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大災害級の雨で思い出した。「世間」と「社会」を混同した「メンタル」を持つと危険な話

災害級の大雨が続きますね。

最近よく聞くようになった「線状降水帯」が、今はいつどこで発生してもおかしくない状況のようで、僕は田舎が心配である。
水や電気などライフラインが止まってしまうと、田舎はさすがにやばい。

コンビニやスーパーも閉まっていたり、品薄だったり。もちろん病院も大混乱で、薬が足りてない。もう車を手放した僕の親世代にとっては、これが結構厳しい。田舎で住む最大のデメリットである。

近くに姉夫婦が住んでいることが唯一の救いで、何かあったら動けるのは安心材料ではある。

こんな災害をニュースで見ていたら思い出したことがあった。

2019年、台風19号のとき。
台東区の職員が、小学校の体育館に避難しようとしたホームレス2人を断ったということがニュースになった。

ホームレスを追い出して、もし台風の中で死んだら、職員は「殺人」とまでは言えないが一人の救える命を意図的に救わなかったということになる。そう考えたら、どうして断れたのだろうかと。避難所は納税者に向けたサービスによるものだから、区に納税していない者には避難所を利用させない、と言うのだろう。

だが、一般的に見て命の危険を感じて避難してきた人たちに対して、お金を払っていないからダメだ、という態度はあまりにも残酷である。

「世間」と「社会」を混同するな

以前「世間」と「社会」の違いについての本を読んだ。「世間体」とは言うが「社会体」とは言わない。

なるほど、その考え方は面白いなって。
そういえば「世間体」で思い出した。少々、話を脱線。バカげた同調圧力の記事を見た。

オンライン会議における上座や下座の存在があるようだ笑

オンライン会議に早めに入室した人が上段になることが多いため、「目上の人より上に映らないように、目下の人は後から入室すべき」「早めに入室してしまったら、一度退室して、改めて入室する」といった「謎のルール」を運用している会社があるようだ。

未だにこんなことを気にしている旧態依然の化石のような会社があることにただただビックリした。
これが必要以上の「忖度」であって、小さい世界の「世間体」であろう。

僕たちの生きる「社会」には、こういった世間体はない。あってはならない。仮に多くの人が理解できなくても守らなければならないルールがある。それが「法」である。

法によると社会では
「全ての人に生きる権利」があるとされ、社会の前提(概念)とされる。
この概念は歴史をかけて人類が獲得したもので、仮にこれが脅かされるのであれば、戦ってでも守るべき「価値」である。

しかし多くの人はほっといたら「世間」に生きている感覚をもってしまい、「社会」を無視してしまう。

だって、社会のルールより今、目の前にある「オンラインの上座・下座」の方が処世術として大事なんだから。そういう感覚だから、ホームレスという「社会」に生きる人がどうなっても関係ないと思ってしまうのだ。

台東区の職員は、ホームレスの人を避難所に入れてしまって、区の住民から「臭い」「怖い」とクレームを言われる心配(世間体)の方が、ホームレスの人が命を落とす心配(社会の法)よりも大きかったのだ。

でも考えなければならないのはここからだ。こうやって「世間」を大事にしていても、いついかなる時でも守ってくれるのは「社会」である。「世間」は中途半端にしか守ってくれない。ホームレスの人達を追い出して、安心した「世間」の人達も、もしホームレスの人達が命を落としてしまったらどうなる?

新しい「世間」が生まれ同調圧力が形成され「人の命を何だと思ってたんだ!」と職員を責めるのだ。それほど「世間」の絆はモロイし、薄情である。

さて、話は変えて、と。

日本の所得税額の約半分は、収入が上位4%の高額納税者が支払っていて、年収600万円以下の人達は払っている納税額よりも受けているサービスの方が大きいと聞いたことがある。

つまりその人達は、上位4%の高額納税者が納めた税金で生活させてもらっているという見方ができる。

だからと言って「高額納税者が偉い」わけでも「低所得者は感謝しろ」というわけではなく、税金というのはそもそもそういうものなので、国民の「助け合い」とか「思いやり」で成り立っているとよく言われる。

で、「俺らが納めた税金を使いやがって」と言う人がよくいるが、「他人が納めた税金を使うな」というルールでいくならば、おそらく大半の人が何の生活もできない。その言い分がまかり通ってしまうと、高額納税者による「俺の税金で作った橋は渡るな」が成り立ってしまう。

一方で、どんな人でも、自分が納めたものがどの用途で使われたかを知る権利はある。気になるなら国税庁の歳出をみるとすぐ分かる。

しかし「いや、用途が気に入らん。ホームレスには使うな。ここに使った方がいい」というなら、どうぞ政治家になって「社会」を変えてください。

直感的に自分の価値観では理解できないものには、嫌悪感を持ってしまうのは理解できるが、あなたが仮にインフルエンサーで自身を支持する半径5mの世界に叫んだところで簡単には社会は変わらないから。
今の「社会」では「多く払う」人が偉くもなんともないし、「用途を決める」ような「法」は残念ながらない。

自分が頑張って稼いで納めた多額の税金を「払っていない」「努力していない」「怠惰な」人のために使われるのは気分が悪い、という気持ちはわからなくはないが、「社会」で決められたルールを自分の価値観で理解できないからといって他人を排除してはいけないし、他人の権利を自分の価値観で判断してはいけない。

残念だけど、あなたが日本で生活することが前提であれば、仮に個人の思想であろうと生存権という「譲れない価値」を議論の土俵にあげることに意味はないのだ。

なぜなら勝負にならないほど、稚拙で幼稚で社会性を知らない意見だから。

「あなたは、生きている価値はあるのか?」

そう聞かれたら何と答えるだろう。

なにかあれば多くの人は、自分だけは例外であるかのように、他人のことを誹謗しがちで「自分は一生懸命働いて、ちゃんと税金を払っている」と言うかもしれないが、それが果たして他人を納得させられる価値と言えるのだろうか。こうした素朴で露骨でデリカシーのない問いや主張は、影響力をもったインフルエンサーの発信によって力を強めているようにも思える。 

ホームレスになった人は、失業や病気、配偶者や親からの暴力、職場や寮でのパワハラやセクハラなどによって、帰る場所を失った方たちで、理由は一人ひとり全部違う。

でも、どんな人にも次の日に何が起こるかはわからない。
その中でもセーフティネットがあることで安心して生きることができるし、新しいチャレンジができる。これこそが歴史をかけて人類が獲得した「社会」である。

「頑張らない」「怠惰な」人にもあなたと同様に生きる価値があるのだ。

自分は賛同できない生き方をしている人にもあなたと同様に生きる価値があるのだ。

前線は20日金曜日ごろにかけて日本付近に停滞する見込み

各地の雨量はさらに増える可能性があるようです。
みなさんも気をつけてください。

不幸にもこんなに災害の多い国に住んでいるのだから、社会的弱者への支援の方法も少しずつでいいから進歩していくべき。
そうじゃないと、過去に被災された方の苦労が報われない。

田舎の母ちゃん大丈夫かな。
とくにメンタルね。
電話してみよ。

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