読書人間📚 『月と六ペンス』サマセット・モーム
『月と六ペンス』The Moon and Sixpence
著者 サマセット・モーム
訳 金原瑞人
サマセット・モーム William Somerset Maugham(1874-1965)
20世紀を代表するイギリスの作家。
本書は1919年出版
画家のポール・ゴーギャンをモデルとした作品。
ゴッホと対にして取りだたされるポール・ゴーギャンですが、ここではみっちりゴーギャンだけを楽しめます。
サマセット・モームはおもしろい。
人物達の会話のやり取りは歯切れ良く、難しい表現、言葉を使わずテンポよく本の中に集中させてくれる。
『女ごころ』を読んだ時にも同様に感じ、モームが長く愛読されてきた理由がよくわかります。
登場する画家は奇天烈であり、表現する事、描く事に純真なゆえに周りを惑わせ、理解されないままに終わる。だからと言え孤独だったか?と言うと孤独に終わった訳でなく、描く上で必要で無く、時に必要であった愛情の中で描き切った最期は、多くの犠牲の上に成り立ってしまいましたが、作家、画家としては幸せだったのかも知れません。
表現者と言うのは突き詰めた先を見ているので、周りが見えてい無い、何か欠けていると言う事が多々あるかもしれません。ですが表現者だから構わない、仕方ないとは思いません。
私自身も歌うと言う表現者の立場から、行き着く先、着地点を想像する事に猛進、盲進し、周りが見えていなかった、誰かを傷つけたかも知れないと立ち止まる事があります。
これはとても難しい問題です。問題にしなくて良い程、のびのびとしていたいものですが、そうはいきません。
ある意味、誰にも媚びず、お金などの欲にまみれず自身の目的だけに猛進する、ここに登場する画家ストリックランドが羨ましくもあります。
本書で考えるのは
【売れている、売れるから良い作品とは言えない。ただの俗物な可能性もある。】
これは感じている人も多くいるかと思います。
人は並んでいるものに並ぶ。それが本当に魅力的なのか、自分にとって良いものなのか判断、考えもせず、
皆が並んでるいるからと言う思い込みの霧が頭の中を覆い、本質を見極める思考が停止する。
この所のオリンピック開会式の問題もそう言う事であったが為に起きているのではないかと思います。
最近、同性愛者である作家の作品にハマっています。モームもその一人。多角的に物事を捉える能力に長けているのか、どれも外れなく面白い。
虐げられた世界の中で動く愛、嘆きの機微を、ペンを持つ能力に任せ、細かな心理描写をまがまがと表現出来るのかも知れない。と思うのです。
モームは引き続き読んでいきたい作家です。
デザイン 新潮社装幀室
カバー印刷 錦明印刷
新潮社文庫
ブルーの🫐装幀が青空によく映える🫐
#キュンタ 純金キュンタしおりがほしい。
#読書記録📚 #ポールゴーギャン #サマセットモーム
🌝声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都
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