【第5回】自己肯定感が低いワケ「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【イントロダクション】あなたは気付いてる?「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第1回】考え方のグラデーション「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第2回】そのハプニングはレアケース「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第3回】あなたの世界はネガティブ?「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第4回】早とちりと予測のマリアージュ「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第6回】裏切りの『〇〇すべき』!「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第7回】レッテルってなんだ?「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【最終回】全て自分が悪い…のかな?「対人関係にひそむ10のゆがみ」
はじめに
こんにちは、元手術室看護師で心理カウンセリング・コーチング業HOLISTIC CURE JAPAN代表のChica Yoshikawaです。前回に引き続き医療観点を踏まえた真面目な「認知」の話をしていきます。前回は【第4回】早とちりと予測のマリアージュ「対人関係にひそむ10のゆがみ」でしたね。お読みいただけましたでしょうか?今回は「拡大解釈と過小評価」「感情的決めつけ」についてお話しします。
「拡大解釈と過小評価」magnification and minimization
これは対象物を拡大してみたり、縮小してみたりすることです。ちょっとした失敗体験をとても大きい失敗として捉え、逆に長所や成功体験には取るに足らないものとして捉えてしまいます。
会社の同期が何か失敗をしたときに、
「そんなの失敗のうちに入らない、私はなんて成功したことなんてないんだ」
最近、周りの友人が結婚をしたり、昇給したときに
「幸せそうで羨ましい、それに比べてなんて不幸な人生なんだろう」
と十分な根拠がないにも関わらず、他者の欠点がなく素晴らしく思えて、比較して自分が劣っているかのように劣等感を抱いてしまうことはありませんか?それはもしかすると「拡大解釈と過小評価」の認知の歪みがあるからかもしれません。
自分自身を良くできたと認めていかないと心がどんどん疲弊していってしまいます。また事実をそのまま受け取れないので、褒められたとしても社交辞令として受け取ってしまい、達成感も得られなくなってしまいます。
日本人的謙虚さの極端な場合といえるでしょう。
「感情的決めつけ」emotional reasoning
感情は本来あなたの考えを反映するものなのですが、自分の感情をまるで真実を証明するかのように捉えている考え方のクセです。
「こんなに不安だから、私はきっとこの発表ができない」
「行動しようという気分にならないから、出かけたところで気分が晴れないに違いない」
気分や感情を理由として、何か行動に制限を加えてしまうものの考え方の癖です。この「感情的決めつけ」が強くなると、「こんなに部屋が散らかっていては片付ける気分にならない。だから片付けをするのはやめよう」というように「決断の先延ばし」に繋がります。このように何ヶ月も片付けを引き伸ばしていませんか?
あなたの感情を、あなたが正しく理解すること
上記の2つは自己肯定感の低い方に多く見受けられます。
まずは、物事をありのままにみていない自分に気がつくことからはじめましょう。
失敗体験と思っていても、それに感情を加えず、ありのままの体験として捉える練習が大切です。逆に失敗続きの人生なんてありません。自分の誇れるところ、他者から褒められたところを反芻《はんすう》することで、「拡大解釈と過小評価」「感情的決めつけ」の認知の歪みが正されていきます。
終わりに
「認知の歪み」は誰にでもあり、ゼロにはできません。正しい物事の認知ができるように自分の思考をコントロールしていくことが大切です。連載【第6回】裏切りの『〇〇すべき』!「対人関係にひそむ10のゆがみ」をフォローの上、ご参照ください。
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参考書籍:David D. Burns著『Feeling Good:The New Mood Therapy』