「明日から来なくていいよ」とクビになったあの日から
なかなか衝撃的なタイトルから始めてしまいました…!
少しずつ少しずつ、この時の出来事を振り返られるようになって、ふと、書いてみたいな〜と思ったので、きっとタイミングなんだ!とパソコンに向かっています。
今につながる私の原点の話。
こんな話をしています。
自分で自分の枠を決めていた人生
正解探しの日々
私は今、個人でデザインのお仕事やコーチング系のお仕事をしています。
職歴がわかりにくいので簡単にまとめました。
タイトルにある言葉は、写真スタジオ時代に言われた言葉です。
「来なくていい」と言われて、私はその日、その職場を辞めました。
子どもの頃から絵を描いたり、工作したり、物語をつくったり、親のカメラで空を撮ったりすることが大好きでした。小学校〜大学まで合唱を続け、仲間と一曲一曲を表現する喜びやお客さんに届けられるワクワク感を感じ続けていました。
社会人になってすぐに始めたカメラは、自分で個展を開くほどにどハマり。今もカメラ好きは続いています。
自分で何かをつくり表現することは、自分にとって何ものにも代えられない喜びです。それを見たり聞いたりした人が喜んでくれれば、この上ない幸せを感じられます。
常に「好きだな」と思えることがすぐ隣にある人生。好きなことをしているとき、私は伸び伸びと楽しんでいたし、きっと周りもそう感じていたと思います。
でも、常に「正解」を探す人生でもありました。周囲の顔色を伺い、気を遣い、先生や親、友達からどう思われるかを気にする毎日。
好きなことを仕事として続けたい。そんな想いを抱く瞬間はあったと覚えています。
でも、そんなことは無理だという考えのほうが強くて。
調べることも、口に出すこともしませんでした。
こういうことを無意識に思っていたと思います。
「役に立ちそう」な進路選択
少しの興味と、役に立ちそうだなという理由から福祉系の大学に進学。今も仲良しの友人たちと出会えた楽しい大学生活。
福祉相談職の資格取得に向けて勉強にも励んだ4年間。
でも、福祉の仕事をするイメージが全く湧かないまま、卒業後は介護の仕事を始めました。
続けていれば楽しくなる、やりがいを感じられるようになる。
そう思って頑張る日々。
だけど、自分の人生を生きられている気がしない。そんな感覚だけが強くなっていく日々でした。
介護は体力気力を使う過酷な仕事。不規則な労働もあいまって、心身のバランスを崩しかけた私は、自分で自分を追い詰めていきました。
また、たくさんの方の人生最期の時期に関わらせていただいたことで、自分の人生についても自然と向き合うことになったなと今振り返って思います。
挑戦と挫折
「このままじゃ何かまずい。心をなくしてしまうかも。」
そんな感覚とともに職場を辞めて、その時1番好きだったカメラの道に飛び込みました。
カメラを仕事にするなら、技術がしっかりしていそうなところで働かなきゃ。大変でもそれを乗り越えないとカメラマンとして認められないんだから。そんな考えから、写真スタジオに応募し、採用してもらうことができました。
これで自分の人生を生きられる。
そんなワクワク感も束の間。
人生最大の落ち込みを経験することになります。
社長の気分で変わる仕事内容と労働時間。深夜まで帰れないことも当たり前。頑張っても頑張っても足りないと言われる日々。先輩たちが叱責を浴びているのをひたすら近くで聞かされる毎日。
とんでもないところに来てしまったと絶望しました。
明るいことなど考えられず、今日もいつ叱られるのかに怯えながらの出勤。
退勤できるときのほっとした気持ちと、またすぐに明日は来てしまうという恐怖の連続に、私はあっという間に心を壊しかけてしまいました。
カメラの仕事をするといった時点で、親には心配をかけていたので相談できず。
友人には勢いよく挑戦を宣言していたので、プライドが邪魔をして打ち明けられませんでした。
唯一、当時付き合っていた人に現状を話していましたが、その人も自分のことで精一杯の状況。
自分を責めることしかできずに、急に涙が出ることもしばしば。数少ない休日も、何もする気が起きずに鬱々と過ごしていました。
そんなある日。職場で社長からの指示待ちで過ごしていたとき。”もうだめだ”という自分のなかの声が聞こえてきて、よくわからないグルグルした感情が喉元まで私を塞いで。
フラフラする感覚まで襲ってきて。
何とか早退して、近所の内科へ。「うちは今のあなたが来るところじゃない」と言われ、別の内科へ。心療内科を勧められ、「あぁやっぱりそうだよなぁ」と。
心療内科って、どこも予約待ち。電話をしても予約が取れるのは2ヶ月先。何とか1件だけ、予約なしで行ける精神科を見つけて受診。
幸いなことにうつまではいかず、「一時的な抑うつ状態」と診断されました。
診断書をもらい、勇気を振り絞って社長に電話。私は少しの間、お休みをもらうつもりでいました。でも、社長は話を聞くなり、心底面倒くさそうな口調になり(これはあくまで主観)、「そんなならさ、明日から来なくていいよ。困るから。」と一言。
