【イベントレポート】Factfullness‐ベンチャー人事が語る就活と仕事の真実‐ #2
2020年3月25日、学生×ベンチャー人事の交流会が開催されました。
当イベントは、Cheer人事の西尾がこれまでの人事キャリアの中でも、採用現場にある多くの嘘から就活生が迷ったり悩んだりしている姿を見て、できるだけ正直に、フラットに、情報を提供できる場所として作ったものです。
特にベンチャー・大手と大きなくくりの中で、情報が乱立している現在の就職活動において、学生側も様々な疑問を持ちながら選考や企業研究を進めています。そんな悩みや不安に答えるかたちでイベントが開催されています。
【今日のゲスト】
◆深町駿
株式会社FREE WEB HOPE 人事兼プランナー
通称:イケメンサイコパス。
某アイドル事務所に所属(元アイドル)→東京理科大→新卒でネオキャリア→FREE WEB HOPEにジョイン。現在は、人事・コピーライター・組織開発・インターン生教育・社長秘書など幅広いポジションに立って会社を回している。
◆西尾輝
株式会社Cheer「何でも屋さん」
高校卒業後に草津温泉(トイレ掃除、風呂掃除)で働き、その後龍谷大学に進学。学生時代に事業立ち上げに参画したが、就職の道を選び人材系メガベンチャーに入社。これまでメガベンチャーからスタートアップまでを経験し、社会人4年目にして6社(草津温泉含む)の会社を渡り歩いてきた。
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髙栁(Cheer・司会):
なんと癖が強いというか、ちょっとイレギュラーな経歴のお二方なので、どんな突っ込んだ話が聞けるか楽しみです!
早速ですが、まずは学生さんからの質問に答えるかたちで進めていきましょう。
最初の質問ある方~?
学生:
はい!お二人が転職した理由とキャリアの話が聞きたいです。
■ゲストの現在までの奇抜キャリア
西尾:
初っ端から失敗談みたいで申し訳ないんだけど、僕は新卒で入った会社を6か月で辞めていて、理由は端的に言えば上司と合わなかったという感じで。
でも、そこで得た同期とか経験を考えるとあまりマイナスでもなくて、実は深町がそのときの同期の一人なんだけど、面白い同期ばかりでそれだけでもファーストキャリアは価値があったなと思ってるよ。
深町:
確かに。本当に変わり者ばっかだったよな。いい思い出。
そういう俺も7か月で辞めてるけど、会社が悪いということじゃなくて、それは俺らがその会社の体質に合わなかったっていうだけの話だからね。
西尾:
まさにそれで。僕とかは選考時からこの部署は合わないだろうなってところに配属されたから、仕事が始まってからも「やっぱりな」という感じで。
最長で1日6時間怒られてた日とかあったらからね(笑)
僕の場合は会社というより部署だけど、新卒はやっぱりカルチャーマッチしないとキツイなっていうのは思うよね。
深町:
カルチャーマッチの点でいうと「事業部による」し、「上司による」と思う。
西尾:
そうだね。ただ、例えばそこで初めて知ることもあって、自分は「怒られても伸びない」とか。昔から自分で反省会するくらいネガティブ気質なところがあったから、ガンガン怒鳴られても自分でもわかっていることをさらに感情で潰されてる感じがして逆効果だった。
深町:
じゃあ一社目は、キャリアチェンジっていうより「辞めた」ってこと?
西尾:
そうそう。というか最後はメンタルもきつかったし「逃げよ」って感覚。
まあでもだからと言って後悔は全くなくて、マイナスな面を補ってお釣りがくるくらい学びも得たものも多かった。
髙栁:
そう思えるのは素晴らしいですよね。
新卒で入る会社ってたぶんどの人にも特別なものだから、
その時の経験とか友達は一生関わっていきそう。
深町:
その後のキャリアは?
