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解明されつつある老化の謎 ~サーチュイン遺伝子~


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私たちの体を構成する約60兆個の細胞は日々分裂を繰り返し、やがて死んでいきます。

例えば、最前線で病原体から防衛をしてくれている肌の細胞はこのサイクルが激しく、数週間で全ての細胞が新しくなると言われています。

この様に、細胞の老化や代謝の現象は私たちが日々体験する大変身近なものですが、今までそのメカニズムははっきり分からず、謎に包まれていました。

しかし近年、科学の発展に伴い、様々な老化現象や長寿に関する研究成果が発表されています。



その中の1つにサーチュイン遺伝子(Sirtuin)、いわゆる「長寿遺伝子」と呼ばれるものがあります。

サーチュイン遺伝子は老化や寿命に関して重要な役割があり、サーチュイン遺伝子の発現を増やすことが老化の抑制に効果的であるとされています。

サーチュイン遺伝子について、近年そのメカニズムが明らかになりつつあり、例えば、2000年マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授と、当時同ラボにいた現ワシントン大学の今井眞一郎教授による研究発表は、この分野の研究が確立されるきっかけとして世間の注目を集めました。

この2人の研究によると、酵母のサーチュイン遺伝子(Sir2)のこれまで知られていなかったたった一つの機能を強めるだけで酵母の寿命が延び、欠損すると短くなることを突き止めました。


その後の研究で、現在は哺乳類にSIRT1からSIRT7まで7種類のサーチュインがあり、それぞれが異なる特性を持つことがわかっています。


特にSIRT1に関しては、インスリンの分泌促進をすることで脂肪と糖の代謝を良くすることや、神経細胞を保護することで記憶や行動の制御につながることが明らかになってきています。そしてこれらは、老化や寿命に大きく関係していると言われています。

調べれば調べるほど興味深いですね!

個人的なお話をすると、私は農学部出身で、学生だったころは20年近く前になるのですが、当時の研究ではまだ解明されていなかったことがどんどん発表されてきているので、最近の研究成果はとても面白いです。

今後はサーチュイン遺伝子、テロメア、ミトコンドリアなど最新のアンチエイジング研究をご紹介し、健康で若くいられることを私自身も実践していきたいと思います。



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