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vol.140失業中編【取るに足らない話】我慢発うつ病行き 968

前話

我慢発うつ病行きマガジン
※パワハラ編とモラハラ夫編は別マガジンに収録


以前から「めまいの原因は怒り」だと、精神科Y医師から教えてもらっている。
怒りの感情に気づき、怒りだと認め、回避?排除?することで、めまいを起こさずに済むらしい。
これが結構難しい。
それが怒りだとは気づけないんだもの。
※全てのめまいの原因が「怒り」だというわけではありません。


怒りといっても、短気を起こしてイライラするわけじゃない。
ドッカーンと爆発するわけじゃない。
怒鳴り散らすわけじゃない。
悔し涙を流すわけじゃない。
物にも人にも当たらない。
ヤケ食いもしないし、ヤケ買いもしない。

大抵が「そこんとこ、ちゃんとしてよね」とか「理不尽だなぁ」とかいう程度。
ワナワナするような怒りじゃない。


例えば、信号のない横断歩道に車が減速しないで突っ込んできて「ヒヤッ」としたとか。
渋滞で進めない車が、信号が変わっても横断歩道を塞いでいて「渡りにくいやん」とか。
駐輪スペースに駐めようとしたら、スイーッと横入りされちゃったとか、その程度。


本当に些細なこと。
取るに足らないことなのに、何故いちいちモヤモヤと引きずっちゃうの?
モヤモヤしてるだけなのに、何故これが怒りになるの?
何故めまいに繋がっちゃうの?

子どもの頃「こんなことを言われた」「あんなことがあった」と母親に報告したかった。
良いことばかりではなく、嫌だったことも悔しかったことも。
「忙しいときに、文句ばっかり言いなさんな」
「自分のことばかり言わずに、親の言うことをききなさい」
「そんなことよりも先に……しなさい」。
母から返ってきた言葉はこれ。


文句を言いたいんじゃない。
あったことを報告して、私がどう思ったのかを伝えたいだけ。
「そんなことがあったのね」
「えらかったね」
「大変だったね」
「よく我慢したね」
そう言いながら聞いてもらいたかっただけ。
母には、話しかけたくなくなっていった。

元夫Hが未だ「元」ではなく、私が専業主婦だった頃、帰宅したHに子どもの様子やご近所の話なんかを報告した。
「それやったら……したらいいやん」
「それを俺に言って、どうして欲しいわけ?」
「何で今、俺にそんなことを言うの?」
「俺は昼間仕事して、帰って来たところなんやで?」
「話が長いねん、いったい何を言いたいの?」
Hから返ってきた言葉はこれ。

昼間、子ども達と過ごす私には、大人の⚫︎ ⚫︎ ⚫︎話し相手がいないんだよ。
「ふ〜ん」「へぇ〜」「ほう」でいいの。
多少なら上の空でいいの。
頷きながら相槌を打ちながら聞いてほしいの。
解決策を求めているわけじゃないし、Hに何とかしてって頼んでない。
ましてや、困らせたり責めたりする意図なんて全然ない。


Hが育児や家事の心配をせずに仕事をしている昼間、私は育児と家事の閉塞感でいっぱいなの。
子どもが可愛くても家庭が大切でも、そんな気持ちになることがあるの。


Hとの間には日常会話がなかった。
正しくは「Hは自分の言いたいことは言うけれど、私の話をきくのは嫌がった」。
あったのは、業務連絡。
後にはそれすら無視されるようになった。

現在はというと、由美•修(仮名、長女と長男)と3人暮らし。
由美は「母とは接点ゼロ希望」だし、修は何年間も私と喋らない。
私が由美や修に話しかけても返事はない。
返事がないのを承知で、ひとりで喋っている。
本当に伝えなくてはならない用件は紙に書いて伝える。
家庭内に日常会話は存在しない。

そういえば職場でもあった。
仕事•家庭•介護•過労•睡眠不足•体調はボロボロ、出社するだけで精一杯になり直属の管理者に面談を申し入れた。
「プライベートなことで相談したいので、お時間をいただけませんか」って。
返ってきたのは「プライベートは誰にでもいろいろあるからな」という断りの言葉。


そりゃあそうだ。
でもね仕事はプライベートの上にあるの。
間もなく、職場で酷いめまい発作。
早退、休職、復職叶わず退職。
タクシーに押し込まれて早退した日、「いきなり休んで、後の仕事はどうするつもり?」と管理者から言われたけれど、知らんがな……
あのときほんの5分でも耳を貸してくれれば良かったのにね。


こんなことがあったの、「ふ〜ん」
こんなに嫌なことがあったの、「大変だったね」
こんなことを言われてね、「へぇ、それで?」
私に足りないこと、子どもの頃から不足していたことって、何ていうことのない日常会話なのかも。


たとえ共感してもらえなくても聞いてもらいさえすれば、その場で消化できたかもしれない。
笑い話で済んだかもしれない。
それができないから取るに足らないモヤモヤを引きずってしまう。
「ああ、また私の話をきいてもらえなかった」ってね。


生きていれば「取るに足らないこと」を毎日、見て•聞いて•触って•嗅いで•味わって•感じて•思って•考える。
話す相手がいないし聞いてくれる人がいないから、今は代わりに文字にしている。
どうしたら最後までお読みいただけるかを考えることって、日常会話を盛って、面白おかしく伝えることに少しだけ似ている。
話の腰を折られることもない。

Y医師からは「他の人が気がつかないようなことに気がつき過ぎるからモヤモヤする」「気がついたとしても他者ならスルーするようなことに構うからモヤモヤする」とも言われる。
望まれてもいない「小さな親切、大きなお世話」を焼いてしまう。

進(仮名、一人暮らし次男)から「クレーマーやん」と言われたことがある。
気になることを「お客様の声」に投書したり、お店や図書館のスタッフさんに伝えたりしていたことがあったから。


ゴネるわけじゃないから、モンスターともカスハラとも違うつもり。
大抵「気がついていませんでした」と感謝されたけれど、私が言わなくてもいつか誰かが気づくかもしれない。
「あのお店でこんなことがあってね」「ふ〜ん」ときいてもらえれば、わざわざ意見なんか伝えなかったかもしれない。


話を聞いてもらえない全ての方々がこの通りではないと思う。
年季が入ってるし、私の性格にも依るんだろうね。
「つまらない」「興味ない」「前にも聞いた」と思われたって、「へ〜」「ほ〜」「ふ〜ん」って言ってもらいたかったんだね、私。
聞き流してくれたっていいからさ。
            (10/19)

図書館の外壁にショウリョウバッタ
更に接写しようとしたら
いきなり飛び立ってびっくりした‼︎
放置自転車から視線を感じて振り返ったら
カマキリと目が合った、多分
知らんけど……




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ちゃりれれ【時々ジャイアン】
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