カラメルの苦味は大人の味

表面をカラメリゼしたスライスアーモンドで覆ってあってその下にりんごが敷き詰めてあり少し固めに焼いたスポンジがその土台を引き受ける。カラメルの苦味とローストしたアーモンドの香ばしさにりんごの酸味が調和する。とくにカラメルとりんごの相性はとても良い。
 
前回作ったときはスポンジがふわふわすぎて物足りなかったけれども、今回はしっかりとしていて実に大人なケーキになった。作ったときは、などと書くとまるで自分で作ったみたいに聞こえるが、作ったのは妻である。
 
妻はTHE GREAT BRITISH BAKE OFFというBBCが作った番組をアマプラで見て以来ベイキングにはまっていて毎週末パンかケーキを焼いている。こないだ気軽に小麦粉買ってきてと頼まれたのはいいが、池袋の富澤商店から3キロの小麦粉を背負って帰るのはなかなかの苦行であった。
 
カラメルの苦味を美味しいと喜んだのはアニキで、妹は顔をしかめた。この苦味がわかるようになったら大人なんだよ。大人は苦いのが好きなんだよ。ほらコーヒーとかビールとか茗荷とか。まだまだだなあ、はっはっは。なんて言っていたら娘は突然美味い美味いといってケーキを食べ始めた。いやいやそんなに急いで大人にならなくていいんだよ。