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私を魅力してやまないオジサマ。

彼は白髪。そして口元と顎には白いヒゲをたずさえている。眉毛も白い。
白いスーツを着て胸元には黒いリボンタイ。眼鏡もステキ。
両手をひろげ、いつも「ウェルクァァンンム!ハハハハハ!」と
満面の笑みで私を大歓迎してくれる。
そう、たいがいの人は知っている(と思う)ケンタッキーのオジサマ。
「ハーランド・デイヴィッド・サンダース」

彼と初めて合ったのは、おそらく私が小学生の頃だった。
その満面の笑みと、今まで感じたことのない香りに誘われて入った先には、「フライドチキン」なるものがキラキラと陳列されていた。
(母にとっても初めての経験、何をどうやって買っていいものやら
とても悩んでしまったと後で聞いた)

始めて見るフライドチキン。とんでもなくいい香り。
どこから食べていいのかもわからなかったが、
アチアチを手にしてとりあえず、ガブー。!!!

・・・・はぅぅ。その衝撃たるや!!
世の中にはこんなにも美味しい食べ物があったのか!
ここはアメリカか?いや、これはアメリカから来たのか?
アメリカの人は毎日こんなに美味しいものを
食べているのか!!???

カリっとした食感、ジュウっと出てくる鶏の脂。
口いっぱいに広がるなんとも言えない異国のかおり。
それらは一瞬で私を魅了した。
その頃の私ははまだ少食だったから、ひとつのチキンを食べるのが
精一杯だったけれど、それでも、また食べたいなぁと思ったものだった。

昔は店舗もそんなになくて、初めて食べたフライドチキンも
家から車で30分ちょっと走ったちょっとだけ大きめなスーパーの中に
あったから、そうそう行くこともなく。このオジサマと会うのは
年に数回あったかどうか?いや、年に一度もなかったかもしれない。
だからなおさら私の中で「フライドチキンは特別なおご馳走」に
なったのだろうな。

今となっては自分が食べたい時に食べたいだけ買えるようになったけれど
「なんとなく特別なもの」には変わりないフライドチキン。
一度どれだけ食べれるかチャレンジしたことがあって、
その時は4つが限界だったけれど、私の胃袋がもし宇宙なら
いつかはあのパーティーバーレルを小脇にかかえて全部食べて
みたいなぁ・・・と夢みている。そう、古いアメリカの映画なんかを
観ながら。

できることならオジサマに直接会って
スパイスの謎を教えてもらいたかったなぁ。
数ある「再現レシピ」を試してみても
あの初めて食べた時の衝撃には出会えない。

でもなぜダロウ?

痩せなきゃならないのに
がっつり系の食べ物のことばかり考えるのは・・・・。


★わたしの唐揚げレシピ★
味付けはダイショーの塩コショウのみ。衣は片栗粉。
鶏肉の水分と片栗粉が馴染んでから揚げると
カリカリに仕上がります。そして永遠に食べることができます。
ダイショーの塩コショウは、これダイジョウブ?ってくらい
かけるとちょうどよいかと。
(揚げてる最中は鶏肉はさわりません。一回ひっくり返すだけです)


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