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授業の基本パターンを作る ワクワク文字練習① ノーマル編(前)

悪魔から子どもたちを守る。
それは、子どもたちを授業に集中させること。授業に退屈させないこと。


今回は、小学1年生の国語、ひらがな『き』の練習で、悪魔払いの技ABCを具体的にイメージ。

では、『き』の文字練習、授業開始!

①「全員起立。指を用意して。いーち。」
黒板に大きな『き』の字を見せて、まずは全員で『そらがき』をする。
一斉に活動する時は、大きく書いたり小さく書いたり、変化をつける技で悪魔を寄せつけない。(『そらがき』については 『筆順練習で遊ぶ ノーマル編』)

そしてココからが鬼門。
個々の活動時間には要注意!

②「着席。練習帳『き』のページを書きます。書き終わった人は、先生の所に持ってきます。時計の長い針が5の所(5分程度)まで来たら終わりです。」

【悪魔払いの技B】いつまでに、なにを、どうすればいいのかハッキリさせる。

ドリルや練習帳は、どこに、何を書くが決まってる。内容も、課題の量も目に見えるので分かりやすい。

終わったら先生に出すことも決まってる。

そして終了時刻も決まってる。これ大切。
終了時刻を示しておけば、子どもたちは見通しをもって活動できる。これはBタイプに限らない。終わりがハッキリしていると、誰だって集中する。

2分もすれば、課題を終えたAタイプがやってくる。早さ命のAタイプに「もっと丁寧に」は通用しない。

「この字、しっかり書けたね」「払いがきれいだ」と書いた中で、よくできている所を見つけて認める。


間違っていない限り、目をつぶる。次々に来る子どもたちから、練習帳のページを開けたままバンバン受け取る。

「できていないコトに『~しろ』と言わない」、コレ、悪魔払いの極意。それだけで、子どもも教師もHAPPY。

③「時間になるまで『き』で始まる言葉をたくさん見つけてね。」

【悪魔払いの技A】課題が終わったら、終了時刻まで取り組む別の課題を与える。

最初に課題を終えた子どもに、次の課題を示す。(この時点で、他子どもたちも「終わったら~するんだな」と理解する。)

前回書いたように、Aタイプは「早い!多い!面白い!」が大好きな子が多い。教師が促さなくても「たくさん見つけるぞ」「面白いのないかなぁ」と数分間、集中して考えている。えらいぞ!Aタイプ!

【悪魔払いの技B】いつまでに、なにを、どうすればいいのかハッキリさせる。

「時間になるまで『き』で始まる言葉を……」の指示は、課題がハッキリしているのでBタイプは好んで行う。

実は、Bタイプ、マニアックな子が多い。誰も思いつかないようなのを見つけて、友達の度肝を抜くこともある。結果、Aが「オレもスゴいの考える!」と張り切るので、実に楽しい。この2人の絡みは最高!

【悪魔払いの技C】課題ができるように、道具や課題の質(内容)や量を工夫する。

字形が整わず、指先の操作に苦労している場合には、次のような工夫ができる。

●道具の工夫:鉛筆補助具を使う。(検索すれば、形状や材質など、いろいろな物が直ぐに見つかる。)または、三角鉛筆、太い鉛筆などもある。筆圧が弱ければ、4Bや6Bなどの柔らかめの鉛筆を使わせる。鉛筆は削りすぎず、先端を丸めて使うとラク。鉛筆だけでなく、消しゴムや下敷き、定規にも、つかみやすい、滑りにくい等の道具の工夫が可能。

●課題の質の工夫:コピーなどでマス目を大きくする。

●課題の量の工夫:練習する字数を減らす。 

このように「子どもが1人で取り組める」よう前もって工夫する。教師が側について助ける時間は極力減らす。

教師が度々側にいても喜ぶ子はいない。「あの子、先生がいないとできないんだな」と思われるのは苦痛だ。子どもにしてみれば、「その親切、大きなお世話」と気が散ってしまう。熱意のある教師ほど、この悪魔の罠にはまる。

④「時間です。『き』で始まる言葉を発表してもらいます。

考えさせた以上、発表する時間を必ず作る。
そうじゃないと「なんだよ。やらせといて何もなしかよ。じゃあ、やんなくてもいいじゃん」となってしまう。

発表のさせ方にも、悪魔払いの技ABCがある。技を使うことで、相当に盛り上がる。

それは次回、後編にて。


《注》万が一、時間内に書き終わっていない子がいたら、「途中の人は、続きは家で仕上げましょう。」と指示を出す。これも、悪魔払いの極意。「できていないコトに『~しろ』と言わない」だ。丁寧に書いている子、苦労している子に「早く仕上げろ」と言わない。1年生は、ほぼ全員が5分程で練習帳を仕上げるので、この言葉は不要なことが多い。
(詳しくは『悪魔払い 2つの極意』)

《追記》続編が予想外に増えて、自分でも分からなくなったので、「ワクワク」前に内容を明示する文を入れ、タイトル形式を変更しました。(2021年2月7日)
例)
変更前 『ワクワク文字練習① ノーマル編(前)』

変更後 『授業の基本パターンを作る ワクワク文字練習① ノーマル編(前)』

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