西尾:
2社目と3社目は、今の仕事の軸みたいなものが出来て良かった。特に、苦手な仕事にもたくさん触れることが出来たこと。
ベンチャーって仕事の幅が広いから、とりあえず全部やってみるってところあるじゃん?
深町:
あるある。超わかる。俺も今それだもん。
それぞれ充実してて楽しいからいいんだけどね。
■ベンチャーの仕事の進め方って?
西尾:
ベンチャーって一人あたりの仕事内容が多いから、同時に色々やる中で「西尾さんこれやらないで下さい。このクオリティだと投資効果低いんでできる仕事に注力してください」って言われてどんどん剝ぎ取られていった結果好きで得意な仕事だけやれるようになった。
要するに、苦手なことは「苦手です!」って名言したほうが会社のためになるということが分かった。
深町:
わかるなそれ。
ちょっと話ずれるけど、新卒の面接とかでも先に苦手なこと言ってくれたほうがいいよね。まあ細かい作業とかパソコン苦手だからやりたくないっていうのは違うんだけど。
例えば、「~~をやってみたらどうしても難しくて、でも△△は超得意でした」みたいに具体的なエピソードを伝えてくれると「あ、ただ毛嫌いしてるだけじゃないんだ」って健全な面接になるし、こっちもその子の得意なところを活かせるポジションを提案できる可能性もあるから。
「うち○○は最低ラインまで乗り越えてくれたら△△な仕事もあるよ」って。
学生:
すみません。ちょっと疑問なんですが、自分の仕事なのに他人に任せていいんですか?無責任じゃないですか??
西尾&深町:
いやいやいや!!!全然大丈夫!
学生:
えっ、そうなんですか。
深町:
むしろ自分の苦手なことと得意なことがわかってれば、
僕ここまでやるんであとお願いします、ができるのは超大事よ。
だって仕事って0~100まで一人でやらないし、できないから。
例えば、自分がやっても成果でないものでも、
チームの誰かが得意だったらその人に任せたほうが会社にとってより短時間で利益になるし、会社全体がいい向に行くからね。
会社がどんどん回っていくってイメージかな。
西尾:
まあ新卒の難しいところは、働いたことがないから
仕事においても上司においてもそうだけど得意・不得意が
最初からわかるもんじゃないところだよね。
深町:
ただそもそも、新卒も中途も稼ぐ前提で採用されてるからね。
一般的に給料の3倍は稼がなきゃ会社が回らないって言われてるから、
30万円ならその3倍の90万を月間で稼がなければいけないっていう単純計算になる。
そうすると、まずはそれだけの価値をいかに人の力を借りてでも達成するのかという話になるし、それを意識したら効率悪く仕事抱えたりはしないよね。
■学生が思う、これ言ってもいいのかな?ワード
学生:
次の質問ですが、これ面接で言ったら落ちるワードってありますか?
西尾:
そうだな~
髙栁:
じゃあ学生さんからいくつか挙げてもらって、答えていきますか!
学生:
「成長したい」はどうですか?
深町:
うん、これはベンチャー志望学生あるあるだね。
結論として「成長したい」っていう意欲はとてもいいと思うし、その会社で何かしらの経験やスキルを求めているはずだから全然いいと思う。
けど、やっぱり面接ではその具体的な部分が聞きたくて、
自分の進みたい方向性とか分野とか自分のビジョンが明確であって、
なおかつそれがうちでいい経験できるよ!ってなったら採用すると思うよ。
学生:
「転勤したくない」とかは
深町:
個人的な意見だけどいいと思う。
自分の要望を先に言ってくれれば会社も調整できるし、それくらいの交渉は全然していいと思う。
ただ、募集要項とかに「転勤あり」って書いてあるのに「したくない」って言われたらどこの企業と間違えてるんだ?ってなるからそこはちゃんと見てほしい(笑)
学生:
「いずれ転職したい」はどうでしょうか
深町:
これも言い方じゃないかな…
「○○を学びたいから、とか△△をやりたいから御社で働きたいです。
でも○○の次のステップまでいきたいと思った時に御社の領域じゃない場合は転職も考えています」って言う。
結局、自分のビジョンを踏まえて今はこの会社を選んでいる、っていうことと、転職したくなったタイミングでするっていうのは言っても問題ないと思う。
西尾:
そうだね。
実際にベンチャーってどうしても会社ごとで学べる領域が狭いから、
次のステップを学びたいってなったときにもう出るしかないよねってなるケースは多いと思う。それはそれで人事としてもわかってるしOKなんだよね。
深町:
確かに確かに。
というか、転職前提で面接に来られてもなんでうち受けに来てるの?ってなるけどな(笑)
そこでわざわざ話題に出す必要はない。
学生:
例えば「なんでもいいんです」って言ったらだめですか?
