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植物のふしぎ
植物というやつは誠に不思議なもので、じっと眺めていてもまるで変化がないが、二日もあけてみると恐ろしく大きく成長していたりする。
いったいいつ成長しているのか。おそらく人目をはばかって大きくなっているに違いない。
ほら今だ。だれもみてないぞ。そういった時に一気に細胞分裂が起こる。運良くそれを目撃したものは同時にゴゴゴゴという音まで聞こえるだろう。そのくらい勢いよく成長するのだ。それはまるでだるまさんが転んだで一気に距離を詰めるような俊足である。
植物には二種類がある。
ひとつは一枚の葉を大きくするものである。
もうひとつは小さな葉をたくさんつけるものである。
どちらがより優れた戦略なのかはわからないが、もう少し大きな葉を収穫したいと考えている紫蘇はやたらに小さい葉をつけるし、食用にしないサツマイモの葉は一枚一枚が大きいのだから気が利かない。
もっともサツマイモの葉は人間が食べないだけで昆虫には大人気なもんで穴だらけだ。青紫蘇を好んで食べる昆虫もいて、そいつもやはり大きい葉ばかり食べるからいつも競争だ。小さいからといって食味が劣るわけではないのに昆虫はある程度大きくなった葉が好きである。仕方ないからぼくは小さい葉を大量に摘んでいる。どうせ刻んでしまえば同じである。
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ワイルドルッコラを植えたのはいいが、ワイルドになりすぎて固くて食べられないときた。昆虫たちは固さをものともしないでバリバリ食っている。ルッコラ独特の辛味と苦みがわかるなんて通な昆虫もいるもんである。いい加減抜いてもいいのかもしれないが、とくに邪魔でもないのでそのままにしている。
さやいんげんの葉はアオドウガネに食われまくってボロボロである。それでもちゃんと実をつけているのだから健気なものだ。蔓系植物は伸びる場所さえあればいくらでも伸びていくから来年はきちんと樹勢をコントロールしたいものである。ぼくは断捨離魔なので剪定は得意である。切りすぎて怒られることもたまにある。
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