![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110091909/rectangle_large_type_2_2d3b104165924b29f5033e0ade6655ae.png?width=1200)
架空事例に学ぶ抑うつ症状への認知行動療法/認知行動療法カウンセリングセンター広島店
今回は、認知行動療法カウンセリングセンター代表の岡村が抑うつ症の認知行動療法について話しています。
認知行動療法では、抑うつ症状そのものを直接的に治療するのではなく、認知や行動にアプローチすることで抑うつ症状に対処していきます。具体的には、抑うつ的な行動パターンを把握し、抗うつな行動を増やしていくことで、気分の変容を促します。
岡村は抑うつ症状がどのように現れるのか、日常生活にどのような影響を及ぼすのかを理解するために心理検査を行います。そして、カウンセリングを通じて、抑うつ症状に悩むBさんの困りごとを整理し、共通するパターンや認知・行動を把握していきます。
また、成功体験やうまくいっていることを見つけ、自分自身で変えられる可能性を感じさせることで、希望や期待を持つことができる事などを話しています。
是非、ご覧ください。
はじめに
はい、皆さんこんにちは。株式会社CBTメンタルサポート認知行動療法カウンセリングセンター広島店代表のおかゆこと岡村です。今回はですね、前回に引き続き架空事例に学ぶシリーズのですね、お話をしていきたいと思います。
今回は架空事例に学ぶ抑うつ症の認知行動療法についてお話をしていきます。いわゆるうつ病とかですね、気分障害に対して認知行動療法はどのように実際役立てることができるのか。うつを抱えてね、カウンセリングに来られた際にはどのようなアプローチが行われるのかについて、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。
抑うつ症の認知行動療法について
今回の架空事例の相談者はBさんという30代の会社員の方になります。
大学まではですね、それほど問題なく日々を過ごしてきましたが、大学卒業後、営業職として勤務され始めます。そこから先はですね、しんどいことはいくらかあれど仕事をしていたんですが、大きなきっかけというのはないが半年ほど前から意欲が低下したり、仕事上のミスが増え始めました。
自分を責めるなどのことが増えて、職場に行くのも困難になってきました。
そこで医療機関を受診したところ、主治医により、抑うつ症状が疑われ、休職を提案されます。現在2ヶ月ほど休職中というような状態になっております。服薬も飲みながら家で休んでいるんだけれども、なかなか改善が見えにくいみたいなところもあって、カウンセリングを利用されたという流れにしました。
実際にこのような感じで休職されている方がカウンセリングに来られた場合、どのような感じで進んでいくかということですが、まず初回は前回の不安症のお話と似てきますが、まず心理検査を通して、現在の状態というのがどのような感じなのかというのを把握します。これは抑うつ症状がどのくらいあるのかといったような検査を取ることによって、現在の震度差というのをある程度理解します。
その後、自己紹介としてカウンセリング担当をする、例えば岡村ですとか、この仮想断出というのはこういった感じのところです、みたいな感じのお話をさせてもらいます。その後に相談内容の確認ですね。今日はどういったことでお越しになられましたかというふうな感じで聞きます。そうすると、休職、復職に向けて例えば何とかしたいとか、抑うつ症状がしんどいので何とかしたいなど、人によってそういったことが言われます。
その後は、そのしんどさというのがいつ頃からあったのか、どのような経過をたどってきたのかというのを理解するために問題歴の把握を行います。
併せて、現在の生活がどのような状態なのか、抑うつ症状が今の生活にどんなふうに影響しているのかというのをお聞きします。
併せて、カウンセリングの目標ですね。どうなっていきたいのかというのを聞きますが、どうなっていきたいのかというと、抑うつ症状を何とかしたいみたいな感じになったり、復職できるようになりたいみたいな感じで言われますが、どのような状態になればまさに抑うつ症状が良くなったのかとか、復職できるのかというところを具体的にお聞きしていきますかね。
どういうことかというと、今はベッドに基本的にいて動けないままだので動けるようになりたいとかですね、ぐるぐる悩んで何も手につかないので、何かが手につくようになりたいみたいな感じの具体的な問題として捉えるし、目標としても捉えるといったような感じのことをしていきます。
認知行動療法の目標とアプローチ
認知行動療法でできることというのは基本限られていまして、抑うつ症状そのものを直接的に何とかするといったようなものではないんですね。お薬を飲んで直接抑うつ症状を楽にしましょうみたいなものと違って、認知行動療法では、後でもお伝えしますが、抑うつ症状に付随する認知もしくは行動にアプローチを行うことで、そういったしんどさに対する対策を行っていくといったような感じの流れになります。
