箱入り娘が「箱」を捨てた日。
今年で30歳になった。
20代を振り返って転機はいつかな〜と考えたら、
間違いなく24歳の頃、銀行を2年で辞めて、
リクルートの契約社員の道を選んだことだなと思う。
24歳までのわたしは、いわゆる「箱入り」でものすごく安定志向だった。
親がしっかり敷いてくれたレールを
ただただ一生懸命に走ってきたんだと思う。
親の期待に答えきれなかったことだけは少し悔やまれるけれど。
このままレールに沿ってしっかり生きていけば、人生うまくやれる。
そう思って、銀行に入社したけれど、現実はそんなに甘くなかった。
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早々と営業デビューして順調だったはずなのに、
周りを見渡せば、どう見ても毎日疲弊しきっている先輩や
「休日を楽しみに生きてる」という言葉に
ちょっとずつ違和感を覚えるようになった。
当時まだ社会では「3年は働かないとね」とよく言われていたし、
今までの人生の中でなにか大きく「辞める」という決断をしたことがなかったから、怖くてそんなことを考えないようにしていた。
そうこうしているうちに、
自分のモヤモヤが環境が合わないからなのか、自分が原因なのか
そもそも営業が向いていないのかすらも、
わからなくなるという事態にまで陥いった。
そのときにたまたま尊敬していた先輩が転職する事がわかり、
「あ、転職という選択があるんだ!」ということを
わたしは恥ずかしながらこの時初めて知って、
人生に再び希望が見えたように感じた。
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今思えば2年で辞めた第二新卒はほぼスキルがないからポテンシャル採用。
新卒のときに受けていたような
人気企業100みたいな企業への転職なんてできるはずもなく、
提案される求人はITやネット系ベンチャーか人材系の会社で
自分が新卒就活時に見向きもしなかった会社ばかりだった。
そして転職活動の面接では、
必ず「現職で何をやってきましたか?」という質問ばかり。
この状況に当時ものすごく危機感を感じた。
なんとなく仕事は頑張ってはきたけれど、
自分は自信を持って「コレができる!」と言えるものがなにもない。
24歳になって初めて、
転職の世界ってこんなにも「できること」を問われるのかと衝撃を受けた。
自分は今まで、本当になんにも知らなかった。
そしてこのときに
「自分が信じてきた安定って何なんだろう?」と
真剣に考えるようになった。
今まで私が安定して生きてこれたのは、
間違いなく両親が作ってくれたレールのおかげだった。
わたしはそのレールが社会に出てからも続いていくと勘違いをしていた。
会社という守ってくれる存在がいて、
自分はそのなかで生きていればうまくやっていけると思っていたけれど、
残酷だけれど社会はそういう風にはできていないということに
24歳になって初めて気づいた。
転職活動をしていくなかで、おそらく
「何かできることが増えていくことで、この世界は選択肢が増えるんだな」
と直感で思ったと同時に、
「今の自分には自信を持って何かできることは少ない。
まずできることを増やさなきゃ。そしていずれやりたいことができる自分になろう」と思った。
学歴やどんな会社に勤めているかよりも
社会で必要なことは、自分がどんな仕事をどれくらいのレベルでできる人なのか。
自分の立ち位置がようやく理解できたことで、腹をくくることができた。
「銀行からよく転職したね」と言われるけれど、
自分の転職活動のプロセスや経験がすべて教えてくれたと思っている。
「周りの大人よ、もっと早く教えてくれよ〜」とすら思った。
もし今決断できなくて困ってる人がいるなら、
今の自分に必要なこと「一つ」が何かが分かっていないか、もしくはいろんな欲求を一度で満たそうとしているかだ思う。
当時24歳の自分にとって必要なことはたった一つ。
「自分が成長できるかどうか」一択だった。
それ以外は「今は」必要はない。
自分が魅力的な人材になったときに、
ちゃんと交渉できるようになろうと思っていた。
最終的に3社内定を貰ったけれど、転職先として選んだのはリクルートだった。
ただ聞いたこともない、正直いつ潰れるかも分からない部署の立ち上げで、
雇用形態は契約社員だし、多分求人条件的には1番最低だった。(笑)
ただ最後まで心離さなかったポイントは
「新規部署の立ち上げ」ということと、
頑張れば「1年で拠点長になれる」という自分オリジナルの経験が積めそうとか「働く人が面白そう」という、ただそれだけだった。
両親に伝えたときはかなり大慌てで心配をかけたけれど、
自分の目で見た、体験した転職活動での現実は間違いないと思っていたし、
リクルートの最終面接で
「この意志決定は絶対に君の人生の転機になる、『自分で』決めなさい」と言われ、最終的に自分で決めた。ちょっと胃が痛くなったりもしたけれど。
色んな人の反対を押し切って決めた以上は、やるしかないなとも思えた。
私が箱入り娘の「箱」を捨てた日はこの日だった。
本当にこの日からの人生が、
自分の転機になって今にも繋がっていると思う。
なんとなく「このままでいいんだっけ」と流れに身を任せていく人生から
「自分はこうしたい」と意志決定できる人生に少しずつ変わっていった。
24歳の転職活動前は「選びたくない会社や選択肢」だらけだったのが、
一度覚悟を決めて自分で人生選択をすると、何を選ぶにも怖さはあまりなくなった。
なるべくレールから外れないようにと
「箱」のなかで大切に育ててもらった私だけれど、
箱の外の世界を知ることで、
「箱」へのありがたみをより理解できるようになった。
今はその「箱」がなくても、
生きていけるぞという自信もつけられたからこそ、
なんとなくその「箱」の存在によって
生きづらくしている人たちの救いになればと思い、今日を生きている。
箱入り娘の続編ストーリーはこちらのnoteにて💗
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