
子どもに読ませたい!不朽の児童文学20選
子どもの頃、胸を躍らせたファンタジー大作や、涙した感動作。あなたにも思い出の1冊はありませんか?
児童文学とは、0歳~12歳くらいまでの子ども向けに書かれた文学作品です。その世界は奥深く、世代も国境も超えて、世界中で読み継がれる名作がそろっています。
そんな数々の名作の中から、チアミーのSNSフォロワーの皆様に「子どもに読ませたい!」と思う1冊を選んでいただきました。
今回は絵本ではなく文章メインの本を中心に、不朽の児童文学全20作品をご紹介します。
お子様も大人も夢中になる、魅力あふれる読書時間を楽しんでください!
日本の作品
銀河鉄道の夜(宮沢賢治 作)
「しあわせ」に迷ったら 何度も、何度でも読みかえそう
漁に出たまま不在がちの父と病がちな母を持つジョバンニは、暮らしを支えるため、学校が終わると働きに出ていた。そんな彼にカムパネルラだけが優しかった。ある夜二人は、銀河鉄道に乗り幻想の旅に出た――
『銀河鉄道の夜』は各出版社から刊行されています。小学生には、以下の児童文庫版がおすすめ。絵本も多く出版されていますので、ぜひ探してみてください!
精霊の守り人(上橋菜穂子 作)
人の世と精霊たちの世が混在する世界で、女用心棒バルサの活躍を描く、シリーズ第1作。異界の精霊の卵を身体に宿したために、実の父である帝や、異界の魔物から命をねらわれる新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを、バルサが守る。
異界と人間の世界が交錯する世界で、腕利きの女用心棒・バルサが新ヨゴ皇国の第二皇子・チャグムの護衛を依頼されるところから始まる壮大な物語。
『獣の奏者』『鹿の王』など、ファンタジー作品で数々の受賞歴を誇る上橋菜穂子の代表作です。実写ドラマやアニメにもなっています。
空色勾玉(荻原規子 作)
空色勾玉勾玉をもつ娘は光に憧れ、剣もつ若子は闇を夢見る。二人の出会いが、豊葦原の世界を変える…。1988年初版以来、今なお読み継がれる大人気ファンタジー。
古代日本を舞台にした、この勾玉三部作は海外でも出版され、高い評価を得ています。同著者の『西の善き魔女』も、大人気の長編ハイファンタジーです。
注文の多い料理店(宮沢賢治 作)
山で二人の紳士がみつけた西洋料理店。「どなたもどうかお入りください」と書かれた扉をあけると、また扉で、そこにも文字が…。
『銀河鉄道の夜』に続き、宮沢賢治がまたもランクイン!
『銀河鉄道の夜』と同様、お子様が読みやすい装丁の本が、まずはおすすめです。
チョコレート戦争(大石真 作)
有名なケーキやさんのウィンドウガラスが割れて、いあわせた明と光一が犯人にされてしまう。そこで子どもたちは立ちあがった…。
洋菓子があこがれの高級品だった時代の作品ですが、「大人は子どものことを分かってくれない!」という子どもの気持ちと、どんでん返しにハラハラさせられる気持ちは不変です!
NO.6(あさのあつこ 作)
『バッテリー』のあさのあつこが描く「破滅」と「希望」の物語
2013年の理想都市《NO.6》を舞台に2人の少年の運命が交錯する!
2013年の未来都市《NO.6》。人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう? 飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに……。
壊せ。
破壊してしまえ。
何を?
全てを。
すべて?
ぼくは知りたいんだ。なんでこうなったのか。これからどうなるのか。――<本文より>
「わたしはNO.6という物語の中で、生きる希望とやらを掴んでいけるのだろうか」――あさのあつこ
野球に取り組む中学生を濃密な筆致で描き、1000万部を超えるベストセラー小説となった『バッテリー』で著名なあさのあつこのディストピア文学。
近未来の日本を舞台にしたSFは、今回ご紹介する20作の中では本作だけ!
テレビアニメ化、コミカライズもされています。
はれときどきぶた(矢玉四郎 作)
明日は「はれ、ときどきぶたがふるでしょう」。則安君が書いたでたらめの日記。ところが本当にぶたが!大人気ベストセラー童話。
1980年発売の40年にわたるベストセラーなので、パパ・ママだけでなく、おじいちゃん・おばあちゃんにも覚えている方がいるかもしれません。
発売当時は、子どもに読ませる作品が、ただ面白いだけでいいのかとの批判があったそうですが、それだけ面白さに全振りした作品だということ。子どもたちからの絶大な人気は今でも健在です!
