北陸新幹線の京都駅になるかも!?わが故郷の近く・JR桂川駅にて
私の実家は、京都市の西南の端のほうにある、京都市伏見区羽束師(はづかし)というところです。鉄道の駅からは少し離れたところにあり、最寄り駅からはバスが運行されていたのですが、最近廃止されてしまい、公共交通機関で行くのにはちょっと不便な場所になってしまいました。そんな実家に行くときにたまに利用するのが、今回ご紹介する、JR京都線の桂川駅です。
JR桂川駅は、2008年に開業した、比較的新しい駅です。京都市の西側にある、洛西ニュータウンや、京大桂キャンパスなどへアクセスもできる場所にできた駅で、その後駅前にあったキリンビールの工場跡地を中心に再開発が行われ、イオンモールが完成した場所です。実家に近いこともあり、イオンモールなどは、帰省した際に利用することも少なくない場所です。
イオンモールは、JR桂川駅に直結しているだけでなく、近くには阪急京都線の洛西口駅もあり、実はなかなか近くに駅があることの少ない阪急とJRの駅がとても近くにある場所、でもあるのです。
そんな、実家からも近く、大きな商業施設があり、比較的新しくできたスポットというこのJR桂川駅が、何と最近全国ニュースの舞台になっているのです。それは、
北陸新幹線(敦賀~京都~大阪)の延伸問題
というニュースです。昨年金沢駅から敦賀駅まで延伸され、東京駅から敦賀駅まで直通列車が走るようになった、北陸新幹線・・ですが、大阪・京都から北陸に行く際には、敦賀駅での乗り換えが必要となる状況が発生していて、既に大阪までの開業を望む声が大きくなっている感じがしますが・・。敦賀から大阪までのルートがまだ決まっておらず、そのルートをどうすべきか?という議論が、連日のように報道されている状況です。
敦賀から大阪までのルートとしては、今の在来線は、滋賀県・米原までの北陸本線を通るルートと、琵琶湖の西側を走る、湖西線を通り京都に通じるルートを通りますが、新幹線では、様々な議論がなされた結果、こちらの地図にあるように、福井県の小浜市付近・京都駅付近・京田辺市付近を通り、大阪につながるルートが選ばれました。
そんなルートの中でも、ちょっと難しいのが、京都にどのように駅を作るか?という問題です。現在も議論が進められていて、こちらの図に示す3案で比較検討されています。
青色の「東西案」は、今の新幹線やJRの京都駅と平行に東西に京都駅(地下駅)を作る案です。そして、赤の「南北案」は、京都駅に直角に交差するように駅を作る案で、そしてこの緑色の「桂川案」が、今回紹介する、JR桂川駅の場所に駅を作る案です。地図で見る限りでも、なかなか難しそうなルートを通る3案です。京都駅については、ご存じの方も多いと思います。今回は、この「桂川駅」を少し掘り下げたいと思います。
■JR桂川駅に新幹線の駅を作るには・・
鉄道・運輸機構のHPに記載された、桂川案の説明図は、こちらの通りです。
ルートとしては、京都駅を通るために東側に少し迂回する形のルートになる、南北案と東西案とは違い、京都市の西側にまっすぐ南下し、桂川駅に達するルートになります。地下50mに駅ができる理由としては・・、
桂川駅付近の地図を見てみましょう。桂川駅の北側には、陸上自衛隊の桂駐屯地が広がります。新幹線の駅ができる場合は、どうやらこの駐屯地の南東角付近が、駅用地に転用されるイメージなのかもしれません。
そして、地下50mの深さに駅ができる理由の一つとして、府道のさらに下にある、「雨水トンネル」が既に存在する、というところです。この雨水トンネルは、この付近の低地部の氾濫対策に整備された、「いろは呑龍トンネル」というトンネルになります。私の実家のあるエリアも含めて、地域の浸水対策に寄与する、大切なインフラです。
ということで、桂川駅付近は、一見広い土地があるように見えるのですが、地下に駅を作りたいと思っても、浅い所には既に既存の施設があり、どうしても結構深い深度になってしまう、ということのようです。
とはいえ、比較的新しくできた駅周辺は、新たな住宅なども建ち並び、京都市内では珍しく、新しい町のような感じがするので、新たに新幹線の駅を呼び込むには好都合と言っても良いかもしれません。
京都駅には、2駅・5分で到着します。これを近いとみるか、遠いとみるかはいろんなご意見があるかもしれませんが、今の大阪駅と新大阪駅が約5分かかるのと同じ距離感です。
京都駅は、海外からの観光客増加などの影響もあるのか、多くの人で賑わっています。ここにさらに北陸新幹線が駅を作ったら・・、さらに過密の状況になるかもしれません。賑わいがさらに大きくなる、ともいえると思います。確かに直結できると経済効果もあると思います。そろそろ駅の3案を1案に絞りたいと考えられているようで、議論の結果が待たれるところです。
■終わりに
私の実家の近くにある駅が、まさかこんな大きな北陸新幹線駅設置の議論の舞台になるとは思っていませんでした。近くに実家があるので、駅が本当に来てくれたら嬉しいかも・・という気もしますが、それ以外の南北案・東西案になったとしても、実家のある京都市内周辺で、今後大きなプロジェクトが始まる可能性が高く、これからの動向に注目していきたいと思います。
以上、いつもとは目線を変えた、帰省ついでの現地レポートでした。