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「卒業しない絆」

卒業生と会って、夕食を一緒に楽しんだ。

いや、卒業はしていない。

特別指導になり、学校を、離れたからだ。
いっときの感情で、学校のルールを逸脱してしまったけれど、本当はまっすぐな人。

僕は、高校生の彼ら彼女らのエネルギーを真っ正面から受け止めて、人生の悩みを傾聴し、ときには励まし、ときには叱ってきた。

少しずつ信頼関係が醸成されていったのだろう。
卒業しても、卒業していなくても、「先生と生徒」のままだし、何年経っても、連絡をくれるし進路の相談もしてくれる。

たった1年間の担任としての関わりだったけれど、「卒業」しても、こうして先生、先生って、相談してもらえるのが不思議だし、なんだかくすぐったい。

あのときの君の失敗は、当時、許されるものではなかった。でも、失敗があったからこそ、今の生き方につながっている。 ——それは、僕も、同じ。

本人が、あのときのことを真剣に、でも笑って話す姿をみて、君も僕も「大人になったなあ」と、つくづく感じてしまうのだ。

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