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おつまみレシピ~八寸を探る~

私たちは、20代~30代の頃に8年間、
夫婦でカウンターだけの小さいお店をしていました。

「居酒屋さんに行く感覚で、気軽に日本料理を食べて欲しい」。
本っ当に紆余曲折しながらの営業でしたが、
最終的にはミシュランガイド(ビブグルマン)に載せて頂いたり、
閉店を惜しんでくれる方もいたり、、。

幸せな経験をさせてもらって本当に本当に感謝しています。


日本料理のコースで出てくるような一皿を単品でリーズナブルに。
そう思って出していたメニューの一つに「八寸の盛り合わせ」があります。

八寸盛り合わせ(1月バージョン)

今日はおつまみレシピということで、
八寸とは何ぞや?のお話と
その中で人気だった「チーズの味噌漬け」のレシピを紹介します。

うちの八寸は10種類のアテを盛り合わせたもの。
毎月、季節に合わせたテーマで作っていました。

アテの内容は毎月変わり、その時期の旬の食材や行事に合わせた食べ物を盛り込むという風なスタイルです。

しかし、1つだけ変えずに年中入れていたものがあります。

自家製の「チーズの味噌漬け」です。

もうね、これは旬とか関係なくお酒(特に日本酒)との相性は神なのです。(個人的に。)

自家製といっても、味噌の中にチーズを漬けるだけだからおうちでも作れます。

お店で出してた時は、
酒と味醂を火にかけてアルコールを飛ばしたもので味噌をのばしてたのですが、

おうちでするなら、もっとかんたんな方法があるので紹介します。

チーズの味噌漬け

白味噌は京都の甘いやつを使って下さい。
水でさっと洗って食べます。

何日か寝かせたほうがいいけど、次の日からでもおいしいです。

そして、色々アレンジもできるので、たくさん仕込んで飽きてきたらこれもおすすめです。

【干し柿×チーズ】

お正月に帰省中の方、
干し柿って、実家になぜかやたらとありませんか?(笑)
そんな時は、干し柿にチーズを挟んでみて。これもまたウマイ!

干し柿×チーズ

【金柑×チーズ】

金柑きんかんとも相性抜群。
ひとくちでまるごと食べれるこれもおすすめ。

キンカンを食べたことない人もいるかもしれないので説明すると、キンカンは皮ごと食べます。
というか皮が甘くておいしい。

皮だけ食べて、中身は酸っぱいので食べない人もいます。
今日はそのスタイルでいきましょう。

ヘタ側をカットして蓋にして、下の中身をガバっとくり抜きます。
キンカンを器にして中にチーズを入れるのです。

食べる時は一口でがぶっとまるごと食べれます。

飲み物も色んなものに合うのです。
日本酒、ワイン、焼酎etc

そして、お酒を飲まない人でも箸が止まらないのも、このチーズのすごいところ。
子供もパクパク食べちゃいます。

お正月にアテがなくなってきたら、ちゃちゃっと試してみてくださいね。


ところで、「八寸」って何か知ってますか?

「八寸って8種類のアテの盛り合わせなの?」
ってよく聞かれました。
違うんです。

もともとは、あんなに豪華で華やかなものではないのです。
茶懐石という茶道のコース、
お抹茶を美味しく飲んでもらうために「まず軽めのご飯出すわナー」的なコースの一品なのです。

茶道のコースとは

なぜ八寸って名前なの?

八寸サイズの四角の盆に盛りつけるのでこうよばれます。

しかし時代とともに八寸の意味も変化して、

アテの盛り合わせ自体をも「八寸」と呼ぶようになっています。

料理店で出している豪華なアテの盛り合わせを「八寸」と呼ぶのはこういう背景があったからなのです。


というわけで「八寸」とおつまみレシピ、いかがでしたでしょうか。

日本料理って深掘りしていくと、本当にたくさんの文化が隠れてて面白いです。

食って生きることと直結してるからなのか、
食と文化って密接だなぁと感じます。


2023年もみなさまにとって、
よい年になりますように。


●おしまい●

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