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【短歌と詩、それから日本滞在写真日記】秋の日に物思う

あの秋も 青はこんなに 眩しくて
きみいぬ丘で 頬撫でる風


兄のいない日々には
もうすっかり慣れっこのはずなのに
どうしてだろう、
時折私は聞き分けのない幼子になる

果たして一緒に秋の空など見ただろうか
けれど心がそう思いたいのなら
きっとそれで良いのだろう
それで空いた穴が埋まるなら
きっとそれが幸せなのだろう

青い空がたまらなく綺麗で、
遠くはしゃぐ声はきっと私たちで、
秋の陽はどこまでも優しい

優しくて優しくて、
大好きな兄のように優しくて

ただいま、お兄ちゃん


もっと素敵なこと書きたかったのですが、
日本に来れば、
まあ、こうなるよね、仕方ない。

小さな小さな私と兄の時間は
いつから止まってしまったのか

でもいつも傍にあって
きっとずっとこのままで
私の言葉の中に流れ続ける。
だからそれでいいのでしょう。

昨日コスモスを見に行きました。
白い花が想像以上に可憐で。
丘の上に広がる夕暮れの空が雲が綺麗でした。

それから家に帰って
図書館で借りてきた本を読みました。

「寺山修司 詩集」

寺山修司、いろんなところで見たり聞いたり、
でも読んだことはなくて。
私の中で未知数の人。
詞に短歌に俳句に。
そして一つ、好きな詩を見つけました。

てがみ

つきよのうみに
いちまいの
てがみをながして
やりました

つきのひかりに
てらされて
てがみはあおく
なるでしょう

ひとがさかなと
よぶものは
みんなだれかの
てがみです

寺山修司 詩集 角川春樹事務所


寂しいけれど優しさが満ちてきて
なんだか素敵な夜でした。



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