そして困りごとの整理ではですね、まずはやはり生活全体でどのような指標が出ているのかの確認をします。日々をどう過ごしているのかといったところにも結びつきますね。なかなか外出できない、食欲がない、夜も寝つけない人と関わっていてもしんどいとかですね、いろんなのが出てくるかと思いますので、まずは一通りどんな感じなのかを把握していきます。その中でいくつかのパターンに分かれると思いますよ。その外出困難系のしんどさとか、何かあったときに悪い方向に考える系の悩みみたいな感じで整理をしていって、一つずつをですね、細かく分解していきます。
その分解のやり方は認知行動療法では、まずどんな状況なのか、しんどさが生まれるのはどんな状況ですか、と聞くと、例えばソファーにいる時です、というふうに答えられます。
その時に気分、気分というのは怒りや悲しみなどの感情を表すものですが、どんな気分、落ちを感じますか、それは何点くらいですか、というような感じで聞きます。例えばタルサが80だというふうに出ます。
その時、頭の中ではどんな考えやイメージが浮かんでいますか、と聞くと、しんどいです。動かないといけないよなぁとは思うけど動きたくないし動けないみたいな感じのことを言われます 体は何か変化ありますかと聞くとまあそれはないですましで言えばだるい感じがするぐらいの感じで言われますかね。行動としては結局スマホで例えば動画を見たりだとかして気がついたら夜になっているみたいなことを繰り返していますみたいな話をいただきますね。
しんどさと思考の整理
そういったことをこのような流れで細かく整理してどこかしら扱えることはないかなぁだとかっていうのを整理していきます。
合わせて例外的にですねしんどさがありながらもできていることだとか例えば普段眠れないけど眠れた日だとかそういった いつもとちょっと違う感じでうまくできたことというのもたくさん聞いていくようにします。
そうするとですねうまくいっていない人をうまく言っている日で何が違うのか、じゃあうまくいくようにするにはこういうことを増やしていったらいいんじゃないかっていうようなですねいろんな発見があるからです。
さらにうまくいっていることがあるということへの気づきが増えてくるとあのこれまでコントロール不可能も欲打つ症状には従うしかなくて何ともできないと思っていたんだ、けどそうでもなくて自分でやれることをやっていくとなんだか変われるかもしれないみたいなある意味希望だとか期待みたいなものが生まれやすくなるわけですね。しんどい時ってするのは見えづらくなりますが必ずそういったところっていうのはあるかと思いますのでそういったところを発見するお手伝いもしていきます。
しんどいところばかりね分析するのって結構苦しい作業でもありますからね。 なのでやれるところも同じぐらい整理していきます。
そして困りごとの整理を行う中で複数の状況で共通する認知と行動を理解します。どうしても困り事というのはたくさんありますが1個ずつ扱っていると時間が何時間あっても足りないんですね。なので共通するグループごとでだいたいこんなパターンを繰り返しているよねみたいなところを整理していきます。で、困り事を維持しているつまりしんどさを維持しているパターンについて理解して いきます。
認知と行動の理解
うつの場合は抑うつ行動と呼ばれるものと抗うつ行動と呼ばれるものがあって、抑うつ行動と言われる行動はうつを維持してしまうことなんですね。
逆に抗うつ行動というのは、うつを少し軽減したりだとかよくしてくれるような行動になります。なのでこの人にとっての抑うつ的な行動欲と維持しているのはどんなパターンなのかというのを把握していきます。
先ほども述べましたように抑うつ症状そのものを扱うというよりは、それに影響する認知や行動にアプローチをするものだと思ってください。なのでうつ気分自体をね、すっかりこうよくしてもうカラッと元気にしますからねっていう方法というよりは、最初のうちはちょっとしんどいながらも動けるようになったりだとか、ぐるぐるする時間が減ったりするようなお手伝いになってくるかと思います。
結果的にねそうすることの積み重ねによって気分が変容してくることはありますが気分を直接扱うというのはかなり難しいわけですね。
例えば今この文章を見てくださっている方、いろんな気持ちでこの文章を見てくださっていると思いますが私が何かこう、今すぐ明るい気持ちになってくださいとかお願いしてるんですね。よしなれる、なれましたっていう人はほとんどいないと思うんですよね。
でも例えば右手を上げてもらっていいですか、というふうにお願いするとこの場で例えば右手を上げることってできると思うんですね。もしくは今日食べた朝食のことを少し考えてみてくださいみたいなこと言うと少し考えれる。よっぽどですねそんなのに従ってたまるかみたいな方は別として考えれると思うんですね。そんな風に気分だとかはなかなか扱えないんですけども認知や行動というのはある程度自分で選択が可能なわけです。
そういったところにアプローチをしていくよといったような話ですね。
じゃあ具体的にその考えや行動というのにどのように働きかけていくのかの一例のご紹介になります。
しんどさを克服する方法
例えば活動性が低下してますとほぼ1日寝たきりみたいな生活をしていて何も手につかないのですわ、といったような困り事に対しては、しんどいから動かないみたいな気分一致行動と言われるものが起きているんですね。
