見出し画像

20代後半女子が留学先で目覚めたら見知らぬ土地にいた話〜救世主現る編

こんにちは!社会人になってから英語とドイツ語を習得、現在ベルリン在住のちかよりみちです。

社会人留学のため、カナダに飛んだあの日から始まった人生初の海外生活。

日本とはまるで異なる環境に戸惑いながら、手探りの毎日。

今だから笑い話としてnoteに書けるものの、当時は真っ青になった話です。

そして、これは海外では絶対にやってはいけないことなので、皆さんは気をつけてくださいね。

今回は、留学先のカナダ生活での失敗談です。


留学生活の始まり


社会人留学のため、カナダへ渡り、トロントで留学生活を開始。

最初はホームステイを申し込み、同居していたベネズエラ出身の留学生と行動をしていました。

彼女はとても親切で友達も多くいました。

そんな彼女が驚いていたのは、日本から来た筆者の平和ボケ。

海外生活をしてきた今だから分かるのですが、当時は日本にしか居たことがなかったのですから、危なっかしかったのも仕方ありません。

一方、ベネズエラと言えば、中南米の特に治安の悪い国の1つ。

彼女が筆者の平和過ぎる行動に驚いていたのも無理はありません。

そうして、ベネズエラ流の防犯レッスンが始まりました。

別れの時


外出する度にいつもボディーガードのように安全を気にかけてくれていた彼女。

留学とは楽しい出会いがあれば、悲しい別れもあり、その時がやってきました。

留学を終える彼女を空港まで見送りに行った帰り、電車の中で涙が止まりませんでした。

慣れない電車やバスを乗り継いで、家路につきます。

終わった…


最後のバスに乗り、遠かった空港から見慣れた土地に戻って来て、ひと安心。

友達との思い出を振り返りながら、日が沈み、暗くなる空を窓越しに見ていました。

ふと気が付くと、バスに乗っていた他の乗客が誰も居ません。

最後列に座っていたので、前方を見渡すと、バスの運転手のみしかいませんでした。

誰にも停車ボタンを押されないバスは、スピードを上げて前進。

そのスピードに驚きつつ、状況把握に焦り、車内を駆け回ります。

停車駅表示板と路線図を見て、唖然…。

なんと家の最寄りのバス停は遥か彼方。

さらに最終停車駅が迫っていました!

マズイ…。

外はいつの間にか吹雪。

そこは1回も来たことのない地域。

手持ちの携帯は最安値の緊急用でGPSもない。

加えて、所持金は数ドル。

これはもう、来た道をバス停を頼りに徒歩で戻るしかない。

急いで降車ボタンを押し、バスを降りました。

辺りは一面の雪で、人も車も居ない。

吹雪で身通しは最悪。

さあ、どうするかな…。

猛吹雪の中を歩いていたら


自慢ではないのですが、実は大の方向音痴。

来た道を歩いて戻るも、吹雪は強くなる一方。

この先、どのくらい歩けば降りたかったバス停に辿り着けるかも分からず、不安は募るばかり。

ベネズエラ人の彼女がいつも言っていた言葉。

電車やバスでは絶対に寝てはいけない。

まさか、彼女を見送った帰りにこんなことになるなんて…情けなさ過ぎる。

そんなことを頭の中でグルグル考えながら、全身にこれでもかと強く吹き付ける雪や風の痛みで、半泣きで歩いていました。

すると…突然1台の車が目の前に現れました。

さっそうと現れたのは


人も車もほとんどいない道で、真横に止まった車は、よくよく見るとタクシーでした。

何してんだ?こんな寒いところで。乗りな!

気さくなおじさんが車の窓を開け、話し掛けてきました。

バスで寝過ごしてしまい、引き返していて…。

でも、お金がないのでタクシーには乗れません。

一体いくら持っているんだい?

全財産で5ドルもありませんでしたが、ポケットからお金を取り出し、見せました。

…仕方ねえな。

とりあえず乗りな!寒いだろう。

猛吹雪で道が分からず募る不安。

このおじさんを信用してよいかは疑問でしたが、定かでない道を吹雪の中で永遠と歩く気力もなかったので、タクシーに乗り込みました。

お金はこれしかないので、この金額で進めるだけ進んでください。

お金を差し出しましたが、おじさんは黙って運転を再開し始めました。

ひとまず寒さは凌げたものの、バックミラー越しに運転席に座るおじさんをチラチラ見ながら、緊張と不安でいっぱいでした。

おじさんには、なぜこんな悪天候の中を無謀にも歩いていたのかを聞かれたので、事情を説明しましたが、それ以外に話はしませんでした。

来たことのない地域だったのと、吹雪で辺りがよく見えなかったのですが、しばらくしてタクシーが止まりました。

何と降りたかったバス停の前まで来ていました。

距離的に絶対的にお金が足りていないことは明らかでした。

どのようにお礼をすれば良いか分からずにそわそわしていると…

ほら、降りな!

おじさんが気を遣って声をかけてくれました。

そこでポケットからお金を出して言いました。

これ、受け取ってください。

申し訳ないのですが、所持金はこれで全部で。

すると、おじさんは…

要らないよ。帰り道だったし。

でも…助かりましたし、タダ乗りはてきないので。

分かった。じゃあ貰っておくけど…

危ないから、もうバスで寝るなよ!

治安もあるけど、は厳しいんだ。

気をつけな!

そう言って、手を振りながら走り去るタクシー。

ヒーローのように現れたおじさんのおかげで無事ホームステイ先へ帰れ、身も心もすっかり温まりました。

まとめ


後日、ベネズエラへ帰国した彼女に話をすると…

やっぱりやらかしたわね。
あれだけ言ったのに…。
でも、無事でよかったわ。

と、笑い飛ばされました。

治安に天候に、いろいろな意味で危なかったのですが、運良く心優しい親切なおじさんに助けられました。

海外の電車やバスに乗る際は、どうか寝ないでくださいね。

ガムを噛むなり、座らないなり…。

くれぐれもお気を付けください。

それではまた。


いいなと思ったら応援しよう!

ちかよりみち@語学と楽しく向き合う
まだまだ修行の身ですが、応援いただけるとありがたいです!いただいたチップは活動費に使わせていただきます!