読み切り恋愛短編集【れれこい】一瞬の奇跡 912
全20話+1話&スピンオフ
一瞬の奇跡
岩崎「れれ子さん、すみません。
遅くなってしまって……」
れれ子「もう岩崎さんったら‼︎
来て下さらないかと思いましたよ」
岩崎「いえいえ、そんなわけないじゃないですか。
随分とお待ちになりましたか?」
れれ子「100年くらい待ちました。
これは埋め合わせをしていただかないと、もう書けなくなっちゃうかもしれません」
岩崎「100年ですか、参ったなぁ。
実は書くアイデアというかヒントを持って来たんです。
その所為で遅れたというか……」
れれ子「言い訳ですか?」
岩崎「違いますよ、本当ですから。
はい、これ」
れれ子「え、手紙……」
岩崎「そうです、早く読んでみてください」
れれ子「私に?」
岩崎「勿論ですとも」
れれ子「岩崎さんの目の前で読むんですか?
そんなぁ……
いくら何でも恥ずかしいです」
岩崎「いいから、ほら」
れれ子「ドキドキするじゃないですか。
今でも充分、告白される女の子のお話が書けそうです。
キュンキュンしてます」
岩崎「告白……?」
れれ子「告白……じゃないんですか」
岩崎「れれ子さん、何か勘違いしていませんか?」
れれ子「勘違い……
岩崎さんからのお手紙じゃないんですか?」
岩崎「え、僕⁇」
れれ子「違うんですね、がっかりです。
スンスン」
岩崎「れれ子さん、泣かないでください。
僕からの手紙よりもずっと嬉しい手紙ですよ」
れれ子「岩崎さんの手紙より嬉しいお手紙なんてありません、スンスン」
岩崎「それがあるんですよ。
ほら、涙を拭いて、読んでみて」
れれ子「一瞬の奇跡……?」
岩崎「そう、『一瞬の奇跡』。
9月号掲載のれれ子さんの詩からインスパイアされたんですって」
れれ子「9月号って、あう、ですか?」
岩崎「そう、『あう』を読んだファンの人からなんですよ」
岩崎「それでね返歌というか、その『一瞬の奇跡』を小説に仕立てみたらどうだろうというわけなんです。
先ずは読んでみてください」
れれ子「あんなに短い詩から、こんなにイメージを膨らませてくださったんですね……」
岩崎「れれ子さん、ファンってありがたいですね」
れれ子「ファンだなんて恥ずかしい……
岩崎さんと私との出会いにも、きっと理由があるんですよね。
決して偶然なんかじゃない筈ですよね」
岩崎「もちろん偶然じゃないですよ。
れれ子さんが『クローバー通信』にレビューを投稿してくれたのがキッカケで、僕がスカウトしたんですから」
れれ子「そういうことじゃなくて、ほら、触れる指先ですよ‼︎
岩崎さんと私って、離れても繋がってるんですよ‼︎
見えない糸なんですよ‼︎」
岩崎「(いやぁ、歌の2人は別れてるんだけどなぁ……)」
れれ子「何か仰いましたか⁇」
岩崎「え、あ、いや……」
れれ子「やっぱり岩崎さんとは運命の出会いだったんだわ。
重なっちゃうんですって、私達‼︎
どうしましょう……キャッ」
岩崎「私達って………………」
#レジェンドat物語から曲を作る人さん
に作詞していただきました。
11月17日(日)LEGEND SONLCで曲を付けて公開してくださいます。
応募期間は11月10日(日)まで。
詳細はこちらの記事をご覧ください⤵️
レジェンドさん、原案を「君と僕」の世界に広げて作詞してくださり、ありがとうございます。
出会ったのはこのふたり(岩崎とれれ子ではない‼︎)だったんですね……
曲が楽しみでワクワクしています。
勝手に秋実れれ子の「ファン設定」で登場させてしまって、本当にすみませんでした‼︎ (10/23)
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