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硝子の靴はいらないわ 硬くて冷たくて 綺麗なだけではダメなのよ 心外だと彼は眉を顰めた 綺麗…
見上げる月はあなたのよう 微笑みは全てに注がれ けれど全てを通り抜け 誰のものにもならない…
籠いっぱいに夏花を摘む 揺れる青は遠き日の優しさ 揺れる赤はまだ見ぬ未来のときめき あなた…
夜は仮面をつけて僕を訪れる 底なし沼のような色の 黙ったまま僕を抱いて ただ沈み込むから …
彼女は壁と同じ色のペンキで暖炉を塗り込めて あっけらかんと言い放つ もう冬は来ないの 輝く…
贈られたガラスの小箱に花を詰めた。 枯れてしまいますよ。 綺麗な色なんて残らない。 誰もが…
運命からは逃れられないの? 彼は微笑んだ。 逃れられない。 だからいいのさ。 全てを忘れてしまっても 遠い約束を違えることがない。 けれどできるなら 最後の言葉を取り戻したい。 心から望んだものを心から望む人に いつだって捧げたいから。 彼の瞳に映る夕焼けが世界を魅了する。 私はその手をそっと握った。
虹色のバスに乗ればいいんですね? 僕の問いに彼女は頷いた。 ええ、でもちゃんと伝えてくださ…
その花を食べるとね、眠ってしまうんだ。 そうして僕の大切な人は今も目を覚まさない。 療養所…
ふと目覚めた深夜に思うこと。 もしこの扉があなたの隣に繋がっていたら。 私は最初に何と言う…
白い帆掛け船は軽々と風に乗った。 滴る緑が映り込む水面を滑るように進む。 光と闇を結んで魂…
岬からの風に目を閉じた。 頬を撫で耳をくすぐり髪を優しく梳いて。 温かな手を、指を、声を思…
中庭の睡蓮池に幻の青い花が咲いた日。 私はためらうことなく水に入り その花をむしって捨てた…
鮮やかな青がめくるめく展示 鑑賞後のショップで 私は青い染料瓶を買った 素敵なものを買ったね 先生が微笑んだ それは空かい? それとも海かい? これは恋です 青の中で知ったのだ あなたの優しさに ずっと抱きしめられていたのだと だから今度は私が あなた色の世界が傷つかないように そっとこの胸に抱きしめよう