本日の読書
ラスト・チャイルド(上)(下) ジョン・ハート (著)
面白い本を探して迷走している。
世間では評判だけど、これまで避けてた類の本や
時代小説、海外小説、古典など選り好みせず探しているが、
もともと根気がない面があり、本の半分くらいまで読んで
それ以上食指が動かなえれば途中挫折するので、
「読みのがしている名作」が沢山あるのだと思う。
さて今回の「ラスト・チャイルド」だが、同著者の
「川は静かに流れ」や「キングの死」は10年ほど前に読み
面白かった記憶がある。
がしかし、それ以上その作者を追うことがなかったので
以降の作品には触れてこなかった。
物は試しと今回の「ラスト・チャイルド」をブックオフで上下巻220円で
買ってきて読んだのが、これがずばり当たり!!
めっちゃ面白かった。
テーマは重い。
誘拐された双子の妹を探す兄ジェニー。娘の死を「あなたのせいだ」と
攻め続けられ家を出た父、残された母は酒と薬物に溺れ、
二面性のある(暴力癖のある)地元の名士のお情けにすがって
ようやっと生きている感じ。
その家族を誘拐から1年、捜査と共に支えようとしてきた刑事ハント。
物語は重層的で、後半に二転三転するが、これがとてもおもしろい。
そして、(常套句だが)あっという結末。
上下2刊なので読み応えも十分だ。
ただ、アメリカの物語によくある、キリスト信仰などの
記述にあるであろう暗喩とかが分からないし、
今作に於いては、それに追加してアメリカ先住民のトピックも
含まれてるので、我々日本人が心の底から理解するのは
難しいのだとは思う。
面白い本をお探しの方、オススメです!
☆☆☆☆★