西尾:
あーそれね、実は前職でそういう子採用した。
面接のときに「将来何やりたいの?」って聞いたら
「わたしなんでもいいんです。だってどこ入っても初任給だいたい一緒で、まだ何も仕事したことないからやりたいこともわかんないし」って言われて。
深尾:
それは俺も採用するな。
西尾:
なんでもいいって言われてたら超強いのよ。
だってベンチャーって約束してた仕事じゃないことを任せることもあるし
内定者が何人かいたとき、やりたいことがある子を優先的に配属させていくから、そこでオールマイティ人材がいると助かる。
なんでもいいって子は、やることをこっちで決めさえすればそれに対してちゃんと努力ができる人材だったりするから、ベンチャー人事ならけっこう欲しがると思うし、重宝される。
深町:
ベンチャー人事としてはすごくいいよね。
これも言い方次第だと思うけど「なんでもいい」を
ポジティブに伝えられれば面接は最強かもしれない。
学生:私最近「バリキャリになりたい」って言った面接で落とされました。
西尾:
それもね、企業によるのかもしれないな。
おそらくなんだけどこれを言って落ちる理由は二つあって、
大きい会社だとあるあるだけど、そもそも意欲のある女性がカルチャーに合わないパターンと、あとは前にバリキャリという単語を使ってた人を採用したけど活躍しなかったからというパターン。
まあでもこれは会社によってはすごく評価してくれるところもあると思うので、合う会社を探せば大丈夫じゃないかな。
髙栁:
お二方ありがとうございます!
すごい!たくさん質問があがってきて嬉しいですね。
なかなか現役人事がここまでぶっちゃけて話してくれることないんじゃないかな。良い機会ですね!
逆に、お二人がこれ言われたら落とすワードってありますか?
■人事的、これ言われたら落とすかもワード
西尾:
あんまりよくないけど、あるのよね。
これ言われたら9割9分落とすワードが。
「企画やりたい」
髙栁:
え!なんでですか。
よく面接とかで言ってる学生さんいそうですけど(笑)
西尾:
高い確率で仕事なめてるんだろうなって思うからかな 。
「わたし企画やりたいんです~」「自分のアイデアを~」っていう学生さん。
俺はその度に思うんだけど、みんなが一生懸命稼いできたお金を使ってまだその会社や業界で挑戦してないことをやるってものすごくしんどい。その覚悟があったりそこまでの想像を少しもせずに美味しそうなところだけ触れたいというスタンスが評価出来ないということ。
髙栁:
深町さんは何かありますか?
