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□ドボクスキー 台湾を行く□②国立台湾博物館 鉄道部を訪れる

土木が好きで、鉄道が好きな人が、台湾まで遠征しても、行きたい場所は鉄分高めの場所を選びがち、という、そんな旅行を楽しみました。前回は、台北についてまず、交通系ICカードをゲットし、実際に鉄道に乗ってみるところまでたどり着きました。(前回の記事はこちら)

今回はまず、台北の町を少し鉄分高めに歩いたことを紹介したいと思います。

ということで、まずは鉄道に興味のある方にお勧めの博物館である、国立台湾博物館鉄道部を訪れました。

台北駅から徒歩圏内で行ける、穴場スポットのような場所。
ここは台北駅の西側、桃園国際空港に行くMRTの駅があるあたり。
その一角に、素敵なレンガ造りの建物が現れます。

この赤レンガ建築は、昔の台湾総督府交通局鉄道部の建物をリノベーションしたものです。「国立台湾博物館」の「鉄道部」としてオープンしていて、鉄道好きにはたまらない展示があります。

館内へ。素敵な赤レンガ建築の中に、展示があります。

入場料は、100元なので、約500円といったところでしょうか。
結構強行スケジュールで訪れたので、あまりゆっくり巡れなかったのが残念ですが、展示の様子等を少しご紹介します。

台湾の鉄道の歴史を辿るコーナー。
こちらは、日本統治時代の台湾鉄道地図の一部。
最北の港町、基隆を起点に、台北から南北に伸びる鉄路が中心です。
同じ地図の台湾南部。今は無くなっていそうな
製糖会社の鉄道が多く描かれています。
日本語で書かれた、二軸ボギー客車の図面。
いやー、結構しびれる展示です。
台湾で往年活躍した電気機関車の模型。
台湾にも鉄道ファン、結構多そうです。はまると沼に落ちていきそう(笑)。
台湾の鉄道発展の歴史として、工業・軍用・鉱業・製塩などの
色んな産業のために敷設された鉄道が紹介されています。
こちらは、林業のための鉄道や、製糖会社が敷設した鉄道。
鉄道の歴史=台湾の産業史を辿るといってもおかしくないです。
こちらは、着席して往年の台鉄の列車の乗車体験ができるコーナー。
車窓動画が流れ、なかなかリアルで、とってもマニアックです(笑)。
こちらは、昔の駅舎を再現したコーナー。
博物館のお客さん、意外と若い女性が多かったです。
この建物の修復作業を説明するコーナー。
森山松之助さんが設計した建物です。

森山松之助さんは、台湾で活躍した建築家で、主な作品として、台湾総督府の建物の実施設計を担当したり、台南水道のポンプ室や、日本では新宿御苑の台湾閣(旧御涼亭)などを手掛けています。

こちらは、硬券の切符を印刷する過程を説明しています。
台湾のかつての切符と鋏の説明。
台湾の鉄ちゃんの卵に向けた説明ですね(笑)。
昔のヘッドマークの数々。初めて見るものばかりで新鮮です(笑)。
有名な、彰化の扇形車庫のジオラマ。
こちらは、かつての鉄道のダイアグラム。
プラットホームの高さが年代を経て高くなったことの説明。
日本の鉄道も恐らく同じような変遷をたどっています。
台湾の鉄道駅舎、面白い建築物がとても多いです。
こちらは、清朝時代に作られた基隆・台北間の旧隧道の写真。
河底隧道のような、マニアックな土木施設も紹介されています。
防空的な理由で、架橋ではなく隧道を選んだようですね。
土木マニアも喜ぶ、古い図面の展示。
橋りょうの形式紹介。これは鋼橋。隣は木橋です。
古いものだけではなく、最新のものも。
これは、車内やホームの電光掲示を紹介するコーナー。
昔の台北市内の地図。台北駅は、清朝時代の旧城郭を避ける形で
線路が敷設されたことがよくわかります。
こちらも、かつての台湾の鉄道関係の俯瞰図。
台湾のかつての列車制御装置。日本と似ている気がします。
様々な標識類などの展示。沼にはまりそうな展示ばかり(笑)。
こちらは、1970~1980年代頃の台北駅を再現したジオラマ。
今は完全に地下化されています。
こんな扇形車庫もあったのですね。
こちらは、1910年代の台北工場を再現したジオラマ。
昔の光景をジオラマで再現する取り組み、いいですね。
こちらは、別棟にある、子供向けの展示施設。
蒸気機関車の仕組みがわかりやすく展示されています。
台湾の子供たちから、未来の鉄道ファンが出現するのでしょうか。
中庭の中では、まだまだたくさんの施設の復元・保存が進みます。
ここは、改札口っぽい売店になっていました。
館外には、まだ現在も修復中の建物があります。
さらにこの博物館エリア、拡充されていく予感です。
博物館の外側には、清朝時代の北門(承恩門)が。
台鉄の線路は、この門を避けて直角に折れていきます。

■終わりに

国立台湾博物館の鉄道部。台北駅の近くで少し空き時間ができたら是非立ち寄りたい場所です。鉄道マニアのみならず、土木・建築などが好きな人も含めて、その展示の興味深さに感心させられることになると思います(笑)。


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