おうちで中華 - 開洋葱油拌麺(干し海老と葱油の和え麺)
今日の料理は、僕が身もだえするほど大好きな開洋葱油拌麺(干し海老と葱油の和え麺)。見た目は地味極まりない。なんせ具は揚げた青葱と干し海老だけだ。でも、これが旨いんですなあ。
中国に星の数ほどある麺料理の中でも、「単純にして至高の和え麺」だ(と言い切ってしまおう)。あまりにも旨いので、全人類にオススメしたいと思っている。
開洋葱油拌麺 开洋葱油拌面
kāiyáng cōngyóu bànmiàn
碗を目の前に置いた途端、葱油の香りが鼻孔をくすぐってくる。湧いてくる唾を呑み込みながら、麺を混ぜる。混ぜて混ぜて更に混ぜる。
すると、麺がぬらぬらと茶色く色付いていくのに従って、まるで碗の中で化学反応が起きたかのように、より力強く、豊かな香りが立ち昇ってくる。その正体は麺の熱で温められた醤油ダレが香ばしさを増したものだが、何と言うか、暴力的で扇情的な香りなのである。
たまらず麺をガバッと口に放り込むと、その香りがズワッと鼻に抜け、一気に夢見心地になる。歯を噛みしめれば、香ばしい醤油ダレの甘辛さをベースに、揚げ葱の甘味や干し海老の旨味が口一杯に広がっていく。あとはもう、一心不乱に箸を動かすだけだ。
高級食材を何ひとつ使わずとも、こんなに豊潤な味わいが出せるものなのか。下世話で、シンプルで、パワフルで、人間の原始的な食欲をゆさぶる、恐るべき味だ。
かつて上海で初めて食べたときの興奮を今も忘れられない。あまりにも好きなので、「おうちで中華」史上、最も前置きが長くなってしまった(笑)。
で、そんな麺がおうちでも簡単に作れるというわけです。我が家の不動の定番、是非お試しください。
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