魔女の宅急便(角野栄子 作)
新米魔女キキ「ひとり立ち」を目指す成長物語
「ひとり立ち」するためにはじめての街にやってきた13歳の魔女キキと相棒の黒猫ジジ。彼女が懸命に考えて自立するために始めた仕事は、ほうきで空を飛んで荷物を届ける宅急便屋さんでした。ミスしておちこんだりしながらも元気に生きるキキは荷物を運びながら大事なことを発見していきます。相棒の黒猫ジジと喜び悲しみを共にしながら、町の人たちに受け入れられるようになるまでの1年をさわやかに描いた物語。
ジブリ映画の原作として有名な作品ですが、全6作でシリーズ化されています。アニメでは描かれなかったキキの成長を、ぜひ最後まで見届けてください。
ルドルフとイッパイアッテナ(斉藤洋 作)
猫と人間、それぞれの愛と友情の物語。ひょんなことから、長距離トラックで東京にきてしまった、黒猫ルドルフ。土地のボス猫と出会い、このイッパイアッテナとの愉快なノラ猫生活がはじまった……。 青少年読書感想文全国コンクール課題図書/第27回講談社児童文学新人賞受賞作。
1987年の発売以来、多くの子どもたちに愛されてきた全5冊のシリーズ。
主人公ルドルフが書いた文章を、作者が肩代わりして出版したという体裁になっており、軽妙な語り口は小さなお子様をも夢中にさせています。
吾輩は猫である(夏目漱石 作)
中学の英語教師、珍野苦沙弥先生の家に何とか入り込んで、無事飼われることになった猫が、苦沙弥先生の家族や、家にやってくる友人を観察するお話です。 主人の家には、美学者の迷亭、理学者で先生の教え子の寒月、哲学者の独仙、詩人の東風など、風変わりな文化人たちがやってきては、役にたたないおしゃべりばかりをしているなあ、と猫は思っています。
夏目漱石の最初の長編小説。飼い猫の視点で描いたユーモラスなエピソードは、子どもが読んでも面白い!
お子様向けには、仮名遣いやふりがなが工夫された児童文庫版や、抜粋版の絵本がおすすめです。
海外の作品
赤毛のアン(ルーシー・M・モンゴメリ 作)
孤児院から、男の子を引き取ろうとしていたマシュウとマリラのもとに、間違えて連れてこられたやせっぽちの女の子アン。赤毛といわれるのが大嫌いで、想像力がとても豊かな女の子。そんなアンが、はらはらするような出来事を経て、成長していく物語。
1952年に村岡花子によって日本に紹介されて以来、絶大な人気を誇ってきたシリーズ。
小学生にも読みやすい形の抄訳がたくさん出版されているため、お子様が手に取りやすい1冊をぜひ選んでみてください!
オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム 作)
たつまきにとばされて、オズの国へきたドロシー。ゆかいな仲間とともに、魔法使いの住む国で、楽しい冒険がはじまります。
1900年に出版されて以来、ミュージカルや映画でも親しまれてきた名作。
「虹の彼方に(Over the Rainbow)」という、1939年のミュージカル映画の劇中歌が有名です。
チョコレート工場の秘密(ロアルド・ダール 作)
チャーリーの町にあるチョコレート工場は、世界一有名。でも、働く人たちの姿をだれも見たことがない、ナゾの工場!そこへ5人のこどもたちが招待されることになった。そして…?
国際アンデルセン賞画家Q・ブレイクの軽妙洒脱な挿画、柳瀬尚紀による渾身の〈新訳〉で贈る新シリーズ・第一回配本。本書を原作とする映画『チャーリーとチョコレート工場』は、ジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督で2005年秋公開。
1964年に発表された児童小説で、こちらを原作とした『チャーリーとチョコレート工場』を始め、ミュージカルや演劇など、さまざまな作品が制作されています。
飛ぶ教室(エーリヒ・ケストナー 作)
なやみをうちあけられる人はいますか?絵60点、世界中がわらい泣いた名作
子どもの涙がおとなの涙より小さいなんてことはない。寄宿学校でくらす優等生マーティン、すて子のジョニー、けんかの強いマチアス、弱虫ウリー、皮肉なセバスチャンらの友情をえがく、クリスマスの名作。
1933年に発表された、ドイツの国民的作家・ケストナーの代表作。ドイツの高等学校(ギムナジウム)の寄宿舎で暮らす少年たちと先生の心温まる物語です。
はてしない物語(ミヒャエル・エンデ 作)
物語の呼びかけに応え本の中に入ったバスチアン少年は,その国の将来を荷なうことになるが…「モモ」に続く長編ファンタジー.