食い下がる元気もなかった私。「わかりました。」と電話を終えて、翌日から無職になったのでした。
自分を大切にするということ
当時ひとり暮らしでしたが、事情を知った親に実家に連れ戻されました。
何とか福祉の仕事を見つけ再度ひとり暮らしスタート。疲れた心を取り戻すことを一番に、自分で自分を労る日々でした。
今では当たり前に大切にしたいなと思うことが、あの時は全然できていなかった。心を壊しかける経験をして、やっと気づくことができました。
自分の声を聞いてあげる勇気
自分の声ではなくて、周囲の声ばかりを聞きすぎていると、自分がどうしたいのかということが本当にわからなくなるのだなとも実感しました。
好きな仕事をしようと思うところまでは自分に許可できて、えいやと飛び込むことはできたけれど、そこからの頑張り方はもまた大切でした。
厳しい環境を選ぶことで成長していけることはたくさんあると思います。どこを目指すのかによって変わる部分もあるとは思います。
でも、心から好きだと思えたことを、自分の心が無理しない状態で続けていくこと。生ぬるいと思われても、自分が幸せだと思える状態で続けられることを、私は大切にしたいなと感じています。好きなことを、自分が無理した結果辞めることになるのが一番悲しいから。
「〇〇しなきゃ」「〇〇したほうがいいかな」そういう思考になっているときは、自分以外の誰かの基準を優先させているときだし、そんな選択に心は違和感を発している。
それでも、「きっとこのほうが将来のためになるから」「きっと安心だから」「この選択をしている人が多いから」そういう基準で選んでいくと、心と行動が乖離していく感覚になります。
立ち止まることや周囲と違う選択をすることは怖いけれど、一つひとつ自分に聞いてあげることで、自分への信頼は積み重なっていく。自分を責める言葉ばかりが巡っていたあのときから、自分への言葉掛けは随分変わりました。
そして、自分を大切にするようになったら不思議と人間関係も変わったのです。
写真スタジオの後に再度福祉の仕事をしたけれど、最初に介護の仕事をしていた時のような苦しさもなくて。信頼できる先輩にいつでも相談できる環境で、仕事に向き合うこともできました。
人生に、再挑戦
そして、再挑戦する道を選べました。
写真をきっかけに興味を抱いたデザインの世界。
勉強をすること、そのために自分にお金をかけてあげること。
勉強をしているとき、どう勉強してどう仕事にしていくのか悩むことはたくさんありました。「デザイナーはこうあるべき」「〇〇できなきゃデザイナーじゃない!」みたいな発言を見かけるたびに苦しくなることもありました。(今もたまにウッとなることあるけど)
焦っているときは、ネガティブ訴求をしている人のもとで学ぼうかと考えたことも。でもやっぱりそれって、「すべき」「しなきゃ」思考になっているんですよね。
この人のもとで学んだほうがよさそうだな。ここで学ぶべきなのでは??って。
でも、せっかく学ぶなら本当にやりたいと思えるところで学びたい。都度都度「本当はどうしたい?」と問いかける日々でした。
でもそのおかげで、自分を大切にする頑張り方ができる環境に身を置くことができています。
自分のペースを大切にできるし、安心して話せる。関わり続けたいと思える人間関係があります。
自分を大切にできるとね、甘やかして堕落するんじゃなくて、もっともっと自分をよくしてあげたくなるんです。頑張りたいと思えるんです。
失敗したからこそ、得られた学びです。
失敗した、私の人生ダメすぎる。そう思って本当に苦しかったし、できれば経験したくなかった日々だったけれど、こうやって気づけてよかったなと思っています。
愛おしい毎日は自分でつくる
そんな風に思っています。
今は福祉関係の仕事を退職し、フリーで活動中。気を抜くとフッと怖さはやってきますが、自分を頑張らせてあげたいなという気持ちの方が大きくて。
活動としても、個人の女性起業家さん向けに、自分らしさを表現するデザイン制作を提供。
心の学びもしながら、自分の想いを言葉にし、視覚化していくブランディングプログラムも小さくスタートさせました。
起業しているしていないに関わらず、自己受容や自己理解、セルフコーチングの力をつけられるようなプログラムもできたらいいなと思っています。
誰かの人生じゃなくて、自分の人生を。
愛おしい毎日は、自分でつくる。
書きながら、色々なことを思い出した時間でした。
自分のためにも、飛び込んできてくれる方のためにもがんばりたい。
長くなったし、まとまりきっていないけれど、私の原点のお話でした。
読んでくださったあなた、本当にありがとうございます。
もし気になってくれた方がいたら、InstagramやWEBサイトを覗いてみてね。
(Instagramでの発信が多いです^^)
また書きます。
ではではまたね。