お醤油蔵探し|いろは醤油誕生物語#2
「いろは醤油」という名前が無事に決まり(詳しくは→『名前の由来|いろは醤油物語#1』)、次の議題は、製造をどこにお願いするかです。
いろは醤油を自分で作るか、製造してもらうか問題
なにせ、元のだし醤油を製造していた会社はもうないので、新たにお醤油を作ってくれるところを探すしかありません。
それに、どこのお醤油を使うかも大切。
もちろん、自社で製造販売する方法もありますが、製造は製造のプロに任せる(OEM)の形をとることにしました。
OEMにした理由は大きく3つ。
・それぞれ自分の事業があるので、設備投資から始めるには負担が大きすぎる
・食品なので、きちんとした製造場で作る方が安心
・お醤油づくりのプロに協力してもらえる形にしたい
ということで、「いろは醤油」を作ってくれる醤油蔵を探すことにしました。
でも待って!お醤油屋さんの知り合いっていたっけ…?
確かに、インターネットで検索をかけたら全国にお醤油蔵はたくさんあります。
だけど、そんな飛び込みでそうですかと作ってくれるほど、甘くない…
最低ロット(1回に作る製造本数)が大すぎるのも厳しい。
あ、だし醤油の(元)社長さんに聞こう!
ということで、醤油のことは醤油屋に聞くのが一番という「餅は餅屋」理論が功を奏し、紹介していただいたのが、岡山県倉敷市の『とら醤油』さんです。
皇室への献上もされるお醤油を作っているという、江戸時代に創業された由緒正しきお醤油蔵です。
日本には100年企業が多いとは聞いていましたが、とら醤油さんは創業150年。まさに老舗!
ちなみにとらのマークは、4代目が株式会社化したときに、裏干支を大事にすると商売繁盛すると近くの吉備津彦神社に言われたことからマークに掲げたそうです。4代目さんは申年だから、反対の寅を大切にするということですね(大阪人としてもなぜか親近感…)。
わたしの裏干支はウサギさんだ!ウサギさんよろしくお願いします。
(下の図、順番合ってるかな?作りたてで不安w)
さっそく岡山県倉敷市へ
倉敷川に並び立つ柳並木と白壁の土蔵たち。
夕暮れの大原美術館。
街灯が灯り出しました。
夜の倉敷も白壁が映えて素敵。
柳と街灯を映し出す倉敷川も幻想的。
倉敷は岡山県三大河川の一つ高梁川の下流に位置し、水質は醸造に適し、水量が豊富。
備中平野や瀬戸内海も近く、水、大豆、小麦、塩を使った醤油醸造に恵まれた立地だそうです。
そんな素敵な倉敷に醤油蔵を持つ、とら醤油さんへ伺いました。
醤油の製造にはまず、大豆と小麦に麹菌を加えて麹を作り、麹に塩水を混ぜて諸味(もろみ)を造ります。
この諸味のプールは深さ3メートル。棒で職人さんがかき混ぜています。
これを熟成させて搾ったものが醤油になります。
麹菌という微生物によって造られる調味料。神秘的です。
わたしは納豆菌不保持者なので、入れてもらいました(麹菌が納豆菌にやられてしまうので、納豆食べた人は入れません)。
そして、いろは醤油を作ることになった経緯もお話しし、全面協力してもらえることになりました。心強い!
いまでも、とら醤油さんには、感謝してもしきれません。
この出会いがなければ「いろは醤油」は出来なかったので。
ということで、さっそくいい滑り出しをみせた、いろは醤油プロジェクト。
でも、使う醤油が違うと、だしや他の調味料の配合も変わってきます。
大変なのはここからでした。
第3話は、「商品コンセプトを考える」について書いてみようと思います。また明日。
●● いろは醤油物語まとめ ●●
第1話:いろは醤油名前の由来→広島県鞆の浦で決めました。
第2話:お醤油蔵探し ←いまここ
第3話:お醤油を通して伝えたいこと→豊かさの本質伝えたい。心を軽くお料理ができるように。
第4話:うま味調味料を使うか使わないか→わたしが食べたくものは使いたくない。そんなことに気づかせてくれた出会いたち。
第5話:アミノ酸ドリンクやサプリメントは飲むのに、うま味調味料のアミノ酸エキスは避ける人の心の中→いろは醤油の全素材を発表
第6話:商標出願完了。商品ラベルは書家の父にお願いしました
第7話:レシピサイトを始めたので調理師になりました