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『先生とチェロとわたし』ここはのがしたらだめなんだ!の巻
レッスンはほぼ毎週行っているワタシ。
最近、結構自分が上達してきたように思い、この機会にでっかくブレイクスルーをと考え、仕事から帰ったあと、夜な夜な3時4時まで練習をしています。
プロチェリストを目指してチェロを中心とした生活をする私と、師事しているK先生とのお話を、シリーズで書いているエッセイです。これまでの記事は下から!
K先生は、数か月前、私が練習曲以外に曲もみて頂いていた際に、ポロっと、『基礎的なことができないのにあなたに曲が弾けるわけないじゃない』とおっしゃり、、、、それ以来、私は練習曲のテクニックばかり練習してレッスンでみて頂いていた。
しかし、、、同時に、やっぱり練習曲ばかりでなく、実際の曲も練習しないと、緊張感がなくなって駄目になるんではないかと思っていた。そこで、腰の重い自分にムチをと、さらに、いつも音大時代のバイオリンの友人のめぐみちゃんが『なんかやりましょうよーーー』と言ってくれるのに応えたいという気持ちもあり、5月に演奏会をすることにした。
先日、久しぶりに曲をレッスンに持っていった際、K先生は、私が『5月に演奏会します』、と言うと、『ふーーん』とご自身の弓をいつものように舐めるように眺めながら私に目もくれずに言った。まあ、音大時代からへたくそが何やろうと無関心、というようなK先生であったから、その態度を別に気にしたりはしないのだけれど、持っていった曲を弾いてもいないのに、曲名を3曲伝えた途端、『それ、全部やるの?無理なんじゃない?どんな編成でやるの?あなたは1曲にして、あとはほかの人に任せたら?○〇(曲名)なんて弾けないよ、あなた』と言った時はかなり閉口した、、、、
しかし事実なのでしかたないのか、、、と思いつつ、ふと、考え直した。
いや、K先生の言ってることは、本当だろうか?
下手なのは確かだけど、かなり弾けるようになってきたし、人前で弾いても別に迷惑
ではないんじゃない?
それに、最後の本番は、児相の保護所で働いていた、クリスマス会でのパフォーマンスだから、本番から1年以上が経過しているではないか!そうすると、いくら毎週毎週レッスンに通っているとしても音程へのシビアさとかは取り組みがちがってくる、、、私がまだまだ下手なのは、今、圧倒的に本番が足りないからではないのか?(それがすべてではないが)
一蹴されるのが目にみえているので、K先生には口に出して言わなかったけれど、K先生の目の前で調弦しながら、頭の中ではそう考えていた。
私がいつもの通り、スケールとアルペジオ、6度の重音を弾いて、指導していただいてから、通常なら次は練習曲をみてもらうのだけれど、K先生は、『演奏会するなら、今日は曲からやろうよ』と言った。
いや、練習曲の技術的なことは毎回欠かせない、と思った私は『K先生、曲の前に、練習曲を少し、、、』と言った。
『え?それじゃあ、間に合わないよ。それか、演奏会やめる?』
『いや、やめないですけど、、、』
『じゃあ曲からやろうよ。でもこれ、弾けるかな、、、、』
『・・・・・』
ということで曲を先に見て頂くことになった。
上手い弟子たちは、今までレッスンを見学させて頂いたところでは、弟子たちがかーなーりー上手く、短い曲の1曲丸ごとか、ソナタなら、かなり長い提示部の終わりまで弾いた後で『いいね』と言ったあと、気になった小節に戻り、細かい点、たとえばボーイングを指導する、などの方法なのだけれど、私のレッスンの場合、2小節か4小節弾いたところで止められ、最初から細かくボーイング、左手の指のこと、もちろん音程、音色をなおして頂く、、、ので、1回のレッスンでは私が良くできていれば8小節くらい、駄目なら4小節くらいしか進まない。
ということで、この日も8小節くらいしか進まなかった。
が、予想に反し、レッスンの最後で、K先生が、
『弾けるな、これなら、〇〇の曲の方も弾けるな、大丈夫そうだな』と言った。
『!!!!!!』と心の中で、飛び上がって喜ぶほどではないけれど、そうか、少しはK先生は私がここまでできる、という見方をアップグレードしてくれたのが、地味に嬉しかった。安堵に近い嬉しさだった。
ということで、そのレッスンの日から、次回のレッスンまで、曲をどうにか形にしようと、K先生の言葉も後押しとなり、翌日の仕事を気にしながら、練習する日々なのでした。が、次回のレッスンでは、『ここまでできるんです、本当は』とみてもらう(認めてもらう)機会であるので、私としてはここはどうしても頑張らないといけないところなのでした。
(まだまだ続く)
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