
【南大沢土木構造物めぐり】No.92 八王子みなみ野を目指して歩く(番外編:北野駅への道)
多摩ニュータウン・南大沢から八王子みなみ野駅まで歩いてきました。多摩ニュータウンとは一味違う、大規模な宅地開発の中に、開発前からの古いものが少し混じりあった、興味深い街を歩きました。
(前回の記事はこちら)
今回は、ここからさらに北野駅方面に向かって歩きたいと思います。新しく開発された地区とはまた違う顔を見せる風景を紹介したいと思います。


みなみ野大橋から東に進むと、大きな道路の両側が法面となる箇所があります。ここは昔尾根がつながっていた場所を、道路を作るときに切土して切り開いた場所です。それだけ大規模な土工事が行われたということを物語る場所です。

吹奏楽部が有名な学校。

国道16号を横切ると、片倉高校や、「車石」というバス停がある場所に差し掛かります。ここからさらに東へ進むと、「片倉台」「北野台」という、戦後の住宅開発により戸建て住宅が建ち並ぶ地区に差し掛かります。


地区内には、少し古びた商店街があるのと、南北に八王子バイパスが縦断しています。バイパスは、周辺環境に配慮されているためか、防音壁におおわれており、あまり大きな道路と交差している感じを受けないようになっています。

八王子バイパスを越えると、北側には「いしばしいり緑地」と言う名前の公園があり、いくつかの谷筋が現れます。その中の一つの谷を下ってみましょう。


昔青年の家がこのあたりにあったことを示す名残です。
新興住宅地から急な坂を下ると、にわかに狭い道と急な坂の谷筋を歩くようになります。


「道が狭いため 対向車を確認したら お待ちください」の看板が。
古くからの道路に沿って、家が建っている小さな谷戸です。このあたりは尾根と谷の高低差が比較的大きく、谷筋につながる道は急勾配となることが多いようです。

御殿峠礫層というしっかりした礫層の上に、関東ローム層が乗っている場所だそうです。

多摩丘陵バス停付近を越えると、北野駅に向かってさらに深い谷が続いていきます。バス道路はこういう谷筋を少し避けて、尾根と谷の境界などを通っています。谷筋には昔から家が建つような土地利用があったのでしょうか。

高低差が大きいので、なかなか谷筋を行くのも一苦労です。

個人のご結婚50周年をお祝いした石碑のようでした。
谷筋には、ちょっと気になる石碑なども見つかり、とても興味深いウォーキングになりました。


こういう小川も増水することを知っておく必要があります。
谷筋を歩き続けると、北野駅付近の住宅街に入ってきます。この小川も、大雨が降ると、途端に危険な川になることもあるのかもしれません。


今昔マップで今回歩いた箇所を見てみましょう。打越町の近くに、「大畑」という集落があり、そこから南に伸びている谷戸。そこ沿いを歩いたことになります。谷筋は古くから民家があり、造成するには険しい場所だったので、この部分は昔ながらの道路や家が残り、新規開発は尾根の上を切り開き、部分的に谷を埋めて平地をつくることをしたようです。

■終わりに
八王子みなみ野駅まで来たついでに、北野駅まで歩いてしまいました(笑)。街歩きが好きなので、こういう古い道を見つけるとテンションが上がります。谷筋だけは、古い道が残されていて、尾根の上の新しい住宅地と全く様相が違うのが特徴的です。こうした町を歩くのも、とても楽しい経験であると感じました(笑)。