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本日の読書

「ザ・ロイヤルファミリー」早見和真(著)

昨日、「テスカトリポカ」を挫折した後、書店から買ってきた。
「山本周五郎賞」受賞作ということと、読みやすそうなこと、
Amazonレビューもいいことが購入の理由かな。

内容としては、競馬、というか馬主(うまぬしと読むのが正しいそう)
の世界のことを描いた作品で、ある馬主(会社社長でお金持ち)に
雇われた主人公の目を通して、馬主達の世界、競馬界のこと、
そして“社長”の“ファミリー”のことなどが語られてゆく。

物語の初めに、主人公と“社長”が出会って、“社長”の元で
働くようになる経緯があるのだが、そこからして陳腐で、
又、“社長”の人間性、態度に違和感があった。
絵に描いたようなワンマン社長。
賞をとっているし、こういう本は、必ず盛り上がるシーン、
泣かせるシーンがあると分かっているから、
我慢して読んでいたけど(読みやすい点は○)
どうにも、主人公の老執事みたいな語り口に違和感が拭えず、
また、“社長”の人間性にも辟易してきた。
あと、全体から漂うあざとさ。
なので、「テスカトリポカ」と同じく途中断念。

なぜなら、(歳をとった)僕にとっての読書とは
我慢して読みすすめるものではないからだ。
5時間も6時間も我慢して読み進め、最後に「わぁ〜」って
なるよりも、読み始めから「あぁ面白いな」と
思えることこそが、僕にとっての「読書体験」だと思うから。

Amazonレビューは高いので、きっと「面白い本」なのだろう。
しかし自分には合わなかったし、宮本輝の「優駿」のような
読み心地には程遠かった。

頻繁に本を買うにも憚られるので、これを置いた後、
書棚から深沢七郎を取り出して、もう何度めか数え切れない
再読をしているが、やはり面白い。
物語として「深み」が、まるで違う。

という訳で、「ザ・ロイヤルファミリー」降参ですm(_ _)m


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