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傍観者を作らない!見ていた子どもに意見を聞く(1) 事件簿⑥

教師不在の朝の教室で、椅子を振り上げての乱闘事件? でも、大半の子どもは事件の経緯を分かっていない。そういう時は、何が起きたのかを全員で理解して、全員で解決する。事件の当事者だけで解決しようとしない。
だから、次のことが重要になる。

「聞く」ポイント4。見ていた子どもに意見を聞く。

これは、次の三つの機会を作ることになる。
1、当事者以外も自分の意見を発言する。
2、当事者が他者の意見を聞く。
3、集団の全員が問題解決に参加する。

まずは、以下に事件の当事者5人の話を確認しよう。

5人はそれぞれに、何が悪かったか、どうすればよかったかを自分で考えた。悪いと思ったら謝った。5人はそれでいい。納得している。
でも、それ以外の子ども達は、どうだろう?
教室には大勢の子がいて、5人のやりとりを見ていた。

1、当事者以外も自分の意見を発言する

見ていれば気づくことがある。子どもなりに「自分だったら」と思うことがある。時には「いや、違う」と納得できずにいるかもしれない。黙って見ているから納得しているとは限らない。
だから、最後に、見ていた子ども達全員に声をかける。

「他に言いたいこと(気がついたこと)がある人、いるかな。」

すると、本当に「言いたいことがある」子は手を挙げる。

「知らなくてまちがえるのは仕方なくて、悪くない……だから、ももちゃんも、あおくんも、みどくんも悪くない。」
「怒ったりケンカしたり、私もオトウトとケンカするから、わかる。でも、首しめたり、叩いたりは、やっぱりダメだと思う。」

2人は、自分が大切に思っている考えを発言している。これを言わずにいたら、2人は納得できなくてモヤモヤしていたと思う。
そんなモヤモヤを残しては解決にならない。事件の解決には、全員の納得が必要だ。
だから、最後に、見ていた子ども達にも発言の機会を作る。全員が納得できる解決をする。

2、当事者が他者の意見を聞く

「知らなくてまちがえるのは仕方なくて悪くない」
「首しめたり、叩いたり(暴力)はやっぱりダメ」

どちらも当事者の5人からは出ていなかった意見だ。
上の言葉に、5人はそれぞれに自分の行動を振り返ることができたはずだ。それと同時に「ちゃんと見ている友達がいる」ことにも気づいたと思う。

実を言うと、こういう時の子どもの言葉は、教師の言葉よりも分りやすくて、子どもの心に響くことが多いように思う。子どもどうしという共感の土台があるからだと想像している。だからこそ、子どもの言葉は大事にしたい。

「他に言いたいことがある人、いるかな?」

教師のこの一言があれば、当事者以外の子ども達も発言することができる。意見を言うことができる。当事者の子どもは、友達の意見を知ることができる。友達の意見によって、改めて自分の行動を振り返ることができる。
教師は、事件の当事者だけでなく、見ていた子どもにも意見を聞こう。傍観者を作らないようにしよう。

今回はここまで。

3、集団の全員が問題解決に参加する
については、次回。

「椅子を振り上げての乱闘事件」の全容はこちら。↓

 

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