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【140字/企画詩】優しいあなたと月光小夜曲

月を見上げて父が言った。
 
深夜の街角からよく
コインを重ねてママに電話したんだ。
いつ切れるかわからなくて
おやすみ、愛してるよって
数分おきに繰り返して。
話にならないって呆れられたけど
とんでもなく素敵な夜だった。
 
私は夜空にそんな誰かを想う。
頬に落ちた月光は
まだ見ぬ人の温もりみたいだった。



SNSの企画(テーマ:月)で作ったものを
自由詩「青の朗読会」用に手直し
そちらに収録してあったのですが、
なんとなく140字に寄せたくなったので
ロマンチックな古い映画を意識して
所々、組み直してみました。
雰囲気が少し柔らかくなりました。
ご自身の好きな季節に当てはめて
その時々の月光を(一緒にいる人を)
感じてもらえたら嬉しいです。



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