
大切な人に、買って渡した本-『月曜日の友達』阿部共実
大切な人に、表参道の青山ブックセンターで、2巻で完結するこの漫画を買って渡したことを思い出した。
その人と一度だけ、朝まで一緒にいたことがある。2人で飲んでいて、帰る術がなくなった自分に付き添ってくれる形で、きっと他愛のないことを話しながら、24時間営業の飲み屋で始発を待った。
地下にある小さなイタリアンでワインを飲むところから2人の会話が始まったこと、「次は自分を好きになってくれる人と付き合いたい」という話をしてくれたことは今も覚えている。
今、その人は結婚していると人伝に聞いた。
私に優しくしてくれた人だから、今も優しい家庭を築いているだろう。
この本を読んでくれただろうか。どんな感想を持っただろうか。今も家の本棚に並んでいるだろうか。
答え合わせのできない疑問を膨らませながらページをめくると、オレンジジュースだったり、汗だったり、ボールだったり、涙だったり、たくさんの光や水の粒が目に映る。そういう漫画なのだ。
今日は祝日。ミュージシャンのエッセイを読んだり、ラジオを聞いて過ごした。金曜日には歯医者があって、土曜日には友人に会う。
何も気にせずにただ生きていればいい。
日々、未来の用事をつくって、それを通過していく。
そのたびに大丈夫になっていく。
それでここまでやってきたのだ。
などということを考えていました。オススメです。
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