それを気分不一致行動といってしんどいけど少し動いてみるだとかですね、そういった行動を通して快体験に触れる。やってよかったなぁとか達成感感じたり楽しさを感じれるような体験というのを増やしていきます。
何のためにかというとしんどいから動かないってしていると楽しむとか楽しい、やってよかった食べてよかったみたいな経験のどんどん減っちゃうんですね。で、そのまま減っちゃうとなかなか元気になるきっかけっていうのがなくなっていきます。
ですのでしんどいながらもやってみると楽しかったみたいな経験を増やしていくと、抗うつ行動と言って、ちょっとずつ元気になっていきます。
ただその双極の方とかの場合はですねこの活動しすぎてしまうとかえって躁転してしまうようなリスクもあったりするので、計画的に行ったりだとか主治医だとかその担当カウンセラーと相談しながらですね、どのくらいのペースでやっていくのがいいかというのを話し合いましょう。
とはいえそもそもしんどくて動けない状況で動きましょうと言われて動けたら苦労しないと思いますですので、なけなしのやる気でできることって何なんだろうなというのを検討しながら進めていくことが大切になります。
動ける力が備わっていること
何度か動けています。ということは、ある程度動けるだけの力が備わっているという見方もできるわけですね。だからといって毎日動きましょうみたいな話ではないですが、やれる部分というのはきっとあるかと思います。それを一緒に検討していくことが大切なわけですね。
ぐるぐる悩む場合の対処方法
続いて、反芻と言われるものです。ぐるぐるぐるぐるこう悩んじゃうんですね。今日あれだったな、これだったな、みたいな感じのことで、ぐるぐる悩み続けてしんどくなるといったような場合があります。
この場合はいくつか方法があります。
思考中断法といって、ぐるぐる悩んでいることにまず気づけるようになります。気づいて、本来すべきことに注意を向け直すといったような感じの、注意を切り替えるといった方法もあれば、上にですね、以降上で紹介したような行動を増やすことによって、ぐるぐる悩む時間を減らしていくというような感じですね。
ただただね、布団とかベッドで休むというのは、体は休まっているんですけど、頭休まらない場合があるんですよね。そんな時は体をある程度動かしてあげた方が、頭は休まるし、ぐるぐるもしなくなるみたいな感じですね。
なんというか、スクワットをその場でしてみるだとか、トランポリンを飛んでみるだとかですね。トランポリンが家庭にあり、やすくないかと思いますが、そういった感じでも動きにもなるし、考えも止めれるし、いいんじゃないかと思いますね。
物事の受け止め方が変わる方法
3つ目です。物事の受け止め方が変わるというふうに、どちらかというと悲観的だったり自責的。場合によってはかなり多責的になって怒りという感情で出る場合がありますが、この物事の受け止め方が変わるのに関しては、いろいろこれもあり方があって、実は結構生活が安定してきたり、解体験に触れる機会が増えると、それだけで自然に良くなってくる場合があるんですが、長年、抑うつによって染み付いた考えというのはなかなか変わりづらくなっていきます。
そんな場合はコラム法と言われる認知行動療法では有名な方法を通して、いろんな視点があることにも気づいていくというようなアプローチも行ったりします。
私の体感的には一番上の行動活性化というアプローチになりますが、行動の方を変容させていくと、結構自然に認知的な側面も変わってくるという印象があります。もちろんケースバイケースです。
さて、Bさんがやったことは何かと言いますと、まずは生活習慣を把握し、少しずつ快体験に触れることができるような活動を増やしていきました。
ちょっとしんどいながらも、やってみたいことややれることをちょっとずつ増やしていきました。次第に気分に振り回されず、行動できるようになっていきました。と言ってもトントン拍子にできるわけじゃないです。なけなしの気力でできることを積み重ねて、いろんなことができるようになる感じですね。
骨折した後の足のリハビリに似てますよね。リハビリ2日目で突然走れるようになるかというとそんなことはないけど、やらない方がいいのかというとそんなこともないわけですね。
まさにそういったリハビリのような感じになります。あとは時折物思いにふけてしんどくなるときには、先ほどお伝えしたような思考中断法を実施しました。
無事復職できたとしましょうか。復職後は再発予防として無理をしたりしんどくなっているときに、認知や行動のパターンを振り返り、無理をしなくて済むように調整していますみたいな感じですね。
このような感じのことが抑うつ症状やの認知行動療法的アプローチになります。なんというか抑うつ症状を具体的な困りごととして捉え、認知や行動などを比較的、完璧に扱えるわけではないですけど、扱いやすいところを扱っていくことで何とかしていきましょうというアプローチが認知行動療法になります。
認知行動療法カウンセリングセンター広島店では、対面およびオンラインにおいてこういった方のサポートも行っておりますので、うちじゃなくても全然構いませんが、カウンセリングを必要とされる際はぜひご活用いただけたらと思います。それでは本日もありがとうございました。