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【第197回】【新刊】矢守克也「避難学 「逃げる」ための人間科学」(東京大学出版会)


質問 矢守克也会長の新刊「避難学 「逃げる」ための人間科学」について教えてください。

概要

 ➀24年10月2日に矢守克也「避難学 「逃げる」ための人間科学」(東京大学出版会)発刊
 ②逃げるための人間科学
 ③目次

解説

➀24年10月2日に矢守克也「避難学 「逃げる」ための人間科学」(東京大学出版会)発刊

 地区防災計画学会の矢守克也会長(京都大学教授)の新刊である「避難学 「逃げる」ための人間科学」が、2024年10月2日に東京大学出版会から発刊されました(A5・288頁・4,290円)。

②逃げるための人間科学

 本書では、誰かを避難させる情報・技術ではなく、自ら逃げることができる暮らし・地域社会、その全てをトータルに考える人間科学の試みとして、「避難学」というテーマで論じられています。
 例えば、高齢化が進むコミュニティで「本当に有効な避難訓練」を実施しようとするとき、「平時」の今と、来るべき「その時」と、「その後」の復興過程と、この全てをトータルで考える必要がありますが、「避難学」は、災害から逃れられない地に住まう人々を導く人間科学について、これまでの思想を根本的に転換する必要性を指摘し、かつ現場の実践を具体的に変革するための道筋を示そうとしています。

③目次

序論 「逃げる」ための人間科学
第1部 コンセプト(概念)編
 第1章 避難学のパラダイムチェンジ-八つの提言
 第2章 言語行為論から見た避難情報
 第3章 能動的・受動的・中動的に逃げる
第2部 ドリル(訓練)編
 第4章 熱心な訓練参加者は本番でも逃げるのか
 第5章 ハードルを下げた/上げた避難訓練
 第6章 津波避難訓練支援アプリ「逃げトレ」
第3部 マジメント(施策)編
 第7章 「自助・共助・公助」をご破算にする
 第8章 「地区防災計画」をめぐる誤解とホント
 第9章 南海トラフ地震の「臨時情報」
補論1 アフター・コロナ/ビフォー・X
補論2 ボーダーレス時代の防災学-コロナ禍と気候変動災害

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