鳥見日記<W川原編>1/2 2023年4月 やぶこぎ日和【一部、閲覧注意】
鳥見仲間で茶飲み友だちのモカさんと、たまたま予定が合ったので、鳥見に行きました。
場所はW川原です。
モカさんも愛読している野鳥ブログの主さんがこの時期になるとW川に何度も何度も足を運んでいるのです。
気になるので行ってみることにしました。
とはいえ、詳しい場所が分かるわけではありません。
探鳥会で行ったことのあるコースを歩いてみることにしました。
W川原近くの公園に車を停めました。
公園から川原を目指します。
早くも公園の時点で藪は濃く、行き先を阻みます。
藪が嫌いなモカさんは
「本当にこっちでいいのー」
と、後ろ向きになりましたが、さらに私が
「私もよく分からない……」
そう言って、モカさんの不安を増やすのでした。
私が最初に目指したのは浄水場の水路でした。
水路が川まで延びているので、コンクリートの上を歩いて川のそばまで行けるのです。
私が分かるのはそこまででした。
探鳥会でW川原を案内してくれた人は、毎日ここを歩いているのだそうで、きっと今でも道ができているだろうと思っていました。
そういう目で見てみると、確かに“歩けなくもない”道が続いているのでした。
モカさんが
「先に行って」
「道がわかるの、師匠だけなんだから」
そうに言うので、私が先に立ちました。
私とモカさんが鳥を見始めた時期は2~3ヶ月しか違わないのですが、モカさんは私を師匠と呼びます。
私は“ここなら歩けるかも”という道を選びました。
モカさんは特に不満を言わずについてきてくれました。
たまに道を見失っては、立ち止まってキョロキョロ。
そこなら歩けそうじゃない?みたいな場所を見付けて進みます。
すぐ近くを川が流れていました。
川に鳥がいないか見るのですが、なかなか視界に飛び込んできません。
飛んでいる水鳥を無理に撮っても、ブレブレでした。
モカさんが
「いた、キジ!」
「崖を降りた、向こうに赤い頭が出てる」
そうに教えてくれたのですが、私には見付けられませんでした。
しばらく藪を進むと、バサバサと音を立てて、目の前をキジの赤い頭が横切っていきました。
胴体は草むらの中で、赤い頭だけが見えていました。
キジは、侵入者から離れた方に逃げればいいのに、私の目の前に飛び出したのでした。
「キジ!キジ!キジ!」
キジは、左の藪から右の藪へ、すたこらさっさと逃げていきました。
モカさんに必死で訴える私。
「い、今っっ!」
「となりのトト□の、中トト□みたいにキジが横切っていった!」
あわ食っている私に向かって、モカさんは歌いました。
「トト□♪、トット~□♪」
おかげであわ食っているのが止まったのでした。
やがて、笹藪が立ちはだかって、先に進めなくなりました。
ここから先は、きれい事ではない話になりますので、苦手な方は戻るボタンでお戻り下さい。
ふと、思いました。
…何か臭うな。
…トイレみたいな臭い……?
モカさんが先に言いました。
「くさいね」
「うん、この辺はみんなのトイレかね」
「くさいわけだ、そこで何か死んでる」
モカさんが見付けたのはキツネとかタヌキくらいの大きさの四つ足の生きものの残骸でした。
肉が腐った匂いではなくて、トイレの臭いがしていたのは意外でした。
2につづく。