【なし(バラバラ)】

これは見事やな!
各地の方言はあったこうてあたたか味があってほのぼのするわ。

・「おっちん」兵庫、大阪、鳥取
・「座る」埼玉、大分
・「おっちゃんこ」北海道
・「ぼくちん」東京
・「とんち(赤ちゃん向け)」徳島
・「おかっこまり(正座)」徳島
・「ねまる」青森
・「おひざ」長崎
・「ちゃんこ」長野

⑪「とても(非常に)」ー【あり】

九州、関西・四国、関東、東北の4か所で細かく境界線がありそうな気がする。
特に九州2県、東北。青森に特徴ありやな。

・「とても」埼玉
・「ごっつう」「ものごっつう」大阪、京都、鳥取
・「どえりゃあ」愛知
・「めっちゃ」兵庫、大阪
・「うんと」福島
・「とっても」東京
・「えらい/めっさ」徳島
・「たんげ/のれそれ」青森
・「しんけん」大分
・「たいて(目方)/よぉさん(数量)/ほんに(質等)」長崎

⑫片付けるー【なし(バラバラ)】

これは同じ都道府県内でも複数の言い方があるみたい。
それぞれの語源は「片付ける」と「仕舞う」の2種なんかもしれん。

・「なおす」大阪、京都、徳島、大分、長崎
・「片付ける」埼玉、青森
・「しまう」愛知、兵庫、長崎、大阪
・「片す」石川、徳島
・「ずける」東京
・「つまえる」徳島

⑬絆創膏ー【なし(バラバラ)】

その地域でよく売られてる商品名が呼び名になってるから面白い。
たとえば私はリバテープやカットバンであっても総称して「バンドエイド」と呼んでるなぁ(笑)

・「絆創膏」埼玉、石川
・「バンドエイド」大阪、埼玉、愛知、兵庫
・「カットバン」福島、青森、長崎
・「リババン」徳島
・「はりもの」東京
・「ばんそーこ」徳島
・「リバテープ」大分
・「キズバン」長野

⑭自分のことと相手のことー【なし(バラバラ)】

青森、福島などの東北は「わ」とか「な」と一字で表すのは、寒い地域では少しでも体温を維持するため、極力短い発音で会話すると聞いた事がある。
やっぱりそれは正解なん?

大阪の相手の事を「自分」ていうのはやっぱり珍しいなぁ(笑)

自分のこと
・「私・俺・僕・自分・あたし」大阪、埼玉、大分
・「おら/わ/わー」福島 
・「わて」大阪、石川
・「うち」徳島
・「わ」青森
・「おい/おどん/おどんがた(私の家)」
相手のこと
・「君・あなた・お前」埼玉、大阪
・「自分」大阪
・「おみゃあさん」愛知
・「にしゃ」福島
・「おま(は)ん」徳島
・「な」青森
・「あんた」大分
・「わい/あんたさん/おまえ/おんし(御主)」長崎

方向を指すのと同じ?
・「あっち/こっち/そっち/どっち」東京、鳥取
・「あげ/そげ/こげ」鳥取

⑮かき混ぜるー【あり】

だいたい群馬あたりで境界線ある?
それまでは「かき混ぜる」の変化形やけど、それから北になると「かんます」が基本形かな。

・「かき混ぜる」埼玉、大分、長崎、大阪
・「かんまかす」福島
・「かんます」群馬、長野
・「まぜまぜ」東京
・「まぜこぜにする」徳島
・「かまかす」青森

⑯手袋を身に着けることー【なし(バラバラ)】

分かれていそうで分かれてない💦
靴下みたいに「はく」もあるんやな。

・「つける」埼玉、東京、大分
・「はめる」愛知、徳島、長崎、長野、大阪
・「する」石川、大分、大阪
・「はく」青森、長崎

⑰「ちょっとの間」ー【なし(共通)】

これは一般的にはそのまんまで方言はないと思ったけど、大阪と青森が特に独特やった(笑)

