心を整える。長谷部誠/読書感想

まず、著者の印税は全額ユニセフを通じて「東日本大震災」支援のために寄付させていただきます、という表紙帯の一文に長谷部さんの想いを感じた。

行動と言葉が一貫している。
決して派手ではない。だがまっすぐに愚直に。
その姿はプレースタイルとも重なるのだろう。
ぼくは、この一冊で長谷部誠という人間に触れて
大いに刺激を受けた。
『心を整える。』というタイトルが表しているように
準備の大切さやルーティンについてなど、彼の経験から出てくる
本当の言葉が紡がれている。
そこにはサッカー日本代表のキャプテンとしては地味な毎日の繰り返しが
垣間見えた。
でもだからこそ、ぼくは共感する。
56の習慣のうち一番目に挙げられたのは、
《意識して心を鎮める時間を作る》
本の最初に持ってくるということは、もちろん彼が大事にしていることなんだと思う。
意識して、心を鎮める。その時間を作る。
スポーツに限らず、ビジネス、いやひいては人生すべてにおいて
大切なことかもしれない。
《時間》は《生命》であり、《人生》であるから。
心を鎮め、自分が自分自身と出会う。
計り知れないほどのプレッシャーや、
多くの人やメディアの前に出るからこそ、
意識して心を鎮める時間の必要性を誰よりも実感されていたのだろう。

本田圭佑、キングカズたちとのエピソードも交え語られる文章は、
厚みもあって、稲森和夫などの経営者などの本を読み、影響を受けている点も面白かった。将来は指導者になりたいと書いていたが、どんな指導者になるのか楽しみである。

心を整える、という言葉は
禅的なマインドでありつつ無理がない。
日本人に馴染むものだ。

今季限りで現役引退を表明されて、
本日ラストマッチに臨む長谷部誠選手。


『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』は
2011年に幻冬舎から発売され累計部数155万部を突破したベストセラーになっている。
現役を引退した今だからこその、続編を期待しているのは
ぼくだけじゃないだろう。
長谷部さん、是非よろしくお願いいたします!


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