三味線日記 2025年1月-2
三味線 日記
今日から本格的なお稽古だ。
まず、先生の構えかたをじっくり見てみる。
お腹に胴を当てている。
津軽三味線は叩くから、打楽器なんだと言った。
お姉さんと三人で音を合わせる。
一の糸、二の糸、三の糸を順に鳴らして音を聴く。ずれていれば、その場で直す。最後に三本の糸を一緒に鳴らして、そのまま曲に入る。
この音合わせで、「稽古が始まる」空気に変わる。背筋が伸びて、気が引き締まる。
今日教わったこと。
◎糸の直しかた
糸巻を回して音を調節する。
持ち運ぶだけで音がずれる。だから、自分で調節できなければ、練習もできない。
◎バチの動かしかた
かき鳴らすのではなく、押さえて止める。
手首だけ動かす。
押しバチは、押さえたまま次の弦へ流れて打つ。
◎譜面のなぞの印
何も印がない時は、人指し指で押さえる。
「Ⅱ」二の指=中指。「Ⅲ」三の指=薬指で押さえる。
「ス」は、掬う。
下線のことを座布団と呼ぶ。早く弾くこと。
もっと早く弾くときは、座布団が二枚つく。
◎駒
駒の付けかた、外しかた。
演奏する時付けて、終わると外す。
練習曲は、『さくら』の替手①に進んだ。
替手というのは「さーくーらー」をテンテン、テケテケというようにリズムを替えて、弾くこと。
押しバチが入る。
指を間違えると「ちがう!」と先生のツバキが飛んでくる。人が変わったように厳しくなる先生に、一瞬怯みそうになる。
だが、久しぶりに、負けず嫌いが顔を出した。
おかげで、自分にこんな一面があったことを思い出した。
そして正確に弾いたら、出来た出来たって喜んでくれた。
アメとムチか!(笑)。
先生は唄も上手。私が
「旅行が好きだけど、しばらく行けてない」と話すと
民謡は、その土地に旅行できるもの、とおしえてくれた。
北海道のソーラン節。
青森の津軽じょんがら節。
佐渡の佐渡おけさ。
岐阜の郡上節。
福岡の黒田節。
まだ沢山あるけれど、民謡はその土地の風土、人をあらわしている。
その話をきいて、思いを馳せる旅行というものを知った。
もっと民謡に親しんで、先生のように、唄の旅に出たいと思った。
先生とお姉さんが郡上節『かわさき』を演奏中、私に「唄って」と言う。
踊りは好きだが、二番以降の歌詞をよく知らない。
「踊ってもいいよ」と言われ、自由すぎる先輩たちに、戸惑いを隠せない(笑)。
お姉さんが、今の先生に習う前は、芸妓さんからお座敷三味線を習っていた。しかしその先生が亡くなってしまった。お座敷と津軽三味線の違いを、楷書と行書に例えて言った。(どちらが楷書か、わからなかった)
教室によっては、糸を張ることから習うところもある。ここは着物を着なくていいし、発表会もない。好きなときに習えるから、気に入っているそうだ。
ところで、お姉さんが使用している小さな機械、ポケベルを思い出す風貌。それはナンデスカ?
三味線用のチューナーだった。ネットで売っている。スマホアプリでもあるとのこと。
先生は耳がいいので、調子笛を使って音を合わせる。
今日も、驚きと初めましてが、いっぱいだった。✨
最後に、ワタクシゴトだが
(一行目から、私事だけど)
ふだん洋服の色は、白・紺・グレーが多い。
お洒落を楽しむ、八十代のお姉さんに感化されて、赤色のカーディガンを羽織ってみた。それだけで、とても気分が華やいだ。
明るい色の、洋服を身につける。
気分転換におすすめです!