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2024年、出会えてよかった本

正直、社会人になってから本を読めなくなってしまった。本を読みたいな〜という感覚はずっとあったんだけど、なかなか本の世界に没頭できず、年間読書量は5冊を満たすかどうかといったところ。自分のことに必死すぎて、本の中の誰かの人生を覗き見するという読書の醍醐味をゆっくり味わう余裕がなかったのかな、と今は思う。

2024年は、退職を機に本を読むことが再開できて、数えてみたら現時点で67冊読んでいた。間違いなく、人生で1番本を読んだ年になった。9月からは読書ノートも始めてみて、印象に残った文章や、その本の感想、読みながら考えたことを記録している。これがとても楽しくて。今後人生をかけて継続していきたい趣味のひとつになったのです。

読書ノートは、ロルバーンとお気に入りの万年筆で、こんな感じでつけています。これは1番最近読んだ本小川糸さんの『ツバキ文具店』。

前置きが長くなりましたが、今回はそんな私が選んだ『2024年、出会えてよかった本』を発表します!こういうとき、本当はベスト5とかなのかもしれないけど、どれも良すぎて順番が決められなくて。読めてよかった、出会えてよかったと思った本を5冊選びました。5冊選ぶならこれだ!と即決でした。



窓ぎわのトットちゃん/黒柳徹子(講談社)

私自身も母となり、そして仕事として保育に携わろうと思って勉強を進めていたこのタイミングで、この本に出会えたことは、本当に運命なんじゃないかと思えるくらい、何かの縁を感じている一冊です。一瞬でトットちゃんの虜になったし、徹子さんのお母さん、そして小林先生を心から尊敬しました。子どもにとって、「認めてもらえること」「わかってもらえること」ほど、嬉しいことはないのかもしれない。子ども時代に、そういう心の基盤を作ってあげたいなと我が子にもこれから出会う子どもたちにも思いを馳せながら読みました。そして実は、先日横浜を訪れた際に、自由が丘にも足を伸ばしてきたのです。

トモエ学園の跡地は、おしゃれな商業施設になっていました。


成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈(新潮社)

本屋さんに行けば絶対に目にする、言わずと知れた2024年の本屋大賞受賞作!読んでみたくて仕方がなくて、そしてもちろん面白くて、もう完全に成瀬のファンになった。というか、友達になりたい…。今年の自分へのクリスマスプレゼントは、これにしたほど。笑 

ずっとランニングウェアが欲しくていたら、成瀬Tシャツが販売されると知ってもうこれは買うしかない!と即決。

いや、琵琶湖大会には出ないんですがね。次マラソン大会に挑戦するときは、これを来て走るんだ!と意気込んでいます。推し、大事!もちろん、2作目『成瀬は信じた道をいく』も最高でした。どこかの雑誌で、3作目も考えているという記事を見かけたので、今から楽しみです!


流浪の月/凪良ゆう(創元文芸)

もうこの本は、心に刺さりまくって…。自分の中に偏見がないか、知らないうちに誰かを傷つけていないかと怖くなりました。夫にも読んでもらって感想を話しながら、「人は誰しも防衛本能から偏見を持っている。だから考えを持つ以上偏見を持たないことはできないけど、差別をしないように努力することはできる」という結論に。違うかもしれないし、これから変わるかもしれないけど、この本を読んで私が考えて出した答えはこれだな。と、話すことで納得できました。

本書の解説に、こんな言葉がありました。

凪良ゆうの小説を読むことは、自分の中にある優しさを疑う契機となる。その経験は、本当の優しさを知る一助となる。

『流浪の月』p355より引用

「本当の優しさ」を知っている人でありたいから、これからももっといろんな本を読みたい、いろんなことを勉強していきたいと再認識した1冊でもありました。


アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス(早川書房)

なんか感想をnoteに書いた気がするな〜と思って探してみたら、ありました。3月に書いていました。思えばこれが、苦手だった本の感想を人の目に触れる場に公開する初めの一歩だったかも。何事もやってみるものですね。今では、いろんな考えがあって当たり前なのだから、私のように考えたっていいのだ!と思えるようになりました。まあとはいえ、ドキドキはするんですが。笑


お探し物は図書室まで/青山美智子(ポプラ文庫)

『赤と青とエスキース』と、どちらにしようか最後まで悩みましたが、青山美智子さんとの最初の出会いであるこの本を選びました。久しぶりに、本で泣きました。この本を読んで以来、青山さんが描く優しい世界の虜になってしまい、この2冊の他、『月の立つ林で』『木曜日にはココアを』『ただいま神様当番』『いつもの木曜日』『月曜日の抹茶』と青山さんの作品を着実に読み進めているところです。新刊の『人魚が逃げた』もとても気になっている…!図書館で、予約待ちです。青山美智子さんの作品に出会えて、本当によかった!と心から思っています。


以上、『2024年、出会えてよかった本』でした!とても書きごたえのある記事でしたが、やり始めたら一瞬。残せてよかったです。ここまで読んでくださった方々、お時間いただきありがとうございました!良ければ皆さんの出会えてよかった本も教えてください。それでは!

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