映画と美術#13『写楽』蔦屋重三郎のビジネス的側面にも注目
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17世紀後半、江戸芸術の代表ともいえる「浮世絵」は、国内の大衆文化を盛り上げるだけではなく印象派画家に多大なる影響を与えた。菱川師宣は木版と絵の部分を独立させ、風俗の様子を描き出す領域を開拓した。墨一色だった浮世絵も、鈴木春信を始めとし錦絵などといった技法を編み出すことにより、独特な色彩が生まれることとなる。
そんな浮世絵の代名詞のひとつといえば東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」だろう。大胆にデフォルメされた歌舞伎役者の