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第294号(2025年2月3日) 日本周辺でのロシア爆撃機の活動と中東への武器輸出二題
【今週のニュース】日本周辺でのロシア爆撃機の活動と中東への武器輸出二題
長距離爆撃機の訓練続く
前号で紹介した極東でのロシア爆撃機部隊の訓練がいよいよ佳境に差し掛かっている模様である。防衛省統合幕僚監部によると、1月30日には戦闘機の護衛付きのTu-95爆撃機2機編隊が二度、日本周辺に接近したという。一度目は北海道知床岬沖から宗谷海峡上空を通過するルート、二度目は北海道奥尻島沖から秋田県男鹿半島沖を通過するルートであったとされているが、いずれも領空侵犯はなかった。前者のケースでは護衛戦闘機はSu-35が 1機と機種不明の戦闘機が1機、後者のケースではSu-30が1機と機種不明の戦闘機が1機であったとしている。
また、この間、日本海ではロシア海軍のIl-38哨戒機が飛行していたと統幕発表は述べている。報道資料に付された「行動概要」図を見るとTu-95とIl-38の飛行ルートはかなり重なっており、何らかの意図があったようにも思われるが詳細は明らかでない。
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この飛行について、ロシア国防省は2機のTu-95MSによるものであり、オホーツク海と日本海を8時間にわたって飛行したと述べている。護衛にSu-35SとSu-30SMを付けたというから、防衛省発表と概ね一致する。
ちなみに統合幕僚監部の別の発表によると、2020-24年の5年間におけるロシア機への緊急発進回数は以下のとおりであった。
・2020年:258回
・2021年:266回
・2022年:150回
・2023年:174回
・2024年(第3四半期まで):173回
2022年の緊急発進回数が大幅に低下しているのが目につくが、2023年には再び増加に転じ、2024年は第3四半期時点で前年度の総数に迫る回数の緊急発進が行われていることがわかる。おそらくはウクライナでの戦争絡みで極東での空軍の活動が一時的に低下したものの、徐々に元の水準を回復しつつあるということなのだろう。
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