・「ちょっとの間」埼玉、大分
・「ちっとにゃあ」愛知
・「言うてる間」大阪、兵庫
・「ちょっとのあいだ」「ほんの」東京
・「ちょっと(こ)ま」徳島
・「わんか/わんつか」青森
・「ちっと/ちいっとばかし」長崎

⑱「明日のパン」ー判定不能

これはどうみてもそのまんまで通用するよな(笑)
方言というほどのもんやなかった。

・「明日のパン」埼玉、大分、大阪
・「今日のパン(明日の朝食用にもする)」東京
・「朝食は常にご飯と味噌汁」長崎

⑲体育のときの座り方ー【なし(共通)】

「体育座り」と「三角座り」、広範囲で通じる感じやな。
他はもしかしたら年代によるマイブーム的に言うたんちゃうやろか💦

・「体育座り」大阪、埼玉、石川、徳島、大分、長崎
・「体操座り」愛知
・「たいくすわり」東京
・「あんざ」東京
・「三角座り」兵庫、鳥取、徳島、長崎、大阪
・「ヤンキー座り」「うんこ座り」東京

⑳「うるさい」ー【あり】

だいたい東北と九州あたりに境界線があって、その間は「やかましい」と「うるさい」が入り組んでる感じかな。

・「うるさい」埼玉、徳島
・「うるしゃあ」愛知
・「うっつぁしい」福島
・「やかまし」大阪
・「やかましい」石川、兵庫、鳥取、長野
・「しゃーしぃ」福岡、大分
・「うるせい~」「じゃかましい」「だる~」東京
・「じゃかぁしぃ」徳島、大阪
・「たっすい」徳島
・「さすね」青森
・「やぜなか/やかましか/ひっちゃかましか」長崎

㉑「盗む」ー【なし(バラバラ)】

だいたい「とる」か「ぬすむ」が多いねんけど、その分布も線引きでけへん。
特殊なんは東京の一部と東北かな。

・「盗む」埼玉、愛知、大分
・「パチる」大阪、京都
・「パクる」大阪
・「かっぱらう」福島
・「盗る」石川、徳島、大分、長崎、大阪
・「つまむ/つまんだ」東京
・「ぎる」青森

㉒「睨む」ー【なし(バラバラ)】

もちろん「睨む」は全国的に通用するんやけど、そのサブ的な方言としては各地に存在するみたいやなぁ

・「メンチ切る」大阪
・「睨む」埼玉、愛知、徳島、大分、大阪
・「がんづけ」「がん飛ばし」東京
・「ねめる」徳島
・「目のきつか(目つきが鋭い/目が疲れた)」長崎

追加と番外編

追加回答編

このリサーチのきっかけとなった記事、
「アホとバカにみる「方言の境界線」を考えてみた」への追加回答ももろたから報告しとくわな。

①アホバカの方言
・「だら/だらや!」石川
・「ふうけもん/どべこす(ビリ)/大将/おうどか(乱暴者,無礼者)/じだらっか(怠け者)」長崎

②体調が悪い時の方言
・「たいそい」石川
・「きつか(身体的)/しんどか()メンタル/具合ん悪か(病気)」長崎
  
③会話で使うちょっとした方言
・「なんでいね/なんでやぁ(不平不満)」石川
・「しまっし/しまっしま」石川
・「あらーぁ/まーぁ(女性)」「ほいまた(男性)」長崎
・「おとろ/おぉとろぉ(驚き)」長崎
・「だすけ(だから)」新潟、青森

アクセント編

アクセントについてのおもしろいコメントもあったで~。

東京と近畿はアクセントが逆ですが、岡山県では東京のアクセントに戻るらしいです。

前記事のコメントより

大阪弁のアクセントで言うと、こうなります。
・「橋」「箸」「端」
し」「は」「はし‐‐
・「隅」「炭」
「す」「み」

う~ん確かに、関東弁あるいは標準語になると、逆になるなぁ。
大阪弁でうたら、最近の役者さんは上手い人が多いけど、昔の「ミナミの帝王」なんか見とったら、下手くそ過ぎて聞いてられへん💦

動詞変化編

大分バージョン

存在を表す動詞「ある」「おる」を存続させて、「あってる」「ありよん」、「おっちょん」と言います。

前記事のコメントより

これは実際に聞いてみんとよくはわからん。
「ある」「おる」をミックスさせて「おっちょん」になるという事か…?

