おうちで中華 - 烤羊肉(本格北京式・羊焼肉)
今回は大長編。簡単で美味しい北京の烤羊肉(羊焼肉)の素晴らしさをお届けしたい。
北京で羊と言えば涮羊肉(羊肉しゃぶしゃぶ)を思い出す人が多いかもしれないが、あれが東の横綱とすれば、烤羊肉(羊焼肉)は西の横綱。銀英伝で例えるなら、ミッターマイヤーとロイエンタール(帝国軍の双璧)である。
烤羊肉
kǎo yángròu
烤羊肉(羊焼肉)とは何かといえば、炭火の上に巨大な円形の鉄鍋を置き、下味を付けた羊肉と薬味野菜をわしわしと焼いて食べる。老舗ともなれば十人が同時に食べられるような巨大鉄鍋があり、客は立ったまま思い思いに羊肉を焼いてむさぼるのだ(この食べ方を「武吃」という。一方、店員に焼いてもらったのを座って食べるのは、「文吃」だ)。
そのテイストをできる限り自宅で再現したい…というのが今回のレシピ。卓上コンロでやる時点で「武吃」の野趣には及ばないが、自分で焼くところは「文吃」より能動的。「文武双全吃(文武両道喰い)」とでも名乗っておこう(←適当。「どっちつかず喰い」とか言わないように)。
羊肉の下味は、北京で170年以上の歴史を誇る烤肉季スタイルを踏襲した。また、食べ方は①基本版、②卵版1、③卵版2の3種類をご紹介するほか、〆の麺(うどん)まで付けておく。全て北京に実在する食べ方だ。
以下の写真でイメージを膨らませて欲しい。
まずは基本版。羊肉と白葱と香菜だけでシンプルに仕上げる。互いに互いを高め合う相性抜群の面々が、酒を呼ぶ。ビール持ってこーい!
卵版1は、全卵を投入。まろやかな仕上がりがウリだ。これまたビールを持ってこーい!
そして、卵版2。一瞬、なんぞ!?と思う写真であろう。
羊肉ごと皿にとって黄身を割れば、優勝~!優勝~!!
それ以外の具は、木綿豆腐がオススメ。プリンとした豆腐が香ばしく焼けて、実に旨い。日本の焼肉界にも広まって欲しいサイドメニュー。
〆は、麺(うどん)!これ、僕の創作じゃなくて、現地で食べたまんまだからね。現地では炸醤麺用の白い麺を使うので、日本なら讃岐うどんあたりが丁度いい。たっぷりのキャベツがピタリで、羊肉以上の勢いでペロリ!
この〆で、腹も気持ちも満ち足りる。あとは膨れた腹をさするだけだ。
こんな感じであれこれ楽しめる烤羊肉(羊焼肉)。思いのほか気楽にできてむちゃむちゃ旨かったので、是非ともお試しいただきたい。冬のみならず、一年中楽しめますぜ。
ここから先は
よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは食材と酒徒のやる気に姿を変え、新たなレシピとなって皆さまに還元される寸法です。