読書人間📚 『あなたは、誰かの大切な人』 原田マハ
『あなたは、誰かの大切な人』 著者/原田マハ
6つの短編。
主人公はみな大人の女性。
中には結婚歴もあるが、現在みな独身。
▶︎38歳、美容師
▶︎39歳、フリーランス・アートコーディ―ネーター
▶︎50歳、美術館の学芸員
▶︎40代後半、フリーランス・ライター
▶︎45歳、フリーランス広告ディレクター
▶︎48歳、都市開発会社社長
ありがちな結婚や出産の迷いは描いてはいなく、選んできた今の状況を否定的でなく肯定的に人と繋がっている女性達を描いている。
フリーランスや社長である事から独自の価値観が優先され孤立しそうな中でも周りの人々との関係を孤独として描かず、むしろ孤独も受容していく。
生涯未婚の人がこれからもっと増えていくと思われる今、そうであっても、あなたに大切な人がいるように、あなたは誰かの大切な人、あなたの人生は愛おしいものだと教えてくれる一冊です。
原田マハさんはキュレーターだった事からアートをモチーフにした小説が多く、本書はどういった風の吹き回しだろうと思い手にしましたが、フリーだった事から、国内外、沢山の人と接する中で感じとった寂しさや喜びの大切な思いを本書に収め伝えているのだろうと思います。
本書のタイトルを疲れている時に目に止めたのか、この本をまだ買う訳にはいかないと書店で3週間スルーし続けましたが、気になって仕方なく目に入ってしまう。
ああ、やっぱり私は疲れている事をそろそろ認めなくてはと覚悟し4週目に購入。
一冊の本を購入する時、まだまだ私は疲れていない。と意地になって購入しないなんて事、皆さんにもありますか?
私は"心に効く特効薬!"な本を避けているところがあります。
読む事により、持ち堪えていたものがガラガラと崩れたらどうしよう。どう這いあがろうと考えてしまうのです。
本書は派手な展開はありません。
読み手に寄っては地味なものかも知れません。
でも、その時、特に響くものでは無くても、いつかの為に本棚にそっと閉まっておくのも良いかも知れませんね。
カバー画 / MARK ROTHKO ©︎1998
カバーデザイン / 坂野公一
講談社
#本の記録📚 #原田マハ #あなたは誰かの大切な人
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