1979年に発刊されたファンタジー小説。現実と本の世界が交錯する構成が特徴で、単行本では、現実世界の部分はあかがね色、本の世界である「ファンタージエン」の部分は緑色と刷り分けられています。
映画「ネバーエンディング・ストーリー」の原作としても知られています。
ハリー・ポッターと賢者の石(J.K.ローリング 作)
ロンドン郊外の、どこにでもありそうな平凡な街角、ある晩不思議なことがおこる。そして額に稲妻の形をした傷を持つ赤ん坊が、一軒の家の前にそっと置かれる。生まれたばかりの男の子から両親を奪ったのは、暗黒の魔法使い、ヴォルデモート。
平凡な俗物のおじ、おばに育てられ、同い年のいとこにいじめられながら、その子、ハリー・ポッターは何も知らずに11歳の誕生日を迎える。突然その誕生日に、ハリーに手紙が届く。魔法学校への入学許可証だった。キングズ・クロス駅の「9と3/4番線」から魔法学校行きの汽車が出る。ハリーを待ち受けていたのは、夢と、冒険、友情、そして自分の生い立ちをめぐるミステリー。
ハリーはなぜ魔法界で知らぬものが無いほど有名なのか?額の傷はなぜか?自分でも気づかなかったハリーの魔法の力が次々と引き出されてゆく。そして邪悪な魔法使いヴォルデモートとの運命の対決。
ママ・パパ世代の記憶にも新しい大人気ファンタジー、ハリー・ポッター!
世界的に大ヒットし、映画やゲームにもなりました。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのエリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」でも親しまれています。
不思議の国のアリス(ルイス・キャロル 作)
「まずい! まずい! 遅刻だあ!」
へんてこなウサギを追って、深ぁーい穴に落ちたアリス。
そこはなにからなにまでふしぎなワンダーランド!?
少女アリスが、白うさぎを追いかけて不思議の国に迷い込む物語。チェシャ猫、帽子屋、ハートの女王など、個性的なキャラクターが魅力的。
ディズニーのアニメ映画でよく知られているので、アニメや絵本であらすじを知ってから読むのも良いでしょう。
星の王子さま(サン=テグジュペリ 作)
砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。
一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後七十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。
フランス人の飛行士であり小説家であるサン=テグジュペリの代表作で、世界200か国以上の言葉に翻訳されています。
「大切なものは、目に見えない」など、心に残る言葉がたくさん詰まっています。
モモ(ミヒャエル・エンデ 作)
時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語 時間に追われ,人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に,風変りな少女モモが時間の真の意味を気づかせます.
『はてしない物語』を書いたミヒャエル・エンデのもう一つの代表作で、日本では一番人気とも言われる名作です。
忙しさに追われる現代人への警鐘とも言われており、大人におすすめの児童書としても必ず名前が挙がる1冊です。
ライラの冒険(フィリップ・プルマン 作)
11歳の少女・ライラの世界では、皆が自分の魂の片割れである動物の姿をした守護精霊(ダイモン)と共に生活している。ある時、ライラの暮らすジョーダン学寮の周りで子どもの連続誘拐事件が発生。連れ去られた子が北極で危険な人体実験に使われていると噂される中、親友のロジャーまでもが姿を消してしまった。運命に導かれて〈真理計(アレシオメーター)〉を手にしたライラは北へ向かう。壮大な冒険がいま、幕を開ける!
1995年から発売された冒険ファンタジーシリーズ。パラレルワールドを行き来するという壮大な世界観を持っています。
映画やドラマにもなりました。
20作をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
好きな作品が入っていない! という方は、ぜひコメントでイチオシの作品を教えていただけると嬉しいです。
また、今回ご紹介した多くの作品は絵本、映像、舞台、アニメやマンガなど、他の表現媒体でも作品化されています。本を読みなれていないお子様や、長い児童書を読むにはまだ早いお子様は、無理せずに楽しめる表現方法で、名作に親しんでください。
大人の皆さまには、青空文庫で無料で読める物語もあります。
お子様と一緒に見たい不朽の名作映画も、ぜひチェックしてみてくださいね!
毎日の読書習慣づくりに、アプリを使ってみませんか?
完全無料・広告なしで、子どもの習慣化を応援するアプリ「チアミー(Cheermee)」なら、
1. がんばることを決める
2. お子様が、がんばったことをスタンプで報告
3. 保護者がスタンプでほめる
この簡単3ステップで、お子様の習慣化を応援します。