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【小説もどき】漁港①
漁港の朝は、早い。
ユウは両手で顔をぴしゃりと叩き、重い瞼に喝を入れた。テレビを見ると、午前四時十分。こんなに無理をして早起きなんて、どう考えても健康に悪い。
ここに来て二週間程経っただろうか。岩手の漁師町で、漁業に勤しんでいる。正直に言って、これは、今、漁業をしているのは、想定外だった。
先月までは、高校生で、受験生だった。大学受験を控えて勉強していた日々は、ユウの頭の中では、まだ色褪せて
漁港の朝は、早い。
ユウは両手で顔をぴしゃりと叩き、重い瞼に喝を入れた。テレビを見ると、午前四時十分。こんなに無理をして早起きなんて、どう考えても健康に悪い。
ここに来て二週間程経っただろうか。岩手の漁師町で、漁業に勤しんでいる。正直に言って、これは、今、漁業をしているのは、想定外だった。
先月までは、高校生で、受験生だった。大学受験を控えて勉強していた日々は、ユウの頭の中では、まだ色褪せて