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リラクゼーションにおける効果を考える。

リラクゼーションに従事する者として、手指を使用したボディケアによって相手にどのような効果が起こる可能性があるのか、改めて考えてみた。


①緊張の緩和

一定のリズムによるリラクゼーションの手技によって、身体の緊張が徐々にほぐれて、呼吸が整っていく。筋肉は張っている状態から柔軟性を取り戻すことが期待できる。柔軟性を取り戻すことにより、仕事や運動などのパフォーマンスが上がることや、可動域の広がりも予測できる。

②ストレスレベルの低下

触れ合いによる刺激に脳が反応し、
「オキシトシン」や「セロトニン」というホルモンが分泌させる。

※オキシトシン
愛情ホルモンと言われる。
安らぎ感をもたらす他、ストレスを減らしたり、血圧を低下させる働きなどがある。
※セロトニン
別名・幸せホルモン。
落ち着きや質の良い睡眠をもたらす他、自律神経の調節などを行う。

ボディケアの後に否定的な感情が低下し(緊張、不安など)、
肯定的な感情が増す(快活、爽快など)ことがわかっている。

③副交感神経優位

現代人は多くのストレスにより交感神経優位に立ちやすい。
※自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けられる。
「交感神経」・・・活動するときに働く神経(アクセルのよう)
「副交感神経」・・・休息するときに働く神経(ブレーキみたいな)
身体を寝かせて、スマホからも離れることは自律神経のバランスを副交感神経側に持っていくことが期待できます。
心拍数の低下がリラックス感をもたらし、また副交感神経は消化機能も向上させます。

④血行の促進

筋肉が緊張してかたくなると血管を圧迫して血行を阻害しますが、
揉みほぐしによるアプローチによってかたくなった筋肉がほぐれ血管が拡張し、血行が促進されます。身体全体を血が巡っている。
巡り、が滞っている。セラピストは滞っているところを手技を用いて、流れるようにしていくことが望まれます。パーツに対しての手技だとしても、結果的に全体性、身体全体が巡るように意識することが大切です。
特にふくらはぎをもみほぐすことで末端の体温が上昇する。冷えは万病のもと、という言葉にもあるように血行が良くなることが健康をも促進するだろう。

⑤その他


自律神経が整うことで良質な睡眠が得られることも期待できる。
また、コミュニケーションという面も大切にしたい。
人と人とのコミュニケーション、それ自体がリラックスさせることもある。
仕事や家庭以外のサードプレイスとしてリラクゼーションサロンが機能したときに、リラックスを、場所自体が提供できることもあるだろうと思う。
IT環境の発達においてリモート、在宅など、人に合わなくても完結する働き方が広がった。その反動として人とのコミュニケーションが潜在的に求められているように感じるし、喜びや悲しみの共有、疲れに対して「お疲れですね」と一言かけてもらうことの嬉しさは、ゆるやかなつながりの他者であるセラピストの技術以前の働きかけで行われている。
生物としての進化の過程で、生きていくために緊張が強いられてきた。その一方で人間は労働や家事育児としての役割ではなくて、人間的、人間性を考えるのに、リラックスが必要なのではないか。まだ、これは一つの予感として。リラクゼーションに従事しながら、また個人の生活から、リラックスについて考えを深めていきたい。



追記、リラクゼーションの看護や介護など他分野への応用に可能性を感じるのはもちろん、子育てにおけるタッチの効用や、逆にもっと保護者に対するケアとしてポピュラーに行われても良い気がしている。

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