深町:
おれはね「営業だけはやりたくない」って人。これは困る。
エンジニアじゃない限り新卒一年目ってだいたい営業やるし、社内社外問わず営業は必要だからね。営業をやりたくないって場合は、もともと何かやってきた経験とかスキルがあって、そのうえでやりたいこととできることがプレゼンできないとそのスペシャリティを認めてあげられない。
西尾:
それに近いのが「コミュニケーション力がないんですけど~」っていう枕詞をつけて話す人。コミュニティに所属するのにコミュニケーションを無視できる場面なんてほとんどないのよ。
深町:
これは間違いない。
コミュニケーション取らずしてできる仕事はないな。
俺ももともとコミュ障だけど、最低限できるレベルにしてたからなぁ。(笑)
だけど、選考とかでできるだけ取り繕わないようにしようって決めてた。
だって、俺が人そんな人採用したくないから。
どんなことでも取り繕ってしまう人だと、いざ仕事になったときに事故る可能性があるし自社に迎え入れるにはリスキーだと感じる。
髙栁:
ちなみにお二方は、どれくらいの時間で合否を判断するんですか?
■面接で合否を決めるまでにかかる時間
西尾:
5分くらいかな。
入室して最初の会話と最初の質問でだいたい決めてる。
深町:
2分かな。同じくらいだね。俺も一番最初の質問の雰囲気で決める。
正直、質問の内容とかは聞いてなくて、質問してる時の雰囲気でわりと決めてるかも。
西尾:
これについて、人事の約50%が最初の5分以内で決めてるというデータがあって。
学生さんへのアドバイスも含めるけど、
面接で「自信」があるように見えるかって結構重要だと思う。
どうにかして選ばれてやろうっていう気概を感じる人は逆にちょっと心配になっちゃうんだよね。その人らしさっていうのが見たいのに、鎧着た状態だとその人らしさとかが判断できないから。
深町:
あーそれ人事なら結構理解されると思う。
これとかそうだと思うけど、私服できてほしいっていう場合はそのまま私服でこいよとかね。(笑)
俺らは面接でリラックスしてほしくてそう言ってるし、ぶっちゃけ「その人らしさ」を知りたいからそう言ってるのでね。
髙栁:
うーん、なんで面接で緊張しちゃうんですかね??
学生:
大人と話すことが少ないし、こちらの話の内容が一貫してるか不安でそっちが気になっちゃって。
西尾:
いや大人なんて大したことないけどね。
学生:
ほんとですか??(笑)
西尾:
だって学生から社会人になったとき、いきなり「はいじゃあ今から社会人で大人です」ってなる人いる?たぶんいないのよ。
40代と社会人歴20年以上とかだったら社会人感みたいなのってあると思うけど、20代そこそこだったら対して年齢変わんないし、今俺がやってる業務、みんながやれば同じくらいのレベルと量できると思うよ。
学生:
え、じゃあ俺が今西尾さんがやってる業務やったらできるってことですか?
西尾:
全然できる。3年あればできるんじゃない?
いや、3年いらないな1年でいける。
深町:
うん。たぶんねこの世の業務だったらなんでもできるよ。
業務レベルだったら。
それを設計するってことになるとちょっと難しいと思うけど、
西尾:
自分の専攻してる学部以外の勉強をするくらいのレベルだと思う。
だから、社会人になるって構えることはなくて、もっと自分の成長とかワクワクのために楽しんでもいいと思うな。
髙栁:おお~これはわかりやすい例ですね!
それこそアイ・パッションは、働くにワクワクした人を増やしたいという思いから色々な事業をやっているので是非みなさんもこういったイベントから情報をキャッチしてくれたらうれしいですね。
■さいごに
今回は、ベンチャー現役人事と就活生の対談形式のイベントでしたが、
深町さん、西尾さんともに想像以上にありのままを話してくださいました。
ここまで言ってくれるんだ…!と感激したと同時に、
わたしも就活生の時にこんなイベントがあったら参加したかったな~と参加者の学生さんを羨ましく思ったり。
就活というのは答えがないので、自分と向き合う時間がとても多いです。
だからこそ、就活は皆さんの「内面を磨く」という点で成長させてくれるはずです。
困ったらいつでもご相談ください!
▼株式会社FREE WEB HOPE 採用情報
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▼株式会社Cheer 採用情報
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-Cheer髙栁-
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