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ちぃころ
2020年2月12日 17:47
「荷物がたくさん届いてるよ〜」そう報告を受けて、いそいそと仕事場を出て、事務所に向かった。空港の端から端に移動しなければいけなくて、事務所に行くだけで15分はかかってしまう。その数分前までは、上司のミスをカバーするために奮闘していた。なんで私がこんなことまで...という気持ちがぐっと立ち込めていく。こういう気持ちというのは煙と同じだ。一回立ち初めてしまえばとても速い。もくもくなんて可愛いも
2020年2月19日 18:06
10代の頃、毎日を生きるのが苦しくて苦しくて悟りを早く開きたいと思っていた。悟りを開けば、とんでもなく日本人差別してくる教師の態度も一瞬で受け流せる。小うるさい小学生にも何も思わない。絶賛反抗している親にも腹は立たない。自分の悪口を裏で言っているかもしれない友達も笑って一瞬で捨てれる。曖昧でどうなるかもわからない恋愛だって余裕で流れに任せられる。そう思っていた。そう思っていたら、本当に
2020年2月4日 01:31
フィルターも自動修正もないアイフォンのカメラでとった写真を見て、友達が叫んでいた。いやだぁぁ、こっちよ、こっちが本物の私!そう言ってピンクカメラのアイコンを開くと、彼女は自分の方にカメラを回転させた。さっきとは別人なほどに肌が滑らかさをまして、目も大きくなっている。輪郭は少し細くなり、全体的にうるっと上気している美女が現れていた。そのままカシャっと一枚写した彼女はやっと優しく微笑んだ。
2020年2月1日 22:00
遠距離をして10年目の夏だった。パキパキに晴れた日にはノースリーブと決めている。まあるいなで肩にワンピースのそでを引っ掛けてストンと下ろす。あの人のもとに走る時、きっと思いっきり揺れてくれ、スカート。会うのは9ヶ月ぶり、そして仕事でしか来ない彼と会えるのは夜だけ。それでも信じていたリングに載せた未来を。やっと会える、やっと会える、やっと会える。まずは顔を見られればよかった。そんな気持ち