社会をつくる力を育てる授業づくり46 どこに住む?プロジェクト〈1〉
前回の記事の続きで、国土の地理的概要についての学習です。
第2小単元では、国土の地形の概要について理解する内容になっています。
白地図に〇〇平野や△△山脈、といった名前を書き込んで覚えたあれです。
気候といえば、雨温図をみて、どこの都市か考える、といったことも学習しているかもしれません。
これらは、知識として覚える内容になっていますが、その名前を知っていること自体は、社会をつくる力とつなげて考えるのは難しそうです。
子どもたちに、覚えることだけを強いてしまうと、苦行以外の何者でもないので、5年生になったとたんに、社会科がつまらない、学習したくない、となってしまっては悲しいですのね。
そこで、プロジェクト型学習の出番です。
プロジェクトのゴールを自分たちで決めて、そのゴールに向かった活動も自分たちで決めることにより、学習への参加度が高まり、追究のエネルギーとなります。
今回は、どこに住む?プロジェクトとしました。
地形の概要では、前述の通り平野や山地など、日本の地形の特徴を学ぶことになっています。
その内容を学ぶ目的として、住むならどこに住むか?というゴールを設定して、それぞれの地形について学ぶ学習とします。
高い土地、低い土地、それぞれメリットとデメリットがあります。
そのメリットやデメリットを、自分の考えと照らし合わせて、どちらに住むのが自分に合っているのかを考える、というものです。
高い土地であれば、空気が澄んでいるとか、夏でも涼しいというメリットがありますが、行くのが大変だったり、周りにお店が少なかったり、というデメリットがあるかもしれません。
しかし、今あげたメリット、デメリットを、逆に感じる人も当然いると思います。
このように、人によって考え方が違う、ということを学ぶためには、その事象についての自分の考えを選択・判断することは、有効な方法であると考えられます。
このようなプロジェクトを通して、地形の概要について学習するようにしていきたいと考えました。
次回は、実際のプロジェクトの進め方について書いていきます。