さらに、
「来よん」到着前
「来ちょん」到着済
と、使い分けてるらしい。
「来る」「来た」と、普通に言うより、なんか可愛いらしい表現や。

「たわん」「とわん」 場所によってちょっと違いますが届かないという事
「10時前5分」9時55分の事

「たわん」「とわん」て、漫才コンビみたいや(笑)
要するに語源は「足りん」「届かん」なんかなぁ。

あと、
「よだきー」 めんどう・かったるい
「はわく」掃除する
こんなん絶対通じひん💦

長崎バージョン

「こん枝はとがらしよる(この枝には棘がある)」みたいに、物を主語にしての、動詞受身形で使う場合がある

それを言うなら「とんがってる」でええと思うねんけど、ちゃうんやなぁ。
いや、「とがらせてる」が正解か。
おそらく状況的に意味は伝わるやろけど、いったん頭に入れて一周させなあかんような言い回しやな。

それともひとつ、
手がかじかむことを「こしきれる」と言うらしい。
語源は「(指の)腰切れる」というこらしいけど、それでも「なんで?」となって意味が繋がらへん。
「腰切れる」から、どないしたら「かじかむ」になるんやろ?

その他の方言

長野の「かまう」
「もうらしい」はかわいそうなこと。
「かまう」茶化してかわいがることをいうらしい。
大阪で「かまう」は世話を焼くことやから、おんなじ日本語でもまったく意味がちゃう。

「おちょけ」って、どこまで通じるんやろか?
徳島でも言うらしいけど、大阪でも言うねん。
「いちびり」とも言うねんけど、ふざける人のことで、少なくとも大阪人は調子乗りやから、だいたい当てはまる(笑)
これはさすがに大阪、せめて関西だけやと思ってただけに、海を隔てた徳島もお仲間で嬉しいわぁ。


福島弁はホッコリする

福島弁はどうしてもNHK朝ドラの「おしん」や映画やドラマにもなった「壬生義士伝」が浮かんでしまうねん。
米が育たん厳しい自然環境ながら、そこに住む人々の温かみをじ感させる言葉や。

あかん!長崎に住まれへん。

「我の強か」は、人格否定レベルの悪口。矯正必至。
「アホ」は直球過ぎて、洒落にならない。生涯恨まれかねない。

記事内のこれらに箇所にギョッとした!!

「我が強い」は、「気が強い」「強情」という意味もあるから、必ずしも悪口やない。
ほんで「アホ」は大阪人の常套句やん💦
悪気のうてもしょっちゅう言うから、長崎では一発退場や~~💦

変化する方言

言い訳になるけど、同じ都道府県内でもその中のピンポントの地域、年代によっての差は避けられへんし、同じところでも、一つの言葉に対して絶対に同じ方言やとは限れへん。
確かに大阪府内でも東西南北の位置によって言葉が違うねん。
そのあたりは今回、ひとまとめにさせてもろたから、堪忍してや。

これはもしかしたら、他所から来た人の方言がその土地に根付いて、時代とともに変化したのもあると思うねん。
言葉は、人の移動が影響してるからこそ、たまに同じ方言が遠く離れた土地であったりするんちゃうやろか。

時代によって日本語自体も変わってきてるし、それに伴って方言も進化するのんも当たり前の話。
もしかしたらこの先、何十年先にはこれらの方言も消えて無くなってしもてるかもしれんで。

方言は形のないもんやから、人が使わんかったらあっという間に廃れるのはしゃーないんやけど、せめてこういう形で書き残すことは大事やと思う。
そういう意味では、今回のリサーチはええ機会になったとつくづく感じ、皆さんにあらためてお礼を言います。

ほんま、おおきに!




※サムネイル画像はフリーのFrameillustよりDLし、Canvaで制作しました。


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