管理者の持つべき技術(7)
前回、管理者の持つべき技術(6)で、
簡単に利益の出るビジネスマナーについて、書きましたが、
多くの管理者がビジネスマナーについて、教育する場合、
一番肝心なことを伝えていないことが、ある様に思います。
何の為に、ビジネスマナーを習得するのか?
利益を出すためなのですよね。
ですので、世間一般のビジネスマナーを身に付ければ良いのではなく、
顧客によっては、マナー違反と思われるふるまいでも、
自社にとって利益が出しうる対応ならば、
世間一般で言うマナーにこだわる必要はありません。
特に、海外などで働いていると、企業のトップと付き合うことも多く、
その場合、基本的なビジネスマナーは必要ですが、
それにプラスして相手の懐に飛び込む観察眼と会話術、
相手の望むものを見極める嗅覚、
世間では「人たらしの技術」と言うモノが必要です。
これは実例をあげると、坂本龍馬になると思います。
当時の武士社会において、龍馬のマナー違反は目立ちますが、
それなのに龍馬は格上の武士と対等に付き合っています。
現実社会でも、顧客に気に入られると、多くの利点があります。
どのようにして、顧客に気に入られるかは、
個々の顧客によって違いますが、相手の懐に滑り込むために、
観察眼とそのための会話術、また、相手の望むモノを探し出す
嗅覚を鍛える必要があります。
観察眼や嗅覚は、管理者の心得(2)で言う、
気配り、目配り、耳配りが出来ないと、磨かれません。
会話術は、聞く力と話す力に別れます。
聞く力だけでもダメですし、話す力だけではもっとダメです。
顧客に会う場合、引継ぎ以外では、情報収集や提案など、
必ず、明確な理由、意義があります。
あなたは、顧客に会う意味を理解して、
十分、準備をして顧客に会っていますでしょうか?
そのための会話術を考えていますでしょうか?
ただ顧客に会うのではなく、落としどころを考えて顧客に会い、
顧客と会話をしていますでしょうか?
ただ、顧客の話を聞いているだけでは意味がありませんし、
自分の意見を顧客に話し続けても、理解が得られるとは限りません。
会話術にも、起承転結は必要ですし、
交渉ごとの一環として落としどころを決めておくことも必要です。
当然、その会話の中には、メリット、デメリットも含まれますし、
熱意も含まれます。
聞くのも、話すのも、人は普通に行っていますが、
ビジネスでは、利益を出す大前提を忘れて会話している場合が
あるのではないでしょうか?
管理者は、利益を出すビジネスマナーを身に着け、部下に教育しましょう。
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