【勝手に読書感想部】白線以外、踏んだらアウト:田丸雅智
子どもの頃、律儀に横断歩道の白い部分だけを踏んで歩いたこととか、タイル張りの色のついている所にジャンプしていたことを思い出します。
子どもの頃のオリジナルルールや、年寄りが口にする謎めいた迷信。
誰もが通ってきた道なんだと思うのです。
自分の持ちネタを思い出してみた・・・
・救急車が通ったら親指隠せ、親が死ぬ
・赤いペンで名前を書いたら死ぬ
・写真を撮る時真ん中に写ったら死ぬ
・影を踏まれたら死ぬ
死んでばっかりじゃんか・・・笑
・・・そんな、大人の持ってる「子ども心」を擽るようなタイトルに惹かれてこの本を手に取った次第です。
「白線の上しか歩いちゃだめ」とか「食べてすぐ寝たら牛になる」とか「掌に人という字を書いて飲み込むと緊張が和らぐ」とか・・・
そういった迷信や言葉遊び、子どもの頃の謎行動をテーマにした10編のショートストーリーが収録されている短編集です。
ひとつのストーリーが10分くらいで読めるくらい短くて読みやすいので、スキマ時間で気軽に読んじゃいました。
難しいことを何も考えなくても、ぼーっと読める、朝刊の四コママンガみたいな感覚です。
読み終わった後に「ふふふ」と表情が和らぐというか、ほっこりするようなお話が多くて癒されました。
最近、イヤミスとかちょっとブラックな小説ばっかり読んでた気がするから。笑
言葉や迷信などの「あるある」から発想して、お話を広げるっていうアイデアが素敵ですよね。
短い時間で心があったまりました。
個人的に好きだったのは、
「牛さん(食べてすぐ横になると牛になる)」
「原稿中(締切に追われる)」