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『感謝脳』を読んだら、思春期の親子関係修復の鍵があった

『3つの幸福』で樺沢紫苑先生を知った私は、勝手に「幸せの先生」と呼ばせていただいていました。幸せについて科学的かつ論理的に教えてくれる人だからです。

私はモンテッソーリ教育式の幼児教室を8年運営し、その傍ら親御さんに子どもの接し方をお伝えする子育て講座を開催していますが、講座の中でも3つの幸福についてお話しています。

幸福のピラミッド


なので、『3つの幸福』の幸福のピラミッドが、感謝のピラミッドに進化している『感謝脳』が発売され、大変楽しみに読ませていただきました。

『感謝脳』の趣旨は、感謝をすることで幸せになることを、科学的に明らかにしてくれた本です。そして、感謝の3つのステップ、親切への感謝、日常への感謝、逆境への感謝ができるようになると、悩みや不安が変わっているということです。たった一つの言葉「ありがとう」で。

私が子どもや子育ての先生として一番驚き、感動した部分はここです。

「相手がどう思うか」は関係ない。一方的に相手に「親切」にする。相手に「感謝」する。それだけで、3つの幸福物質が全て整うのです。

『感謝脳』164ページ

親切と感謝によって「幸福の連鎖」が引き起こされるとのこと。親切をしたら、感謝する。双方に3つの幸福物質が分泌され、相手に親切にし、感謝する。その循環が起きるとのこと。

これは、思春期の親にとって、画期的なエビデンスだと衝撃を受けました。通常、子どもの思春期は、独立心や反抗心から親から心身ともに離れていく時期。ですが、子どもの進路や交友関係やお金の使い方など、親は心配事が多く、ついガミガミ言ってしまい子から反発されるという悪循環が起き、悩ましい時期。

ですが、親が子どもに、一方的に親切にすれば、感謝されて、親子ともに幸せ物質が出るのなら、親子関係も修復できます。もちろん、子どもにとっての「親切なこと」である必要があったり、子どもからの感謝が表に現れにくいなど、簡単ではないのですが、このエビデンスを知ってるか否かで、親が行動を改め実践できることは大きな救いです。

また、思春期前の小学生中学年くらいから、異性の親子では「オキシトシン的幸福」のうち、身体的スキンシップを行うことは難しくなります。が、親が親切にすることで、オキシトシン的幸福も、セロトニン的幸福も、ドーパミン的幸福も、双方に分泌されるなら、異性の親子関係も良くなります。


『感謝脳』の細かい事例についても、子育てに大切なことで、幼児教室運営の中、実際に見てきた事例もありました。

親が子供に対して、「ありがとうって言いなさい」と言うシーンをよく見かけます。でも、日頃から親が「ありがとう」と言ってるシーンを子供が見ていれば、子供も自ずと「ありがとう」と言うことができるものです。

『感謝脳』84ページ

これは本当にそうです。親が普段から言っていることを、子どもはモデリングするので、小さいお子さんでも言えるようになります。親子で感謝の循環していけたら最高です。


133ページの「感謝の報告」と「感謝の増幅」にもつながる話もあります。

私の幼児教室では、生徒さんひとりひとりに合った遊びや場所をおすすめすることが多いのですが、実践してみて上手くいったら、ママが感謝の報告をしてくれます。そうすると、お子さんも「先生、〇〇で遊んで楽しかったよ!教えてくれてありがとう!」と、お礼を言ってくれます。

大人であるママから言われても嬉しいですし、小さなお子さんから言われると、さらに私も嬉しい気持ちになります。お子さんが感謝したりお礼を言える成長も感じて、嬉しいですね。

実は、「感謝の3つのピラミッド」は、子育てでは、親がお子さんの成長やいいところに気づけるかにも関連していると思っています。

普段、親御さんと接していて、子どもが「当たり前にできていること」のすごさに気づいて褒めることは難しく、また子どもの一般的に短所とされることを受容することも難しいように見受けられます。

親がすべてを受容して、「生まれて来てくれてありがとう」という感謝の念を持ち、子どもに伝えられると、親子関係はうまくいくはずです。そうした愛情と幸せに満ちた親子が増えるよう、情報発信や子育て講座でしっかりお伝えしていきたいなと思いました。

素敵な気づきが満載の本を、ありがとうございました!

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